冬に花を咲かせ、冬の女王とも呼ばれるクリスマスローズは、寒さにつよいため庭に地植えすることも可能です。ここではクリスマスローズの地植えに適した肥料や、肥料時期や与え方について説明します。
クリスマスローズに適した肥料とは
クリスマスロードを地植えに適した肥料は、ゆっくり効果の出る緩効性肥料が適しています。土壌改良効果もある有機肥料がよいでしょう。
花つきをよくするため、秋の追肥にはリン酸を高めた肥料が適しています。
クリスマスローズの肥料時期
クリスマスローズの地植えの肥料の時期は、10月と花が終わった後の4月頃に与えます。6月には肥料が切れているようにしましょう。
クリスマスローズの地植えの肥料の与え方
元肥
元肥とは、苗の植え付け時に施す肥料です。
クリスマスローズには、植えつけ時に根にあたらないように掘り上げた土にいれるか、植え付け後に有機肥料や有機配合肥料を株のまわりに蒔いて、土とかるく混ぜておくとよいでしょう。
追肥
春に植え付けをした場合は、10月に花を咲かせるために追肥をしましょう。クリスマスローズは秋の肥料が一番重要です。
秋の追肥は、リン酸の多い緩効性肥料を、株から少し離れた場所にばら撒いて、土と軽く混ぜておきます。
3月下旬から4月になって花の色が褪せてきたら、花の付いた花柄は根元からカットします。古い葉などを取り除いてから、肥料を与えます。緩効性肥料を株から少し離した位置にばらまいて、その上から腐葉土をまいておきましょう。土壌改良だけでなく、夏の乾燥を防ぐ効果もあります。
クリスマスローズの地植えの植え付け
植え付け時期
植え付け時期は、9月~11月、3月~4月が適期です。寒冷地では春に植え付けるとよいでしょう。
植え付け場所
クリスマスローズは寒さには比較的強いですが、暑さが苦手です。風通しのよい日当たりの良い場所を好みますが、夏の直射日光や西日が当たらない場所を選びましょう。夏に日が当たる場所でしか育てられない場合には、夏は半日陰になるように、寒冷紗などを使って日除けをしてあげましょう。
準備するもの
土壌は選びませんが、水はけのよい土が適しているので、植えつけ時に土づくりをして植えつけるとよいでしょう。
手順
複数株を植え付ける場合は、生長が早いので株間は50cm~60cmほどあけて植えつけます。
- 縦横30㎝~50cmほどの穴を掘ります。(水はけの悪い場所は深めに)
- 腐葉土か牛ふんをいれ土とよく混ぜます。(牛ふんと腐葉土半々でもよい)
- クリスマスローズを鉢から出して、土を3分の1程度落とします。
- クリスマスローズの鉢をいれ、根鉢が地面と同じ位置になるように植えつけます。
- 最後に表面に有機肥料をばらまいて、土と軽く混ぜます。
クリスマスローズの栽培のポイント
栽培環境
クリスマスローズは、日陰の植物というイメージが先行していますが、他の植物と同様に適度な日光を必要とします。置き場所は、直射日光が当たらない落葉樹の下などが最適で、合わせて、水はけ、風通しの良い場所を選びましょう。
水やり
露地植えの場合は、基本的に水やりを気にする必要はありません。夏の晴天が続いて土が乾燥しているときに水やりをすると良いでしょう。土の温度を気化熱で下げるために夕方にたっぷりと与えると良いでしょう。
増やし方
クリスマスローズは、種子をつけやすく、種子の発芽率が高い草花なので、挿し木ではなく種子を採取して播種(種まき)をすると良いでしょう。基本的なやり方としては、ポットに培養土を入れ、種まきを行い、発芽させて育苗し3年かけて開花させます。
ただし、原種の場合は、株分けに不向きな有茎種のフェチダス、アウグチフォリウス、リビダス、無茎種のヴェシカリウス以外は、原則株分けで増殖させます。
病害虫について
クリスマスローズで気をつけたい病害虫は、糸状菌(カビ)による病気として、葉や根茎の灰色かび病、ウィルスによる病気として、ブラックデス、モザイク病、害虫は、アブラムシ、ヨトウムシ などに注意が必要です。
カビ系、特に灰色かび病を防ぐには、マルチングを避け、風通しの良さと過湿に注意して予防しましょう。追加の対策として、ダコニールなどの薬剤を2ヶ月に1度程度、年間を通して定期的に散布して防除するのも有効です。
ウィルス、害虫系を防ぐには、咲き終わった花をこまめに取り除く、またべニカのような殺虫剤も活用しましょう。