ホームセンター大手のカインズには、芝生に関する様々な商品が販売されています。人工芝生(人工芝)から、天然芝の種、切り芝(芝苗)まで販売されているため、ベランダやバルコニー、庭などに芝生を導入しようと検討されている方にはおすすめの購入場所です。
この記事では、カインズで販売されている芝生の種類(天然芝・人工芝)や販売形態、価格感について解説します。
天然芝と人工芝
天然芝と人工芝は、その名の通り自然のものか人工的なものかという違いがあります。
天然芝とは
天然芝は、生きた芝草を使用して作る芝生を指します。芝草の種類も豊富で、寒冷地に適している「寒地型」の品種、温暖地に適している「暖地型」の品種があります。
また、日本に自生するものを「日本芝(日本シバ)」、海外から導入されたものを「西洋芝(西洋シバ)」と呼びます。
肌触りがよく、見た目で四季を感じられるため、天然芝の導入を望まれる方が多いですが、芝張りや種まき、水やり、サッチング(サッチ取り)、エアレーションなどの管理作業が必要となります。コストは、人工芝よりも安く済みます。
人工芝とは
人工芝は、天然芝に似せて合成樹脂(ポリエチレンやポリプロピレンなど)で作られたフェイクグリーンです。
人工芝が販売されていた当初は、特有のビニールっぽさや人工物感があり、あまり人気がなく庭やベランダにDIYで敷設されることは多くありませんでした。しかし、最近は天然芝そっくりなリアル人工芝が登場し、人気を博しています。
人工芝は天然芝と違い、芝刈りやサッチング、エアレーション、水やりなどといった芝生の基本的な管理作業が要らず、手間が格段に少ないことが特徴です。
天然芝の種類
天然芝は、品種による分類と販売時の形状による分類ができます。
天然芝の品種
芝生に使われるイネ科植物(いわゆる芝、芝草)は、一般的に15属30種類以上あると言われています。それらは生育適温や栽培地域の違いによって、大きく「暖地型」と「寒地型」に分けられます。
また、芝は日本に自生するものと海外から導入されたものがあります。一般的に日本に自生する芝を「日本芝(日本シバ)」、海外から導入された芝を「西洋芝(西洋シバ)」と呼びます。
暖地型/寒地型 | 日本芝/西洋芝 | 芝草の種名 |
---|---|---|
暖地型 | 日本芝 | 野芝(ノシバ)、高麗芝(コウライシバ)、ビロード芝(ビロード芝・キヌシバ) |
暖地型 | 西洋芝 | バミューダグラス、ティフトン芝(ティフトンシバ)、センチピードグラス、セントオーガスチングラス、シーショア・パスパラム |
寒地型 | 西洋芝 | ケンタッキーブルーグラス、クリーピングベントグラス、トールフェスク、アニュアルライグラス、ペレニアルライグラス、クリーピングレッドフェスク、チューイングフェスク、ハードフェスク |
日本を例に適している芝の種類を説明します。北海道から東北北部では、気温が低いため暖地型の日本芝は適さず、ケンタッキーブルーグラスやベントグラスなどの寒地型西洋芝がよく使われます。逆に九州や沖縄では、高温多湿に強い野芝や高麗芝(コウライシバ)、暖地型西洋芝のバミューダグラスなどがよく使われます。
販売時の形状
天然芝の販売形態には、主に下記の3つの種類があります。
- マット芝
- ロール芝
- 種
マット芝
四角形に切り出された状態で販売され、切り芝とも呼ばれます。1枚単位で販売されていることは少なく、10枚1束となっていることが多いです。高麗芝(コウライシバ)やTM9は、切り芝として販売されることが多いです。
ロール芝
マット芝とは異なり、ロール状に巻かれた状態で販売されています。面積が広い庭の場合は、ラクに芝張りができるのでおすすめです。品種混合の西洋芝は、ロール芝として販売されているものを見かけます。
種
各品種について、芝生の種が販売されています。主に西洋芝が一般的です。切り芝よりも安く、コストが下げられる一方、栽培初期の管理が大変となります。追いまきなど、芝生のメンテナンスとして使用されることもあります。
人工芝の種類
人工芝の種類は、①材質、②形状の2つの観点で分けることができます。
①材質
材質の種類は、主に2種類に分けることができます。
- フェイク人工芝
- リアル人工芝
フェイク人工芝は、昔ながらの芝に似せた人工芝で、材質は主にポリエチレンでできています。プラスチック独特の少し硬い質感が特徴です。また、透水性(水はけ)が良く、材質に耐候性剤、帯雷防止剤が配合されていることもあるので、屋外での使用におすすめの材質です。
リアル人工芝は、本物の芝生により似せた人工芝で、材質は主にポリエチレン・ポリプロピレンなど複数のプラスチック素材でできています。フェイク人工芝に比べて質感が本物の芝生により近く、肌触りが良いのが特徴です。しかし、裏地の構造によっては透水性が悪いものもありますので、よく確認して購入すると良いでしょう。
②形状
形状の種類は、主に3種類に分けることができます。
- ジョイントタイプ
- マットタイプ
- ロールタイプ
