枝打ち作業には、ナタ、ノコギリ、ハサミなどが古くから用いられてきました。近年では、これらに加えてチェンソーが枝打ち用具として利用されることが増えています。ここでは枝打ちにおすすめのチェンソーについて種類や特徴について説明します。
枝打ちとは?
枝打ちとは、樹木の幹から枝を切り落とす作業のことです。樹木から製材するにあたって、枝の部分は木材に「節」を生じさせます。一般に、この節は商品価値を低下させるため、それを防ぐ目的で枝打ちが行われてきました。また、枝打ちによって日光が下層まで届くようになるため、森林整備に寄与する山林作業とも位置付けられています(その他の身近な山林作業としては、チップソーやナイロンコードカッターなどが装備された草刈機を利用しての草刈りおよび除草作業が挙げられます)。
かねてより枝打ちには、鉈(ナタ)や鋸(ノコギリ)といった手工具が利用されてきました。しかし、近年の林業においては、農機具類の発展にともない、鉈(ナタ)や鋸(ノコギリ)では切断に苦労する太い枝を中心にチェンソーが利用されることが増えています。
枝打ちにおすすめのチェンソーとは
枝打ちにおすすめのチェンソーは、「小型チェンソー」もしくは「高枝チェンソー」です。
小型チェンソーは、高いパフォーマンスが求められるプロの林業者や造園業者に適しています。高所での作業では、ロープやワイヤーによって昇降するため、チェンソーも軽量で持ち運びに優れるものでなくてはいけません。従来はパワフルなエンジンチェンソーが主流でしたが、最近は性能の向上にともない電動チェンソーも利用されます(エンジンチェンソーの動力はエンジン、電動チェンソーの動力はモーターです)。電動チェンソーは、リコイルスタートロープを引く操作をせずに始動できるので、高所での作業にも適しています。
高枝チェンソーは、庭木や果樹の剪定など園芸場面にも適しています。利用場面から考えるとエンジンチェンソーよりも、電動チェンソーの方が手軽に使えて望ましいかもしれません。さらに、電源コードが必要ないコードレスのチェンソー(コードレスチェンソー)が持ち運びや作業性の面でふさわしいかもしれません。
枝打ちにおすすめの小型チェンソー
小型チェンソーとは、その名の通り本体サイズの小さいチェンソーのことです。ただし、本体サイズが小さくなるとガイドバーの長さも短くなり、それにともなってエンジン排気量やバッテリー出力も小さくなります。したがって、小型チェンソーを選ぶ際には、本体サイズのほかに、ガイドバーの長さ、エンジン排気量やバッテリー出力にも注目してみるとよいでしょう。
特殊なチェンソーを除けば、ガイドバーの長さは25~45cm(250~450mmもしくは10~18インチ)、エンジン排気量は20~100ml(20~100cc)くらいの範囲におさまります。そのうち、ガイドバーの長さが30cm(300mmもしくは12インチ)以下、エンジン排気量が30ml(30cc)以下くらいのものが小型チェンソーとよばれる目安です。なお、重量は3kg以下くらいであれば、チェンソーとしては軽量といえます。
小型の電動チェンソーのおすすめはこちらに詳しく説明しています。
枝打ちにおすすめの高枝チェンソー
家庭の庭木や果樹を枝打ちしたい場合などには、高枝チェンソーを利用する方法もあります。高枝チェンソーは、高い位置にある枝を切るために柄が長く設計されているチェンソーです。英語で棒を意味するポール(pole)から、「ポールチェンソー」、「コードレスポールチェーンソー」、「ガーデンポールソー」などとよばれることもあります。
背たけくらいの位置にある枝であれば通常のチェンソーで対応できますし、高い位置にある枝でも細いものであれば高枝切り鋏(ハサミ)で対応できます。しかし、先端に備え付けられたソーチェン(チェン刃)が高速で回転することで切断する高枝チェンソーのパワフルさは別格です。高枝切り鋏(ハサミ)で長時間の手作業をする場合と比べて、ラクラク簡単であると必ず実感できるはずです。
また、高枝チェンソーを利用すれば、脚立や梯子(はしご)が不要なので安定した足場で安全に作業ができるという利点もあります。造園やガーデニングにおいても、おすすめです。