ヒヤシンス(ヒアシンス)やチューリップ、クロッカスなどの球根植物は、水栽培(水耕栽培)することもできる人気の観葉植物です。球根の水栽培(水耕栽培)に必要となる重要なものは容器です。
球根植物は、その名の通り球根から根を出していきますが、その球根を支えられるような容器でなければいけません。そのように聞くと「球根専用の水栽培の容器が必要になるのか」と思われると思いますが、実は皆さんの身近にある100均(100円ショップ)にも活用できる容器がたくさん販売されています。
この記事では、100均(100円ショップ)で買うことができる球根植物の水栽培に使える容器とそれを使った水耕栽培の方法について解説します。
そもそも水耕栽培とは?
水耕栽培(Hydropinics)とは、養液栽培の一種で、固形培地を使用しないで栽培する手法のことを指します。水耕法、水栽培などとも呼ばれます。
水耕栽培と聞くと、上記写真のような植物工場を思い出す方も多いかもしれません。実は、上記写真のような栽培方法は、水耕栽培と呼ばず、ロックウール栽培(養液栽培における固形培地耕の一種)と呼びます。
画像左上にロックウールのスラブ(ロックウールが詰まった細長い栽培培地)があります。わかりますか?
球根植物の水栽培に合った容器
球根水栽培は、トマトやキュウリなどの果菜類、バジルやレタスなどのハーブ・葉菜類の水耕栽培とは少し異なります。水、もしくは培養液(液体肥料を希釈した液)を使用することはどちらも変わりませんが、球根水栽培の場合は、球根から根を張らせて球根内の栄養分を使用し、地上部を大きく生長させて花を咲かせます。
種や苗から大きくするのではなく、球根から大きくするということになります。そのため、球根を適度に水に浸けて根を張らせていくということが必要となります。元々、ほとんどの球根は水には弱く、水に浸かりすぎるとすぐにカビが生えたり、腐ったりしてしまいます。「球根が適度に水につかる」ことが重要なのです。
そのため、容器も工夫が必要です。球根植物の水栽培に適した容器のポイントを下記に挙げます。
- 球根を安定して支えられる。
- 水位が調整しやすい(上げたり、下げたりしやすい)。
- 洗いやすい。
球根植物の水栽培では、根が伸びるにつれて少しずつ水位を下げていくのが一般的です。また、球根植物は長くたくさんの根を張らせますので、その分の高さや大きさを考慮した容器にしておく必要があります。
また、せっかく室内で育てるのであればインテリアとしても楽しみたいですよね。栽培容器を色や柄の付いたガラスや瓶にすると、水栽培ももっと楽しくなります。
サボテンなども同じように水栽培することが可能です!
100均で用意できる水栽培の容器
「ヒヤシンスやチューリップなどの水栽培に合う容器を探すのは難しいかも」と思われている方、実は100均にも十分活用できそうな水栽培の容器が販売されています。
ガラス容器(花瓶や瓶)など綺麗な容器は思ったよりも値段が高かったり、うまく球根の大きさに合わないなどのリスクもあります。
しかし、100均であれば試して失敗してもそこまで痛手にはなりません。何より最近の100均は花瓶やガラス容器の種類が豊富でおしゃれなものも多いことから、まずは100均の容器で試してみるというのが良いのではないかと思います。
今回は気軽に試せる100均の容器を紹介します。
球根を支えられる形になっている花瓶
100均(100円ショップ)のセリアで、売られていた花瓶です。ちょうど口がつぼまっていて、球根が支えられるようになっています。ガラスの色も美しく、これが100円で買えるなんて思いませんよね。
球根を支えられるくらいの大きさの口を持った花瓶
これは100均(100円ショップ)のダイソー(DAISO)で見つけました。牛乳瓶のような形をしていて、口の部分で球根を支えられそうです。
ガラス製の保存容器
これも100均(100円ショップ)のダイソー(DAISO)で見つけました。ガラス製の保存容器ですが口の大きさがちょうど球根くらいかなと思います。ちょっと背丈が高いですが、十分使えそうです。
やっぱり球根の水栽培用の容器が欲しい
