丈夫で初心者でも育てやすく、100均でも手軽に買えるサボテンですが最近元気がない、根元がぐらついている、茶色く変色している場合は病気かもしれません。この記事では、サボテンの病気とその対処法について、初心者の方にもわかりやすく説明します。
サボテンの病気の種類と対策
根腐れ病
サボテンの根本が緑色から茶色く変色して、ぶよぶよに柔らかくなっていたら「根腐れ」の可能性が高いです。水をあげても茎や葉がしぼんているなら、根が腐って水や養分を取り込めなくなり最終的には折れたり、枯死してしまいます。根本が茶色くても固い場合は、木のような見た目になる木質化の可能性があります。こちらは生育には問題がありません。
サボテンの枯れる原因の一番は根腐れですが、なぜ起こるのでしょうか。原因は水と栄養が多いことがほとんどです。多肉植物のサボテンは、乾燥して栄養の少ない場所でも自生できるので、逆に水やりや肥料の与え方を間違うと、適応できずに枯れてしまいます。
またサボテンは生長に合わせて植え替えが必要になりますが、それをさぼると鉢のなかで根が張りすぎて根づまりを起こして、根腐れの原因にもなります。
菌が原因の病気
サボテンは湿度には弱いので、湿気の高い場所で管理すると病気になりやすくなります。どの病気も病状が軽い場合は、殺菌剤を使用すれば苗は生育する可能性もありますが、変色した部分は治りません。病気の部分から上部を胴切りして、植え替えましょう。予防にも殺菌剤は有効です。
立枯れ病
放線菌の一種の病原菌が土壌感染し、苗が赤紫色を帯びて、根元から茎へ腐敗が進行して、やがて枯れてしまう伝染症の病気です。
黒斑病
サボテンに黒い斑点が付き、次第に全体に広がって灰色のカビが生えてきます。
くもの巣病
多湿時に込み合っている茎節の付け根付近に、白色綿毛上のくもの巣のようなの菌糸が見られます。土壌汚染が原因で葉腐病とも呼ばれます。
灰色カビ病
カビ(糸状菌)によって起こり、葉の一部が灰色、黒、褐色に変色して枯れたようになります。次第にその部分が拡大し、やがてその部分が腐敗して灰褐色のカビに覆われます。
うどんこ病
農作物によくみられるウドンコ病、サボテンにもまれに発生します。茎節にうどん粉をかけたみたいに白くなる病気です。
茎くされ病
茎節に黄色の斑点が見られ、次第に褐色、黒褐色に変化して茎節を腐敗させます。
害虫が原因の病気(すす病)
サボテンについた害虫(アブラムシ、カイガラムシ)の排せつ物につく菌によって引き起こされる病気です。葉が黒いススを被ったように汚れます。
殺菌剤を使用するとともに、アブラムシやカイガラムシを駆除する必要があります。歯ブラシなどでそぎ落としたり、ピンセットなどで駆除します。
サボテンの害虫に関しては、こちらの記事も参考にてださい。
葉焼け
サボテンは、太陽が大好きです。しかし真夏の直射日光は、葉焼け(日焼け)の原因にもなります。室内で育てていたサボテンを急に屋外の強い日差しに当てたり、長時間夏の直射日光にあてたりすると、サボテンが温度の変化に対応できず白や茶色に変色してしまう原因となります。
葉焼けした部分は残念ながら復活することはありません。変色した部分を切り取りましょう。切り口に殺菌剤を塗っておくと効果的です。
徒長
植物の茎がひょろひょろと伸びてもやしのようになることを、園芸用語では徒長といいます。上にどんどん伸びていくのをみると成長しているのかなと勘違いすることもありますが、徒長した茎は太くなることはないので、徒長した場合はその茎を切り取るのが通常です。
サボテンは、どのような状況を徒長というのでしょうか。サボテンの中央の部分から細長く伸びたり、茎が曲がってしまうことなどがサボテンの徒長の特徴です。
徒長の原因のほとんどが、日照不足です。サボテンは特に日光が大好きです。サボテンが徒長した場合はその場所では日光が十分ではありません。置き場をもう一度見直して、日なたに置いてあげましょう。また室内で育てる場合には、屋外で育てるより水と肥料を控えると徒長しにくくなります。
サボテンが元気がない時の復活方法
胴切り
サボテンが根腐れしてしまったら、胴切りという剪定方法で腐った部分を切り落とし、植え替えすることで復活できます。胴切りは、病気の時だけでなくふやしたり、見栄えをよくするために仕立て直したいときにも行います。
準備するもの 鉢・用土・ピンセット・刃物(カッター・ハサミ・ナイフなど)土入れ・新聞紙もあるとよいです。
- 根腐れしている場合は、根腐れしている部分より上の先端を、病気で変色している場合は変色している部分より上の先端をカッターで横方向に切り取ります。カッターは雑菌を防ぐためライターなどで火であぶって消毒したものを使います。
- 切り離した先端の切り口は、1週間から2週間ほどしっかり乾燥させます。新聞紙などでくるんでおいてもよいでしょう。
- 切った先端の断面から芽が生えるので、切断面を下にして鉢に、新しい用土をいれて植えつけます。根腐れしている場合土の中に腐敗菌が発生している場合があります。必ず新しい用土を使いましょう。
- 水やりは植え付け後、1週間から2週間後に行います。その間は半日陰に置いて根が出るのをまってから、新しい環境にならしていきます。
元の株が病気でなければ、切り口の横から子株が発芽してまた生長します。
植え替え
徒長している場合には、徒長した部分だけ胴切りすればそこからまた子株ができて育つこともあります。徒長した部分を胴切りして、残った部分を植え替えし仕立て直しします。
準備するもの 鉢・新しい用土・ 刃物(カッター・ハサミ・ナイフなど) ・ピンセット(割り箸) 土入れ・新聞紙もあるとよいです。
- 徒長した部分を切り取ります。残ったサボテンは1週間ほど水を上げずに乾燥させてから、鉢から外します。
- 根っこをほぐすように土を落とします。
- 根が細いサボテンは、伸びた根を半分から3分の2ほどカットします。腐った根は根元から切ります。
- 日陰で、4~5日乾かします。湿ったままだと病原菌が発生するためです。
- 新しい鉢に植え付けします。鉢の底に大粒の赤土土か軽石を入れ、その上に緩効性粒上肥料を加えます。苗を押さえながら培養土いれて植え込みます。最後にピンセットや割り箸などで土をならします。
- 水やりは植え付け後、4日から5日後に行います。その間は半日陰に置くか、ティッシュなどをかけておきましょう。
親株から出た新芽(子株)を挿し木にして植え替えることもできます。サボテンの植え替えについては詳しい記事もありますので興味があれば読んでみてください。
まとめ
サイズも100均で買える小さなものから、部屋のシンボルツリーとなるようなのような大きなものまで多種多彩です。寄せ植えなどでも楽しめ、また何年も育てないと開花しない品種があったりと、奥の深いのも魅力です。
また花言葉は、枯れにくいところから「枯れない愛」や「燃える心」などがありプレゼントとしても最適です。
それでも植物ですので病気になったり、根腐れして枯れることもありますので栽培の環境に気をつけて予防にしてあげてください。根腐れしてぶよぶよしたり病気になったら、思いって切り取っても育つのがサボテンの強いところです。
ぜひお気に入りのサボテン、手遅れになる前に病気の原因を解決して元気なサボテンを復活させてあげてください。
この他にも農家webの記事にはサボテン・多肉植物の記事がたくさんあります。
サボテンの育て方の記事はこちらから。