この記事では、クレマチスに適したおすすめの肥料を一覧でご紹介します。また、クレマチスに肥料をやるタイミングややり方についても解説します。
クレマチス肥料 元肥に適した肥料
元肥・寒肥には固形の緩効性肥料、遅効性肥料がおすすめです。この中でも初心者の方にも扱いやすい肥料をご紹介します。
花ごころ まくだけ!花と野菜の肥料
非常にメジャーな、どんな草花・野菜にも使える緩効性の肥料です。 天然腐植に吸着された肥料成分が、少しずつ溶け出すため、根を傷めません。チッソ・リンサン・カリの三大要素を均一にバランスよく配合しています。腐植が土壌の団粒化を促すので、土壌改良にも役立ちます。
マイガーデン植物全般用
マイガーデンは、住友化学園芸の登録商標で、様々な草花・庭木・果樹の元肥や追肥に使うことができます。
栄養分を効率よく吸収させるすぐれた腐植酸入り緩効性肥料として特許を取得しており、植物が肥料を吸収しやすくする働きや、土壌の保水性、通気性を高めるなど、土に活力を与える作用がある腐植酸をブレンドしています。
また、肥料成分は樹脂コーディングし、土壌の温度変化や植物の生育にあわせて溶けだす量が調節され、効き目が持続するリリースコントロールテクノロジーを採用しており、樹脂コーディングのため、肥料が直接根に触れても肥料やけしないのが特長です。元肥、追肥両方に使用可能です。こちらは粒状の製品ですが、液体タイプ(液肥)のマイガーデンもあります。
マイガーデンの肥料は他にも種類がありますよ!
ハイポネックス マグァンプK
ハイポネックスジャパンが販売する元肥用の定番の粒状肥料です。「チッソ・リンサン・カリ」植物の生育に必要な三要素は勿論、マグネシウムやアンモニウムなどの二次要素・微量要素もしっかりと配合されていて、元肥に申し分ありません。土にしっかり混ぜて、大粒で約2年、中粒で約1年、生長効果が持続します。マグァンプK 小粒は追肥に有効です。
また、追肥としては肥効が約2ヶ月続く、マグァンプK 小粒がおすすめです。
クレマチス肥料 追肥に適した肥料
追肥は、元肥と異なり、速効性がある肥料がおすすめです。特に、花をきれいに咲かせるためには、リン酸の栄養素が重要です。これから紹介する肥料は、リン酸がしっかりと配合されていて、手に入りやすく扱いやすいものです。
ハイポネックス 原液
液体肥料(液肥)国内トップシェアを誇るハイポネックスの定番液体肥料です。ハイポネックス原液は、「三大要素(窒素、リン酸、 カリ)」の他、マグネシウムやカルシウムなどの「二次要素(多量要素)」、さらに鉄をはじめとした「微量要素」を含む15種類の栄養素を最適のバランスで配合された液体肥料(液肥)で、水で薄めて使います。
マイガーデン 液体肥料
当製品は、先ほど紹介したマイガーデン植物全般用の効果に加えて、モイスト成分と呼ばれる土の潤い・活力が増す作用があり、保水力と保肥力が高まります。このため、用土に取り入れることで肥料が効果的に染み渡るとともに、暑い夏の水管理に効果を発揮します。液体肥料(液肥)なので速効性が期待でき、追肥用としておすすめの商品です。
バイオゴールドオリジナル
こちらは有機肥料でありながら、即効性があり追肥に向いている珍しいタイプの肥料です。生育に必要な三要素(チッソ・リンサン・カリ)はもちろんカルシウム・マグネシウムをはじめ豊富な天然のミネラル類がたっぷりと、バランス良く含まれています。
有機肥料は臭いが伴うものが多いですが、こちらの商品は施肥後の臭いも気にならず、粒状ですが、ばらまいて使用する他に、水に溶かして液肥として使うこともできますし、肥料焼けも起こりにくいという利点もあります。初めて有機肥料を使用してみたいと思われる方には、試していただきたい商品です。
合わせて使いたい活力剤(栄養剤)
植物の栄養剤として肥料の他に「活力剤」と呼ばれる製品があります。活力剤は、植物の活性を高める目的で使われ「窒素(チッソ)・リン酸(リンサン)・カリウム(加里)」の三要素以外の養分やアミノ酸、フルボ酸などの有機酸が含まれています。
活力剤は、単体で施用するのではなく、あくまで肥料にプラスして施用するものです。肥料はしっかりと適期に施しつつ、植物が弱ってきたり、より綺麗に花を咲かせたい、葉緑素(光合成に影響があります)を増やして葉を青くイキイキさせたいときに有効です。