ジョイントタイプは、簡単に連結ができるようにあらかじめオス・メスのジョイントを四辺に付属しているタイプです。簡単に連結ができ、ずれにくくなるのでよく踏まれる場所や屋外などの使用におすすめです。ジョイントタイプは、フェイク人工芝、リアル人工芝のどちらも販売されています。同じ商品でなければ、連結できないこともあるので注意が必要です。
マットタイプは、そのまま敷設して使用するタイプです。リアル人工芝は、マットタイプとして販売されていることが多く、そのまま使うほか、カットして使うこともできるようになっています。
ロールタイプは、マットタイプとほぼ同等ですが、一枚の大きなロール状になっていることが特徴です。広い場所一面に人工芝を敷くことができるため、大きなバルコニーやベランダ、庭などに向いています。
カインズで販売されている天然芝と人工芝
ホームセンターのカインズ(CAINZ)では、天然芝も人工芝も販売されています。どちらの質感も試すことができるので、一度足を運んでみると良いでしょう。ただし、天然芝の切り芝は販売期間が限られていますので注意してください。
カインズの天然芝の種類と価格感
カインズでは、2つの形状で芝生が販売されていました(2021年時点)。
切り芝
高麗芝(コウライシバ)の切り芝(芝苗)が販売されていました。高麗芝は、芝張り・張り替えによって植え付けるのが一般的です。10枚1束で398円(税込)で販売されていました。
切り芝の販売時期は、芝張りの適期である春(3月〜5月頃)と秋(9月〜10月頃)だと思われます。実際に上記の高麗芝は5月頃に店頭で見かけました。正直、状態があまり良くなさそうだったのでもう少し早めに手に入れると良いでしょう。
芝生の種
サカタのタネ みどりの芝生 西洋芝のタネ
サカタのタネ「みどりの芝生 西洋芝のタネ」です。他の野菜作物の種と同じコーナーに陳んでいました。0.5㎡(平方メートル)用と少量使いたいというときに便利な商品です。
品種は複数種類混合されており、製造の時期などによって混合される品種が異なるようです。今回のものは下記の品種が混合されていました。発芽率は70%以上とされていました。
- ペレニアルライグラス リオビスタ
- クリーピングレッドフェスキューコンテンダー
- ケンタッキーブルーグラス エベレスト
もちろん、傷んだ芝生への追い蒔きとしても使えます。
価格は1袋220円(税込)でした。
CAINZ(カインズ) 緑の濃い西洋芝の種
カインズの自社商品、緑の濃い西洋芝の種です。同じく他の野菜作物の種と同じコーナーに陳列されていました。
2Lと大容量なので、床土への初めての播種(は種)も安心して使用できます。品種はペレニアルライグラスで、発芽率は90%以上とされていました。本商品のペレニアルライグラスは、下記の特徴があります。
- 芽が出やすくつくりやすい…発芽が早く安定し、発芽率の良い高品質種を使用。
- 暑さ、寒さ、病気に強く丈夫…耐寒性、耐暑性、耐病性に優れた品種を使用。
- 初心者でも庭をデザインしやすい…立ち株型芝なので、ほふく性・地下茎性のように敷地を超えてしまうリスクがない。狙った場所に芝生を作りやすい。
カインズの人工芝の種類と価格感
丸巻リアル人工芝
カインズの人気商品、丸巻リアル人工芝です。SNS上の口コミでも「天然芝に近く、自然な感触・風合いでおすすめ」と評判です。長さや幅のバリエーションも豊富で、必要な幅、長さのものが手に入ります。
大きさ、芝高によって価格が異なります。価格帯は、1巻1,980円(税込)〜44,800円(税込)です。カインズのホームページでも確認できますので、ぜひ参考にしてください。
ジョイント人工芝
カインズのジョイント人工芝です。マットタイプでジョイントが簡単にできるため、狭い面積の敷設にはもってこいの商品です。リアル人工芝には負けますが、こちらもリアルな芝草が表現されています。
1枚単位でもケース単位(6枚入り)でも購入することができます。
その他、ホームセンターでの販売
カインズ以外のホームセンターでも購入することができます。例えば、ケーヨーデイツー、コメリ、ビバホームなどの大型店舗には、天然芝の切り芝や種、人工芝が販売されています。
ホームセンターだと、レーキや雑草抜きなどの手入れ道具も購入できるので便利です。
その他、芝生を購入できる場所
その他にも天然芝や人工芝を購入できる場所はあります。
100均(100円ショップ)
ダイソーやセリアなどの100均(100円ショップ)には、マット状とロール状の人工芝生が販売されています。リアル人工芝も販売されているので、気になる方はチェックしてみてください。
ネットショップ
天然芝も人工芝もネット通販で手軽に購入することができます。複数の枚数を一度に購入する場合や色味・質感などを揃えたいときにはネット通販でまとめて購入すると良いでしょう。自宅まで運搬もしてくれますのでその分の手間もなくなります。
(補足)カインズとは
カインズは、株式会社カインズが運営するホームセンターです。プランター・鉢などのガーデニング・園芸用品だけではなく、チェスト・タンス、ラグ・カーペット・マットまで暮らしのアイテムが多く取り揃えられています。
店舗だけではなく「カインズオンラインショップ」もあります。