さくらんぼには、いつどんな肥料を与えるのがよいのでしょうか。ここではさくらんぼ栽培に適した肥料について、その成分やおすすめの肥料、与え方のポイントについてわかりやすく説明します。
さくらんぼ栽培に適した肥料とは
さくらんぼ栽培では10月~11月に施す元肥には「緩効性肥料」、収穫後のお礼肥には「速効性の化成肥料」が適しています。
有機質肥料を使うと、土壌環境を良くする効果もあり、三大要素(窒素、リン酸、カリウム)の他にもミネラル(微量要素)が含まれており、アミノ酸やビタミン類が生成されるため食味が良くなるといわれます。
有機肥料はゆっくり効果がでるため、元肥に適しています。有機配合の化成肥料は、速効性と緩効性両方の性質をもったものが多く、臭いも少ないので鉢植えや追肥にも適しています。
さくらんぼの肥料の時期・与え方のポイント
さくらんぼの肥料の与え方のポイントは下記の3つ。
- 庭植えの場合は年2回、秋に元肥として有機(有機物)肥料もしくは緩効性肥料を施し、果実が終わった後のお礼肥として速効性の肥料を与えます。
- 鉢植えの場合は、年3回、2月と落葉後に緩効性肥料を、収穫が終わった後のお礼肥に速効性肥料を与えます。
- 苗木は、苗(苗木)は成木に比べ弱いので、特に苗(苗木)の段階では施肥量を減らし、肥料の与えすぎに注意しましょう。
さくらんぼにおすすめの肥料
それではここからは、実際にどのような肥料がおすすめなのか。肥料ごとの特徴や製品について説明します。
有機質肥料(有機肥料)
有機質肥料には、油かすや米ぬか、鶏ふんなどがありますが、さくらんぼの元肥には油粕を主体とした肥料がおすすめです。油かす(油粕)肥料は、ナタネやダイズから油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機(有機物)肥料です。
製品にもよりますが、油かすは、窒素(チッソ)を主な成分として含有しており、リン酸やカリウムも多少含んでいます。油粕だけではリン酸が不足するため、骨粉などと一緒に使うとよいでしょう。骨粉が配合された油粕肥料が便利です。
果樹用の肥料
さくらんぼには、果樹用に肥料成分が配合されたか果樹の専門肥料もおすすめ。果樹の肥料は有機配合肥料が多く、速効性と緩効性の両方の性質をもつため、元肥や追肥両方に使える肥料が多いので、これ一つで栽培が可能です。
有機肥料は臭いや虫が心配という人や、使い方や量が不安という人には、有機配合の果樹の肥料が便利です。また鉢植えの追肥には、鉢の縁に置くだけの錠剤肥料もおすすめです。
化成肥料
お礼肥には、速効性の化成肥料がおすすめです。追肥には速効性の窒素肥料を与えます。家庭菜園でよく使われる化成肥料8-8-8など三大要素が均等に含まれている肥料がよいでしょう。硝酸態窒素が含まれている肥料を使いましょう。