種類としては液体やアンプルのものがあります。
リキダス
リキダスは、3種類の有効成分コリン、フルボ酸、アミノ酸を配合し、3つの相乗効果で植物本来が持っている力を引き出し、元気な植物を育てる活力液です。また、カルシウムをはじめ、不足しがちな各種ミネラル(鉄・銅・亜鉛・モリブデンなど)が、植物に活力を与え、美しい花を咲かせると共に、葉面散布液としても使用できるおすすめの活力液です。
土壌に挿してそのまま使えるアンプルタイプのものもあります。
植物活力素 メネデール
植物の生長に欠かせない鉄を、根から吸収されやすいイオンの形で含む植物活力素で、発根を促し、元気な植物に育てます。肥料でも農薬でもないので気軽に使用できます。
防ぎたい!クレマチスに肥料をやるときの注意点
肥料のやりすぎ
観葉植物は、野菜などとは異なり冬には休眠中になったりと、比較的植物の中でも肥料を必要としないものも多いです。このため、家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい肥料焼けを起こします。肥料やけを起こすと、植物が弱々しくなり、最悪枯れてしまいます。観葉植物は、特に肥料のやり過ぎには注意してください。
同じく、ハイドロカルチャーの場合は、水をやりすぎて根が腐って草花を枯らしてしまったり、根詰まり、またカビが生えたりしてしまうことがあります。水が常に容器に満たされた状態で風通しの悪い所に放置すると起こりやすいため、下記のことを心がけて育ててください。
- 水分が切れてから水を与えるようにする
- 風通しの良い場所に植物を置くようにする
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
肥料を与えるタイミング 元肥と追肥
植物の苗や苗木を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
異なる呼び方として「基肥(きひ)」「原肥(げんぴ)」などと呼ばれる場合もあります。
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。追肥を施す時期が遅れたりすると、植物の生育期に葉の色が薄くなったり、花が小さくなったりして最悪の場合、枯れてしまいます。特に窒素、カリウムは消費されるのが早いので適切な時期に追肥が必要です。
大きな植木鉢で用土を使う場合は、植え付け時や植え替え時に緩効性の化学肥料や臭いの少ない有機肥料を元肥として十分に施し、その後生育を見ながら液体もしくは固形の化成肥料を追肥として施していくと良いでしょう。
植物の種類によっては、肥料をそこまで必要としないものもありますので注意しましょう。
クレマチスに対する肥料のやる時期と頻度
それでは、クレマチスの肥料はいつ、どれくらいあげればいいのでしょうか?ここでは、一般的なクレマチスに肥料をやる時期と頻度について、基本的な考え方を説明します。
- 春
新芽が出始めるなど、花芽を育てるこの時期は、固形、粒状の緩効性肥料を一度、土の上に置いてください。
- 夏
最も植物の生育が活発になる時期です。月に2回程度の頻度で液体肥料(液肥)による追肥を水やりの際に与えましょう。ただし、真夏の暑い時期は花も肥料を吸収しづらくなるので、控えめにしましょう。使用する液体肥料のラベルに記載のある分量、希釈率を守って、使用しましょう。
- 秋
秋も引き続き10月までは夏と同じペースで追肥しても良いでしょう。ただし気温が下がり始める11月頃からは休眠期に入ってくるため、肥料をやる必要はありません。
- 冬
引き続き休眠期のため、基本的に施肥は必要ありません。12月から1月頃に寒肥(元肥)として、固形の緩効性肥料・遅効性肥料を与えてください。ここでしっかり寒肥を施しておくことで、植物が生育期に入るときに樹勢が良くなったり、春以降の追肥の回数を減ったり、生育管理が楽になります。
こちらで説明した肥料のやる時期と頻度は、目安です。育てている品種に必要な肥料量を調べた上で、肥料を適量与えるようにしましょう。
花に使える肥料は、どんな種類があるの?
