庭木や植木の手入れをする際に、どんな道具を使っていますか?低木や植込みであれば、剪定鋏(バサミ)もしくは鋸(ノコギリ)で十分ですが、背の高い庭木や植木となるとかなり骨が折れるものです。そうした場合におすすめしたいのが、「高枝チェンソー」です。
「高枝チェンソー」は、高い位置にある枝を切るために柄が長く設計されているチェンソーです。そのため、「高枝切りチェンソー」、「ポールチェンソー」、「ガーデンポールソー」などとよばれることもあります。
この記事では、高枝チェンソーに注目して紹介します。
おすすめの高枝チェンソー(ポールチェンソー)
「高枝チェンソー」は、高い位置にある枝を切るために柄が長く設計されているチェンソーです。そのため、「高枝切りチェンソー」、「ポールチェンソー」、「ガーデンポールソー」などとよばれることもあります。さらに、そのいずれとも異なる名称をメーカー独自に製品名としていることも多く、その製品が高枝チェンソーであることを認識しにくいという特徴もあります。
高枝チェンソーについても一般的なチェンソーと同じように、動力の違いによって「エンジン式」と「電動式」に分けて整理すると、どのような製品があるのか状況を把握しやすいです。
エンジン式
動力をエンジンとするタイプの高枝チェンソーです。ガソリンと2サイクルエンジンオイル(2ストロークエンジンオイル)を混ぜた混合燃料を使います。エンジンチェンソーが丸太や大木を伐採するように、エンジン式高枝チェンソーもパワフルな切れ味が特長です。庭はもちろん、果樹や山林の樹木を剪定する場合にも活躍します。
マキタ(makita)
マキタ(makita)では、多目的に使用できる「スプリット式エンジン刈払機」に「ポールソーアタッチメント」を装着することで、エンジン式の高枝チェンソーとして使用します。アタッチメントを交換することで、高枝チェンソーのほか、刈払機、ヘッジトリマー、カルチベータ、パワーブラシ、パワースイープ、ブロワとしても使用できる優れものです。
※マキタは2022年3月31日でエンジン式の製品を終了しているため、在庫限りとなります。
スチール(STIHL)
スチール(STIHL)は、販売台数世界No.1のチェンソーブランドでありメーカーです。企業ポリシーとして、専門的な訓練を受けた販売店(農機具店など)でのみ販売されています。したがって、ホームセンターやネット通販でスチールチェンソーを入手することはできません。スチールの公式ホームページに販売店の一覧が掲載されているので、チェックしてみましょう。
スチールのエンジン式高枝チェンソーは「高枝カッター」という名称になっており、現行モデルは以下の通りです。また、他の多くのチェンソーメーカーではオレゴン(OREGON)製の替刃が使用されるにも関わらず、スチールでは純正の替刃が指定されている点も特筆に値します。先端の角度調整ギアヘッドも別売されています。
- HT 56 C-E
- HT 103
新ダイワ(shindaiwa)
新ダイワ(shindaiwa)は、株式会社やまびこのもつ製品ブランドのひとつです。小型屋外作業機械と一般産業用機械を展開するグローバルブランドと位置付けられています。新ダイワブランドの製品として、刈払機、草刈機、ガーデントリマー、モア、動力噴霧機、耕運機、チップソーなどの金物もあります。これらは農作業でも頻繁に用いるため馴染みがあり、チェンソーについても新ダイワブランドを愛用しているという農家も多いです。
新ダイワのエンジン式高枝チェンソーは「高枝プルーナ」という名称になっており、現行モデルは以下の通りです。なお、ソーチェーンの目立て用具も取り揃えています。
- P1025-250PX
エンジン式高枝チェンソーの一覧
上記のエンジン式高枝チェンソーのスペックをまとめました。製品選びに役立ててください。
製品名 | マキタ MEX2650LH | スチール HT 56 C-E | スチール HT 103 | 新ダイワ P1025-250PX |
---|---|---|---|---|
動力 | エンジン式 | エンジン式 | エンジン式 | エンジン式 |
メーカー | マキタ | スチール | スチール | 新ダイワ |
エンジン排気量(cm3) | 25.4 | 27.2 | 31.4 | 22.8 |
全長(mm) | 975~1,774 | 2,800 | 2,700~3,900 | 2,572 |
質量(kg) | 4.5~5.5 | 6.4 | 7.2 | 4.8 |
メーカー希望小売価格(税込) | 44,550~59,620円 | 77,000円 | 110,000円 | 93,500円 |
電動式(充電タイプ・コードレスタイプ)
動力をモーターとするタイプの高枝チェンソーです。電気や電池で作動するため、燃料の入手や給油の手間がかかりません。切れ味ではエンジン式に劣りがちですが、排気ガスもなく騒音も小さいため、住宅街での剪定や枝打ちにも使いやすいメリットがあります。
また、電動式高枝チェンソーに似た製品として、電動式高枝のこぎりがあります。電動式高枝チェンソーは、重量があるため両刃でパワフルな切断が可能という特長があります。一方、電動式高枝のこぎりは比較的軽量なためコンパクトな立ち回りが容易で、さらに木材だけでなく軟鋼やアルミなどの金属資材の切断が可能なものもあるといった特長があります。用途や使用場面に応じて、ぴったりの製品を検討してみましょう。
