土を使わずにハーブや野菜を育てる水耕栽培は、畑がなくても室内やベランダなどで手軽に家庭菜園を楽しめるとして最近とても人気があります。
水耕栽培に興味がある方は、まずはスーパーなどで買ってきた野菜から、再収穫する再生栽培(リボベベジ)の水栽培から始めてみませんか。ここでは、人参のヘタを使った水栽培についてわかりやすく説明します。
人参のヘタをつかった水栽培の始め方
それでは、さっそく人参の水栽培を始めましょう。水耕栽培に使う人参は、ヘタの部分が緑色で、盛り上がっているものがおすすめ。乾燥しているものは、再生しにくいので買う時に選んで買うとよいでしょう。
用意するもの
- 人参
- 容器(浅めの小皿やペットボトルをカットしたものでもOK)
- 水道水
手順
- 人参は皮を剥かず、ヘタの部分を、少し厚めに2㎝程度残してカットします。
- ヘタを根の部分が上になるようにして、容器に置きます。
- 容器に水を入れます。水位は、ヘタが半分ぐらい浸かる程度(1㎝)です。
人参の水耕栽培の育て方
栽培環境・水やり
日の当たる風通しの良い場所で育てましょう。室内で育てる場合も、できるだけ明るい窓辺などで管理します。室内で育てる場合には、水替えの時に容器を回転させて、葉っぱにまんべんなく、光が当たるように育てるとよいでしょう。
水は最低でも1日1回は、変えてあげます。特に夏は、朝、晩の2回水替えをしてあげるとよいでしょう。水を換えるときに、容器も洗います。また人参も水に浸かっている部分はぬめりがでることがあります。ぬめりはカビや腐ってしまう要因にもなるので、水で流してあげましょう。
肥料
水耕栽培は、基本的に土から栄養がとれないため肥料を使って育てる必要があります。しかし人参の水耕栽培は、ヘタの部分に栄養を蓄えているため、肥料は必要ありません。
収穫
葉茎が5㎝~10㎝ほどに伸びたら収穫の時期です。収穫は通常1回ですが、収穫時に一度に収穫せずに小さな葉を残して育てるのであれば、2回ほどが限度です。
人参はセリ科の植物ですので、セリに似た独特の香りと苦味があります。みそ汁やスープなどに入れてもいいですし、クセが気になる人は油を使った料理、炒め物やかき揚げなどに入れるとおいしいです。
人参の根っこの部分は、β―カロテンが豊富ですが、葉にも含まれています。またその他にもカルシウム、ビタミンC、Eも含まれ栄養満点です。
人参の水耕栽培について
水耕栽培について少し説明しておきます。農業用語はちょっとわかりずらいので、難しい話は必要ないという方は、読み飛ばしてください。
土を使わず培養液(肥料を含んだ水)で野菜や草木を栽培する方法を、「養液栽培」といいます。養液栽培は、土に代わる用土(固定培土)を使う栽培方法の「固定培土耕」と、固定培土を必要としない「水耕栽培」に分かれます。
しかしこの辺りの定義は園芸上は曖昧で、土を使わず培養液で育てる「養液栽培」を広域で水耕栽培と呼んでいることもあります。水栽培や水耕などと呼ばれることもあります。
手軽なのは水と容器だけで始められる方法です。葉物野菜やハーブなどの栽培に最適な栽培方法です。人参のヘタをつかった再生野菜(リボーンベジタブル)も、この方法で人参の葉を栽培することができます。
人参の根の部分を栽培したい場合には、水だけでは育たないので土のかわりになる固定培土が必要となりますが、ミニニンジンや高麗人参などは家庭でも水耕栽培で作ることができます。
まとめ
人参の再生栽培(リボベジ)は、普段は捨ててしまう切れ端の部分を活用して、簡単に収穫できます。葉や茎が伸びていく様子は、楽しくまるで観葉植物を育てているような気分にもなります。大根も同様の手順で大根の葉を育てることができます。
スーパーで買ってきた、野菜やハーブをつかった再生栽培(リボベジ)は、このほかにも豆苗、三つ葉、小松菜、クレソン、バジルなどでも可能です。興味のある方は、詳しい記事もありますので読んでみた下さい。