作物・植物の栽培における肥料の種類は、大きく以下のとおりに分けることができます。
肥料はその物質の有機、無機によって、「有機肥料(有機質肥料)」「化学肥料(≒無機質肥料、化成肥料は化学肥料に属します)」の2つに分けることができ、形状によって、「固形肥料」と「液体肥料(液肥)」があります。
「化学肥料」とは、化学的に合成しあるいは天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。「有機肥料(有機質肥料)」とは、「油粕や米ぬか、腐葉土など植物性の有機物」「鶏糞(鶏ふん)、牛糞(牛ふん)、馬糞や魚粉、骨粉などの動物性の有機物」を原料にして作られたものです。堆肥も、家畜の糞や落ち葉などの有機物を微生物によって分解・発酵したもので、有機肥料となります。有機肥料は、用土(培土)を養分を補うだけではなく、物理性の改善(ふかふかにする)にも役立ちます。
(補足)クレマチス栽培の基本
クレマチスの基本情報
バラのパートナーとして、華やかにガーデンを共演するクレマチス(テッセン)。クレマチスはキンポウゲ科クレマチス属の総称で、英語名で「Clematis」と記載します。宿根草(多年草)で北半球の温帯地帯を中心に、約250〜300種類の原種が自生しています。日本でカザグルマと呼ばれる花もクレマチスの原種の1つと言われています。
つる性植物なので、窓辺やアーチ、オベリスク、トレリス、フェンスなど仕立て方次第でどんな場所でも栽培、育成できる、ガーデニングには欠かせない花の種類です。また、春から秋まで花が咲く四季咲き性のものや常緑種のものもあり、イングリッシュ・ガーデンの庭造りにおいて不動の人気を誇っています。
クレマチスの種類
クレマチスは300種類の原種が自生し、分類にはいくつかの説がありますが、ここでは有名な原種と改良種を分類しましたので参考にしてください。
種類 | 特徴 |
---|---|
アーマンディー系 | アーマンディーを中心に改良されたもので常緑性、光沢のある葉や香りをもつ品種が多くを占めます。 |
インテグリフォリア系 | インテグリフォリアを中心に改良されたもので、木立性で四弁下向きの花が多くを占めます。 |
テキセンシス系 | テキセンシス(原種)と園芸品種とを交配し改良したもので、チューリップ型の多花性種が多くを占めます。プリンセスダイアナが有名です。 |
ヴィオルナ系 | ベル型のヴィオルナ、テキセンシス、クリスパ、フスカなどを中心に改良されたものです。 |
ビチセラ系 | ビチセラを中心に改良した多数の園芸品種があるグループです。小〜中輪多花性が多くを占めます。 |
ヘラクレフォリア系 | ヘラクレフォリア、クサボタンなどを中心に改良。ヒアシンスに似た小花を持血、芳香性があります。 |
モンタナ系 | モンタナを中心に改良されたもので生育旺盛、芳香性があり、四弁の花を春に多数群開させます。 |
大輪系改良種 | 早咲き大輪系と遅咲き大輪系があり、八重咲き系など咲きの中間のタイプもあります。 |
他、シルホサ系、トレリス系、タングチカ系、アトラゲネ系、フラミュラ系、フォステリー系、ヘラクレフォリア系、フロリダ系、ビタルバ系、ラヌギノーサ系、ジャックマニー系などがあります。
クレマチスの増やし方
クレマチスは他の花木と同じく、挿し木で増やすことができます。挿し木とは、切った枝を用土に挿して、そこから根付かせることです。枝の花と、下の葉っぱは基本的に取り除いて、市販の水はけの良いクレマチス用の培養土をポッドに入れ、そこに苗木となる枝を挿します。挿したら、たっぷりの水を与えて日当たりの良い場所で育苗しましょう。水切れに注意して、用土が完全にが乾いたら散水する、頻度で大丈夫です。
春に新芽が出たら、大きい鉢を用意し、鉢の底に鉢底石を入れ赤玉土などを足して水はけを良くした状態で植え替えて移植し、挿し木から2年以上経てば、鉢植えから地植えに替えても大丈夫です。クレマチスはつる系なので、忘れずに支柱やフェンスを設置して下さい。
植物別のおすすめ肥料
農家webには、植物別におすすめの肥料をまとめている記事がたくさんあります。ぜひ参考にしてみてください。
- アジサイ
- アンスリウム
- ガジュマル
- サンスベリア
- サボテン
- シマトネリコ
- シャコバサボテン
- シンビジウム
- バラ
- パキラ
- ビカクシダ
- プルメリア
- フィカス・ウンベラータ
- ペチュニア
- ポトス
- ポインセチア
- モンステラ
- 洋ラン
- 胡蝶蘭
- 睡蓮
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