チェンソーは、伐採、間伐、剪定、枝打ち、薪づくり、木工などの幅広い用途で使われます。このことはよく知られていますが、少し変わったところでは、製材やチェンソーアートにも使われることを知っていますか。
この記事では、チェンソー製材について、チェンソー製材機とともに紹介します。
チェンソー製材とは?
製材とは、伐採した木や丸太などを材木へと加工することを指します。材木はさらなる切削や寸法調整を経て、角材や板材などの用材に加工されます。角材や板材などの用材が、建築や家具に利用されることで消費者へと届けられています。
チェンソー製材は、チェンソーを用いて製材を行うことを指します。角材や板材などの用材に加工する際には、材木を垂直方向に挽く(切断する)ことになります。一般に、チェンソーは材木を水平方向に挽くことを想定した機械なので、垂直方向に挽くことにはあまり適していません(垂直方向に挽く場合は抵抗が大きく、切断時間も長時間に及ぶため、十分に目立てしておくなど準備が必要です)。
そこで、チェンソーを用いた製材を補助する目的で使うのが、「チェンソー製材機」です。英語では挽くことをミル(mill)というため、チェンソー製材機は「チェンソーミル」や「ソーミル」とよばれることもあります。多くのチェンソー製材機の仕組みは、アタッチメント的にアルミレールや定規に相当する資材を設置し、その上を水平に倒したチェンソーを滑らせるように縦挽きします。したがって、その仕組み上、ガイドバー(チェンソーバー)は少なくとも木材の直径以上であることが求められます。
チェンソー製材機は、簡易製材機として利用できます。したがって、山林や奥山のような伐採現場では、原木を簡易製材すなわち一次加工することで、搬出費用の削減が期待できます。また、里山では、ログハウスやウッドデッキなどをDIYすることにも使われます。きわめて平らな板や平面にしたい場合には、簡易製材を行った後、カンナなどの工具を使用します。
チェンソー製材機の種類
チェンソー製材機は、簡易製材機として山や森に運ぶことができる点が魅力です。したがって、配送時は部品の状態なので、自ら組み立てる(セルフビルドする)必要があります。ただし、大型のチェンソー製材機では、納品時に安全指導や試運転のため、担当者が訪問してくれるケースもあるようです。
アラスカン(GRANBERG)
アラスカンは、アメリカを拠点とするGRANBERGが開発販売するチェンソー製材機です。アラスカンシリーズにはいくつかの種類がありますが、日本では「アラスカンMKⅣ」や「スモールログミル」の知名度が高いです。なお、ソーチェーンの世界No.1ブランドであるオレゴン(OREGON)も、同じくアメリカの会社であることがよく知られています。
ロゴソール(LOGOSOL)
ロゴソールは、スウェーデンを拠点とするLOGOSOLが開発販売するチェンソー製材機です。基本的には、スチールチェンソーとセットで使います。そうした背景から、日本ではスチール(STIHL)の販売店で取り扱い実績がありますので、問い合わせてみるとよいでしょう。なお、有名チェンソーメーカーであるハスクバーナ(Husqvarna)も、同じくスウェーデンの会社であることがよく知られています。
チェンソーミル
チェンソー製材機が、「チェンソーミル」の製品名で販売されていることがあります。特に、和光商事が販売するチェンソーミルは、動画で組み立て方も紹介されていて分かりやすいです。和光商事は、防護服、保護具、チェンソーオイル、目立て用具、ヤスリ、枝打ちノコギリ、剪定ハサミ、ロープ、薪ストーブ、薪割り機(エンジン、電動)、草刈り用具などを杣ブランドとして展開している有名なメーカーでもあります。日本人企画による日本人のための林業家製品を標榜しているため、品質や使い勝手の面でも安心感があります。
移動製材機
チェンソー製材機が、「移動製材機」の製品名で販売されていることがあります。この製品名で販売される場合は、大型のものと小型のものが混在しているようです。注文の際には、対応する丸太の直径などをよく確認するようにしましょう。なお、長さの単位で使われる1インチは、2.54cm(25.4mm)です。
チェンソー製材機は自作できる?
チェンソー製材機を自作する方法は、専門誌やインターネットなどで紹介されています。中でも参考になるのが、一般社団法人全国林業改良普及会のホームページで公開されている「足場パイプ簡易製材機の製作」と題された文書です。
チェンソー製材機は構造としては単純なので、自作することも可能でしょう。しかし、チェンソーは使い方を誤ると、重大な事故につながることもある危険な道具でもあります。初めてチェンソー製材機を扱う場合には、まずは市販品からスタートした方が無難かもしれません。
まとめ
チェンソー製材は、チェンソーを用いて製材を行うことを指します。角材や板材などの用材に加工する際には、材木を垂直方向に挽く(切断する)ことになります。一般に、チェンソーは材木を水平方向に挽くことを想定した機械なので、垂直方向に挽くことにはあまり適していません(垂直方向に挽く場合は抵抗が大きく、切断時間も長時間に及ぶため、十分に目立てしておくなど準備が必要です)。
そこで、チェンソーを用いた製材を補助する目的で使うのが、「チェンソー製材機」です。英語では挽くことをミル(mill)というため、チェンソー製材機は「チェンソーミル」や「ソーミル」とよばれることもあります。多くのチェンソー製材機の仕組みは、アタッチメント的にアルミレールや定規に相当する資材を設置し、その上を水平に倒したチェンソーを滑らせるように縦挽きします。したがって、その仕組み上、ガイドバー(チェンソーバー)は少なくとも木材の直径以上であることが求められます。
チェンソー製材機は、簡易製材機として山や森に運ぶことができる点が魅力です。したがって、配送時は部品の状態なので、自ら組み立てる(セルフビルドする)必要があります。ただし、大型のチェンソー製材機では、納品時に安全指導や試運転のため、担当者が訪問してくれるケースもあるようです。
チェンソー製材機は構造としては単純なので、自作することも可能でしょう。しかし、チェンソーは使い方を誤ると、重大な事故につながることもある危険な道具でもあります。初めてチェンソー製材機を扱う場合には、まずは市販品からスタートした方が無難かもしれません。安全第一で作業に臨むようにしましょう。