マキタ(makita)
マキタ(makita)では、多目的に使用できる「充電式スプリット草刈機」に「ポールソーアタッチメント」を装着することで、電動式の高枝チェンソーとして使用します。アタッチメントを交換することで枝払いのほか、草刈り、生垣の刈り込み、芝生の切り込み、耕うん、汚れの除去、掃き取り、落葉の吹き集めなどにも利用できます。充電式スプリット草刈機の品番は以下の通りです。使用されるリチウムイオンバッテリーは、2.2Ahもしくは6.0Ahです。
- MUX60DPG2M/DZ
- MUX360DWBX/DWB/DZ
- MUX362DWBX/DWB/DZ
スチール(STIHL)
スチール(STIHL)は、販売台数世界No.1のチェンソーブランドでありメーカーです。企業ポリシーとして、専門的な訓練を受けた販売店(農機具店など)でのみ販売されています。したがって、ホームセンターやネット通販でスチールチェンソーを入手することはできません。スチールの公式ホームページに販売店の一覧が掲載されているので、チェックしてみましょう。
スチールの電動式高枝チェンソーは「バッテリー高枝カッター」という名称になっており、現行モデルは以下の通りです。また、他の多くのチェンソーメーカーではオレゴン(OREGON)製の替刃が使用されるにも関わらず、スチールでは純正の替刃が指定されている点も特筆に値します。
- HTA 65
- HTA 85
リョービ(RYOBI)
リョービ株式会社は、世界トップクラスのダイカストメーカーです。他にも、電動工具、ガーデン機器、清掃機器などDIY機械で馴染みがあるという人も多いのではないでしょうか。
実は、電動工具、ガーデン機器、清掃機器などを手掛けていたパワーツール事業部門は、2018年に京セラグループの京セラインダストリアルツールズ株式会社へと事業譲渡されています。しかしながら、京セラインダストリアルツールズは、認知度の高いRYOBIブランドをそのまま継続して使用しているため、現在でもホームセンターなどでその製品を見かけることができます。
よく見ると、製品の外箱やカタログに「RYOBI」と「KYOCERA」のロゴが併記されています。事業は京セラインダストリアルツールズに譲渡されましたが、これまで通り変わらずにアフターサポート含めユーザーを大事にしてくれる信頼できるメーカーといえるでしょう。
リョービの電動式高枝チェンソーは「充電式ポールチェンソー」という名称になっており、現行モデルは以下の通りです。軽量なアルミ製のポールは伸縮が可能で、最長245cmまで調節することができます。
- BPCS-1800L1
ハスクバーナ(Husqvarna)
ハスクバーナは、農林業機械や建設機械といった野外作業機の開発販売を行う世界的なメーカーです。同時に、「Husqvarna」のロゴマークでおなじみの製品ブランドでもあります。もともとは、スウェーデン王室にマスケット銃を納める国営工場として1689年に設立されました。その後、ミシン、自転車、オートバイ、チェンソー、芝刈機などさまざまな機械の製造を行います。創業330年を超える当社ですが、時代とともに主力事業や会社としての佇まいを柔軟に変化させてきています。現在は、農林業機械や建設機械といった野外作業機を主力事業としており、世界60か国以上で事業を展開しています。
ハスクバーナの電動式高枝チェンソーは「ポールソー」という名称になっており、現行モデルは以下の通りです。36Vのパワフルな高性能リチウムイオンバッテリーで作動し、30 cc クラスのエンジンポールソーと同等の鋸断能力で太い枝でもスパッとカットします。
- 115iPT4
- 530iP4
- 530iPX
- 530iPT5
ブラックアンドデッカー(Black&Decker)
ブラックアンドデッカーは、世界首位級の電動工具メーカーです。1910年、S・ダンカン・ブラック(S. Duncan Black)、アロンゾ・G・デッカー(Alonzo G. Decker)の2人によって、アメリカはメリーランド州でボトルキャップ製造機の工場として設立されました。その後、世界初となる製品を多く生み出しており、業界のトップランナーといえる存在です。今では当たり前となっているピストルグリップ型電動ドリルやコードレスクリーナーをはじめ、コードレス園芸工具(ヘッジトリマー)を発売したのも当社でもあり、ガーデニングや農業の分野ともゆかりが深いです。
2010年にはスタンレーワークスと合併し、現在はStanley Black&Decker Inc.となっています。世界175か国以上で事業を展開し、5万人を超える従業員をかかえる巨大企業として、ニューヨーク証券取引所にも上場しています。日本での当社製品の取り扱いは、ポップリベット・ファスナー株式会社のブラック・アンド・デッカー事業部が行っています。
ブラックアンドデッカーの電動式高枝チェンソーは「高枝ポールチェーンソー」という名称になっており、現行モデルは以下の通りです。18Vリチウムバッテリー、急速充電器、六角レンチ、ソーチェーン、ガイドバー、チェーンカバー、チェーンオイル、延長ポール(エクステンションポール)、収納バッグ、保護メガネなども付属されており、組み立て後すぐに使用できます。延長ポール(エクステンションポール)をジョイントし伸長させると全長約3mになるので、脚立がないと届かないような高所の枝にもラクラク対応します。
- GPC1820LN
