栄養価が高いとしてスーパーフードとも呼ばれるブロッコリースプラウト。かいわれ大根と似ていますが、辛みが少ないのでお子様でも食べることができます。ブロッコリースプラウトは家庭でも種さえあれば、特別な道具がなくても簡単に育てることができます。
この記事では、ブロッコリースプラウトを種から育てる水耕栽培(水栽培)の方法を、わかりやすく説明します。
ブロッコリースプラウトについて
ブロッコリースプラウトは、ブロッコリーの新芽(スプラウト)です。スプラウトとは発芽してから数日たった新芽のことで、他には豆苗やかいわれ大根などが有名です。スプラウトは栄養価が高いことで有名で、βカロテンや、ビタミンC、カルシウムなどが含まれます。またブロッコリースプラウトに含まれる「スルフォラファングルコシノレート」は、解毒作用、抗酸化作用、抗炎症作用があるといわれ、健康食材として注目されています。(発芽後3日目により多く含まれます)
スーパーで売られているスプラウトも、根の部分にスポンジがついていることがほとんどで、水耕栽培で育てられていることがわかります。家庭で初めて水耕栽培をするならスプラウトがおすすめ。収穫までの期間が短く、室内で簡単に育てることができます。
種は、ブロッコリーの種ではなく、ブロッコリースプラウトの種を使いましょう。最近は100均などでも簡単に手にいれることができます。
ブロッコリースプラウトの水耕栽培 育て方

栽培方法
スプラウトの栽培は方法は、かいわれタイプともやしタイプの2種類あります。それぞれのスプラウトによってできる育て方が異なり、両方栽培できるスプラウトもあります。
ブロッコリースプラウトは、ブロッコリースプラウトを栽培するカイワレタイプ、ブロッコリー・スーパースプラウトを栽培するカイワレタイプともやしタイプの中間の栽培方法で育てることができます。
カイワレタイプで育てるブロッコリースプラウトは、カイワレ大根のように、縦にスラっとした形に育ちます。ブロッコリースプラウトの本来の味を楽しめます。
ブロッコリー・スーパースプラウトは、発芽した3日後に、1日日に当ててて収穫します。スルフォラファンを高濃度で取りたい方や、辛みの少ないマイルドな味を好む方におすすめです。
栽培時期
水耕栽培を始める時には、通常その植物の生育期に始めます。春か秋がほとんどです。
しかし室内で育てられるブロッコリースプラウトは、発芽温度・生育温度が合えばいつでも育てることができます。発芽適温・生育適温は20℃~25℃。温度が低すぎると発芽が遅くなりますし、高すぎると種が腐ることもあります。
冬は室内の暖かい場所、夏は涼しい場所で育ててれば一年中育てることも可能です。エアコンの風が当たらない場所を選びましょう。
肥料
水耕栽培は、通常土から栄養が取れないため、肥料を使って育てる必要があります。しかしカイワレ大根のようなスプラウトは、収穫までの期間が短く栄養も必要ないため、肥料は不要です。水だけで育てることができます。
ブロッコリースプラウトの水耕栽培手順(カイワレタイプ)
用意するもの
- ブロッコリースプラウトの種
- 容器(豆腐のパックやタッパー、スプラウト用の栽培容器も便利です)
- キッチンペーパー(キッチンスポンジでも可)
手順
- 手順1種まき
容器に、キッチンペーパーを敷き、ペーパーが浸るぐらい水をいれます。
そこに種をまきます。種は、容器の底面積の7割程度。種が重ならないように撒きます。 - 手順2遮光して発芽を待つ
暗い場所で、発芽を待ちます。
(段ボールをかぶせたり、アルミホイルを被せたりしてもよいでしょう)
水は毎日霧吹きで、タネが乾かないように水やりをします。 - 手順3育苗する
発根が全体にそろってきたら、水やりをして育てます。
ペーパーがひたひたになる程度、入れすぎには注意が必要です。
葉が生えてきたら、葉にはなるべくかけないようにしましょう。スプラウト用の容器で育てている場合や、スポンジを使う場合は、水替えは毎日行いましょう。夏は雑菌が繁殖しやすいので朝・晩2回変えます。
- 手順4日光に当てる
芽が伸びて双葉がひらいてきたら、日光に当てて緑化させます。
窓際に移して2~3日育てます。 - 手順5収穫
葉が緑色になったら収穫しましょう。種まきから10日ほどで収穫できます。
ブロッコリー・スーパースプラウトの水耕栽培の手順(もやしタイプ)

用意するもの
- ブロッコリースプラウトの種
- 広口の瓶(コップなどでもOK)
- カーゼや排水ネットなど、瓶の口を被うもの
- 輪ゴム
手順
- 手順1種を水につける
瓶に種とたっぷりの水を入れ、一晩(8時間~12時間)ほどつけます。
種をかき混ぜて、浮いてきたものは取り除きます。 - 手順2栽培キットを作る
瓶の口に、ガーゼや排水用のネットなどを被せ輪ゴムで固定します。
中の水を捨て、もう一度水を入れて優しく振って種を洗います。
瓶の中の水をすべて捨てます。 - 手順3発芽を待つ
暗い場所で発芽を待ちます。
朝と晩2回、瓶に水を入れて優しく振って種を洗い水を切ります。 - 手順4日光に当てる
発芽して3日たったら、日に当てて育てます。
- 手順5収穫
容器を開けて、種の皮を水で洗い流して収穫しましょう。
ブロッコリースプラウトの再生栽培(リボベジ)について
ブロッコリースプラウトと同じスプラウトの豆苗は、スーパーで買ってきたものを、根元を残して切ったものを水に浸けておくだけで、また再生して収穫することができます。
ブロッコリースプラウトも同様に再生栽培ができるのでは?と思われるかたもいるかもしれませんが残念ながら、ブロッコリースプラウトやカイワレ大根の再生栽培(リボベジ)はできません。種から簡単につくれるので、種から始めましょう。
水栽培の容器について
水栽培に使う容器は、ペットボトルや牛乳パックを加工したり、豆腐の容器や果物などが入っている容器などを使えば、汚れても捨てることができて便利です。
水耕栽培の専用の容器などは苗を発芽させるスポンジの下に空間があるようにつくらています。これは、根が空気に触れることにより根腐れを防ぎ、根っこの成長を促進させる効果もあります。
カイワレタイプの栽培方法に使えるスプラウト専用の容器もあります。スプラウト専用の容器であれば、水やりで失敗しにくくなりますし、見た目もおしゃれになります。100均などでも見かけるので、気になる方は見つけてみてください。

その他水耕栽培について
スプラウトは、水耕栽培の中で種まきから10日ほどで収穫でき、肥料もいらないので種があれば、すぐ始められる手軽な野菜です。ブロッコリースプラウトの他、豆苗、カイワレ大根、クレソンスプラウトなどの記事もあるので興味のある方は、お読みください。



『農家web』ではこの他にも、リボベジやタネから始めるレタスや水菜などの水耕栽培の野菜、ハーブ、観葉植物、多肉植物、球根などの記事もあります。育てたい植物や野菜の名前から記事を探すことができるので一度覗いてみてください。