サボテンの根本がグラグラしている、茶色く変色している場合は根腐れなどの病気かもしれません。ここでは、サボテンの枯れてしまう原因とその対処方法について、初心者の方にもわかりやすく説明します。
サボテンの枯れる原因と対処方法
トラブル① 根腐れ
サボテンの根本が茶色く変色して、ぶよぶよ、としてきたら「根腐れ」の可能性が高いです。水をあげても茎や葉がしぼんているなら、根が腐って水や養分を取り込めなくなり最終的には枯れてしまいます。
サボテンの根元が茶色く変色するのは、根腐れ以外にも「木質化」と呼ばれる現象もあります。木質化とは茎の部分が、茶色く木のように乾いて固くなります。老化すると起こりやすくなります。若いサボテンで木質化する場合は環境が良くない可能性があります。
木質化と根腐れの見分けかたは、軽く触って、ぶよぶよと柔らかくなっている場合は根腐れです。木質化は見た目は悪くなりますが、そのまま育てることができます。
サボテンの枯れる原因の一番は根腐れですが、なぜ起こるのでしょうか。原因は水と栄養が多いことがほとんどです。多肉植物のサボテンは、乾燥して栄養の少ない場所でも自生できるので、逆に水やりや肥料の与え方を間違うと、適応できずに枯れてしまいます。
またサボテンは生長に合わせて植え替えが必要になりますが、それを怠ると鉢のなかで根が張りすぎて根づまりを起こして、根腐れの原因にもなります。
トラブル② 徒長
植物の茎がひょろひょろとして弱々しい姿で伸びて、もやしのようになることを、園芸用語では徒長といいます。上にどんどん伸びていくのをみると生長しているのかなと勘違いすることもありますが、徒長した茎は太くなることはないので、徒長した場合はその茎を切り取るのが通常です。
サボテンは、茎がないのでどのような状況を徒長というのでしょうか。丸い形のサボテンが縦長になって先端が細くなったり、サボテンの中央の部分から細長く伸びたり、茎が曲がってしまうことなどがサボテンの徒長の特徴です。
徒長の原因のほとんどが、日照不足です。サボテンは特に日光が大好きです。サボテンが徒長した場合はその場所では日光が十分ではありません。置き場をもう一度見直して、日の当たる場所に置いてあげましょう。また室内で育てる場合には、屋外で育てるより水と肥料を控えると徒長しにくくなります。
トラブル③ 病害虫
カイガラムシ・コナカイガラムシ・ハダニ・アブラムシ、ネジラミ、ワタムシ、ヨトウムシなどの害虫が発生する恐れがあります。梅雨にはナメクジが発生する恐れもあります。それぞれの害虫によって対応は異なりますが、見つけたら早めに取り除いてあげましょう。殺虫剤なども有効です。
サボテンは、湿気の多い場所に置いておくと菌に感染して、根腐れ病・黒斑病・すす病・茎枯れ病・茎腐れ病などを発症します。
予防には、湿気の少ない風とおしの良い場所に置いてあげましょう。もし病気にかかったら、変色した部分を切り取る胴切りをしましょう。
病害虫については下記に対策や駆除の説明しているので、実際に発生してしまって困っている時などには参考にしてみてください。
サボテンが元気がない時の復活方法
胴切り
サボテンが根腐れしてしまったら、胴切りで腐った部分を切り落とし、植え替えすることで復活できます。
準備するもの 鉢・新しい用土・ピンセット・刃物(カッター・ハサミ・ナイフなど)土入れ・新聞紙もあるとよいです。
- 根腐れしている場合は、根腐れしている部分より上の先端をカッターで横方向に切り取ります。カッターは雑菌を防ぐためライターなどで火であぶって消毒したものを使います。
- 切った先端の切り口は、1週間から2週間ほどしっかり乾燥させます。新聞紙などでくるんでおいてもよいでしょう。
- 切った先端の断面から芽が生えるので、切断面を下にして鉢に、新しい用土をいれて植えつけます。根腐れしている場合土の中に腐敗菌が発生している場合があります。必ず新しい用土を使いましょう。
- 水やりは植え付け後、1週間から2週間後に行います。その間は半日陰に置いて根が出るのをまってから、新しい環境にならしていきます。
植え替え
徒長している場合には、徒長した部分だけ胴切りすればそこからまた子株ができて育つこともあります。徒長した部分を胴切りして、残った部分を植え替えし仕立て直しします。
準備するもの 鉢・新しい用土・ 刃物(カッター・ハサミ・ナイフなど) ・ピンセット(割り箸) 土入れ・新聞紙もあるとよいです。
- 徒長した部分を切り取ります。残ったサボテンは1週間ほど水を上げずに乾燥させてから、鉢から外します。
- 根っこをほぐすように土を落とします。