ヤードフォース(YARD FORCE)
ヤードフォース(YARD FORCE)は、北米を中心に展開されているガーデニングツールブランドです。チェンソーのほか、2wayのこぎり、2wayバリカン、枝シュレッダー、草刈機、耕運機、ブロワ、ブロワ―バキューム、強水圧洗浄機、スノースコップなど幅広い農具を取り扱うグローバルメーカーとして世界14カ国で販売されています。
ヤードフォースの電動式高枝チェンソーは「コードレス18V高枝チェーンソー」という名称になっており、現行モデルは以下の通りです。バッテリー電圧は18Vながら、オレゴン(OREGON)製のソーチェーンが採用されており、切断可能最大径も17cmと太枝の枝打ちにもしっかりと対応します。肩掛けベルト(ショルダーベルト)、ゴーグル(防護メガネ)、手袋(軍手)もセットになっているので、お得感もあります。
なお、ヤードフォースには、コードレスではなく電源コードのついた「高枝切りチェーンソーV」と「高枝切りチェーンソーVmax」という製品もあります。日本文化センターのテレビCMで見かけたという人もいるかもしれません。電源コードがついている場合、充電切れを気にすることなく使えるメリットがある反面、使える場所が限定されてしまうデメリットがあります。想定される使用場面に合わせた製品を選ぶようにしましょう。
電動式高枝チェンソーの一覧
上記の電動式高枝チェンソーのスペックをまとめました。製品選びに役立ててください。
製品名 | マキタ MUX60DZ | マキタ MUA002G | マキタ MUA251D | スチール HTA 65 | スチール HTA 85 | リョービ BPCS-1800L1 | ハスクバーナ 120iTK4-P | ハスクバーナ 530iP4 | ハスクバーナ 530iPT5 | ブラックアンドデッカー GPC1820LN | YARD FORCE Y3LS-C08-0000 |
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概要 | – | – | |||||||||
動力 | 電動式 | 電動式 | 電動式 | 電動式 | 電動式 | 電動式 | 電動式 | 電動式 | 電動式 | 電動式 | 電動式 |
メーカー | マキタ | マキタ | マキタ | スチール | スチール | リョービ | ハスクバーナ | ハスクバーナ | ハスクバーナ | ブラックアンドデッカー | ヤードフォース |
電圧(V) | 36 | 40 | 36 | 36 | 36 | 18 | 36 | 36 | 36 | 18 | 18 |
全長(mm) | 1,011~1,873 | 2,765~3,997 | 2,779~4,011 | 2,400 | 2,700~3,900 | 1,619~2,454 | 3,040 | 2,190 | 2,600 | 2,935 | 2,300~2,800 |
質量(kg) | 4.4~5.4 | 7.8~8.1 | 8.3 | 3.8 | 4.9 | 2.8 | 3.55 | 3.4 | 5.0 | 3.5 | 3.4 |
メーカー希望小売価格(税込) | 58,190~131,890円 | 103,510円~ | 103,510円~ | 71,280~106,480円 | 76,780~111,980円 | 32,450円 | 26,620円 | 76,450円 | 81,950円 | 33,000円 | 21,780円 |
高枝チェンソーを中古で買いたいときは
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低木や植込みであれば、剪定鋏(バサミ)もしくは鋸(ノコギリ)で十分ですが、背の高い庭木や植木となるとかなり骨が折れるものです。そうした場合におすすめしたいのが、「高枝チェンソー」です。
高枝チェンソーについても一般的なチェンソーと同じように、動力の違いによって「エンジン式」と「電動式」に分けて整理すると、どのような製品があるのか状況を把握しやすいです。
エンジン式は、動力をエンジンとするタイプの高枝チェンソーです。ガソリンと2サイクルエンジンオイル(2ストロークエンジンオイル)を混ぜた混合燃料を使います。エンジンチェンソーが丸太や大木を伐採するように、エンジン式高枝チェンソーもパワフルな切れ味が特長です。庭はもちろん、果樹や山林の樹木を剪定する場合にも活躍します。
電動式は、動力をモーターとするタイプの高枝チェンソーです。電気や電池で作動するため、燃料の入手や給油の手間がかかりません。切れ味ではエンジン式に劣りがちですが、排気ガスもなく騒音も小さいため、住宅街での剪定や枝打ちにも使いやすいメリットがあります。
それぞれに得意不得意がありますので、用途や使用場面に応じて、ぴったりの製品を検討してみましょう。
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今回紹介した他には、以下のチェンソーメーカーもあります(特に、山善のガーデンポールトリマーは高枝チェンソーのほか、高枝トリマー、ハンディソー、ハンディトリマーとしても使えるので人気が高いようです)。興味がある場合には、ぜひチェックしてみるとよいでしょう。
- 山善(YAMAZEN)
- ハイガー(HAIGE)
- ボッシュ(BOSCH)
- 工進(KOSHIN)