球根のサイズに合わなかったらどうしよう、なかなか良い容器が見つからないなど、困る方もいると思います。実は、球根の水栽培用の容器というものが多く販売されています。球根植物用なので、しっかりと球根を置く場所が用意されており、安心して使用することができます。もし、迷われている方がいたら選択肢の一つにしてください。
そもそも買わなくても大丈夫
容器にそこまでのこだわりがない方は、そもそも買わなくても身の回りのもので十分、水栽培(水耕栽培)ができます。例えば、ペットボトルを使用しても良いでしょう。
ペットボトルの上部1/3程度で切り、上部を逆さまにしてセットするだけで花瓶のような使い方ができます。特に容器にこだわらないという方は、これで十分栽培が楽しめます。
球根植物の代表格 ヒヤシンスの水栽培の簡単な手順
必要なもの
- ヒヤシンスの球根
- 栽培用の容器(ペットボトルなど身近にあるものでもOK)
簡単な栽培手順
- 手順1球根を発根させます。
ヒヤシンスの球根は、寒さに当たらないと根っこが出てきません。そのため、わざと寒さに当ててやる必要があります。
水栽培の場合は、球根のお尻の部分だけに水が当たるようにして冷蔵庫など5℃〜10℃程度の寒さの場所で3週間〜4週間程度栽培します。
用意した栽培容器が大きい場合には、発根するまでは小さなコップなどに入れておきましょう。水は、お尻の部分が水に当たるくらいで十分です。基本的に「球根は水に濡れると腐る」ということを覚えておきましょう。
少しずつ根っこが出てくると思いますので、根の伸びに合わせて水位を調整していくと良いでしょう。3日に1回程度は水を替えながら、根っこを伸ばしていきましょう。
編集さん冷蔵処理済みの球根はこの手間が要らない場合があります。
- 手順2発芽するまでは冷暗所で栽培する。
しっかりと芽を出してくるまで少し暗く涼しいところで栽培しましょう。
水の取り替えは可能な限り、3日に1回程度の頻度で行います。水位は、根っこの先が水に着くくらいでOKです。
- 手順3発芽したら、日当たりの良い場所に移して栽培する。
発芽すると生長のために光が必要となりますので、日当たりの良い場所に移します。ただし、直射日光は避けるようにしてください。
生長につれて、根っこはどんどん伸びてきます。水位は根っこの先のほうが触れるくらいで十分なので、徐々に下げていきましょう。
この頃になると生長も安定してきますので、水の取り替えは1週間に1回程度でかまいません。
編集さん肥料は基本的に必要ありません。球根の中に含まれている栄養素を使って生長していきます。また、暑さには弱いのでエアコンの近くや人間が快適と思う温度のところでは育てない方が無難です。洗面所やお手洗い、通路の窓際など15℃〜20℃くらいを保てる場所がおすすめです。
- 手順4花が咲きます。
生長につれて徐々に芽が大きくなり、そのうち蕾を付けます。蕾はどんどん大きくなり、1ヶ月程度すると花が咲きます(花が咲く時期は育ってきた気温によって変わります)。
- 手順5花が咲き終わったら・・・
花が咲き終わった球根は、球根に含まれていた養分を多分に使っているので、次の花を咲かせることは基本的に難しいです。そのため、その球根は再利用することができません。再度ヒヤシンスを栽培したい場合には、新しい球根を購入しましょう。
届いたらすぐに始められる球根栽培セットもあります!チューリップやヒヤシンスなどをもっと手軽に栽培できます。
安く手軽に水耕栽培をはじめよう
今は100均(100円ショップ)でもさまざまな道具や容器が販売されているので、簡単に水耕栽培を始めることができます。プランターや庭での栽培まではちょっと・・・という方にも、水耕栽培は始めやすいので、可能な限り100均でものを集めて水耕栽培を始めてみませんか?
まとめ
球根植物は、「バルバスプランツ」とも呼ばれ、最近ではバルブベースを使った水栽培が、根まで楽しめると人気がでてきています。ヒヤシンスの他、クロッカスやムスカリは水栽培に向いている球根です。他の球根の育て方については下記から探せます。
水栽培は、毎日水替えをしなくてもいいですし、虫などもわきにくくキッチンなどにも置けるので、手軽にガーデニングが始められます。サボテンや多肉植物なども水栽培やハイドロカルチャーで育てることもできます。『農家web』にはこのほかにも水耕栽培のコンテンツが豊富にあります。下記から育てやすい品種や育て方を探すことができます。