- 根が細いサボテンは、伸びた根を半分から3分の2ほど切ります。腐った根は根元から切ります。
- 日陰で、4~5日乾かします。湿ったままだと病原菌が発生するためです。
- 新しい鉢に植え付けします。鉢の底に大粒の赤土土か軽石を入れ、その上に緩効性粒上肥料を加えます。苗を押さえながら培養土いれて植え込みます。最後にピンセットや割り箸などで土をならします。
- 水やりは植え付け後、4日から5日後に行います。その間は半日陰に置くか、ティッシュなどをかけておきましょう。
子株を挿し木にして植え替えることもできます。サボテンの植え替えについては詳しい記事もありますので興味があれば読んでみてください。
植え替えの用土について
植え替え時には、新しい用土を必ず用意しましょう。では植え替えの土はどのようなものがよいのでしょうか。
多肉植物は休眠を伴うものが多く、休眠中の多肉植物は、根もほとんど給水しないので、根腐れを防ぐために鉢土を完全に乾燥させる必要があります。このため、一般の観葉植物と異なり、赤玉6・腐葉土2・川砂2の割合で混ぜた土がおすすめです。パーラライトや砂土・軽石などもブレンドしても排水性のよい、水はけのよい土ができます。市販のサボテンや多肉用の培養土も便利です。
配合土については、どれが正解というものもなく、市販のサボテンの培養土も各社配合は異なります。植え替え用の土については、詳しい記事がありますので興味のある方は読んでみてください。
その他 サボテンの栽培で気をつけたいポイント
栽培環境・水やり
生育期の春から梅雨までは日当たりのよい、風通しのよい屋外で管理します。梅雨明けからは直射日光のあたらない半日陰で管理しましょう。場所を移せない場合などには寒冷紗などで遮光します。真夏の直射日光は葉焼けの原因にもなるので、気をつけましょう。
日が当たらないと、サボテンはヒョロヒョロと弱って徒長して枯れてしまうこともあります。屋内で育てる場合もできるだけ窓辺などに置き、日当たりには十分注意して、なるべく庭やベランダにだして、日に当ててあげましょう。 寒さは苦手ですので、霜の降りる前には室内で管理しましょう。気温が5℃以下にならないように管理すれば、冬越しは可能です。
多肉植物は、雨が少ない場所や岩場などに生育するものが多い植物で、乾燥した過酷な環境を生き抜くために、根や茎、葉などを肉厚にして水分を蓄えるようになっています。だからといって、水やりが必要ではないわけではありません。
サボテンの水やりのポイントは、生育期と休眠期で水やりの方法を変えることです。サボテンは多肉植物の夏型なので、基本的には生育期の3月〜9月は、土が乾いたら水をやり、休眠期にはいる10月〜2月は水は徐々に水を減らし、冬は霧吹きで葉水を上げる程度で、断水気味にします。
サボテンの水のやり方についての記事もありますので、水やりに興味のある方は読んでみてください。
肥料
砂漠などの栄養の少ない土でも育つサボテンですが、肥料をあげることで元気にすくすくと育ちます。
サボテンなどの多肉植物は、元肥は植え付け、植え替え時に行います。 植木鉢などで栽培する場合は、元肥をしっかりと施し、適期に追肥を行っていきます。追肥はサボテンは3月〜9月の生育期は肥料が必要です。
サボテンの肥料についての記事もありますので、肥料について興味のある方は読んでみてください。
【補足】サボテンの水耕栽培について
サボテンは水栽培(水耕栽培)や、土を用いず、ハイドロコーン・ハイドロボールやゼオライトなどの保水性、吸水性のある用土(倍土)使ったハイドロカルチャーでも育てることができます。ハイドロカルチャーで育てる場合は、土からの植え替えとは多少異なり、水栽培と同様に土の根を終わらせて水で育てる根を発根してから植え替える必要があります。
水栽培やハイドロカルチャーに興味のあるかたは、サボテンの水耕栽培の記事をお読みください。
まとめ
サボテンには花を咲かせるシャコバサボテン、ウチワサボテン等様々な種類があり、一般の観葉植物と比べて毎日手をかけなくても育つので、寄せ植えにしたりと観賞用としても非常に人気のある植物です。
また花言葉は、枯れにくいところから「枯れない愛」や「燃える心」などがあります。プレゼントとしても素敵ですね。
それでも植物ですので病気になったり、根腐れして枯れることもありますので栽培の環境に気をつけて予防にしてあげてください。根腐れしてぶよぶよしたり病気になったら、思いって切り取っても育つのがサボテンの強いところです。
コロナ禍で、グラキリス(ツルビニカルプス属)のような塊根植物(コーデックス)などサボテンは観葉植物の中でも大人気です。ぜひ丈夫で元気の良いサボテンを育ててみてください。