ブルーベリーは、果実の可憐な見た目や味に加え、低木で管理もしやすいことから、家庭果樹として大変に人気があります。品種を選べば全国各地で、地植えはもちろんプランターでも栽培できます。
ブルーベリーは、さし木、とり木、株分けで増やすことができます。この記事では、一番簡単に増やせる、挿し木の時期や方法、鉢上げの仕方までわかりやすく説明します。
ブルーベリーの挿し木について
挿し木の時期
紫陽花の挿し木は、生育期に今年伸びてきた新しい枝を挿して増やす「緑枝挿し」と休眠期の冬に剪定した枝を使って増やす「休眠挿し」があります。
「休眠挿し」は春ざしとも呼ばれ2月~3月頃までが適期です。「緑枝挿し」は梅雨ざしともよばれ、6月~7月頃までが適期です。挿し木は休眠挿しの方が成功しやすいといわれています。
さし木の選び方と準備
緑枝挿し
さし木(挿し穂)は、苗から取る場合は開花が終わった後、春から伸びた新しい枝を使います花芽が付いていないものが良いでしょう。日当たりの良い場所で育った苗の枝で、節と節の間が詰まっているものを選びましょう。
枝は、10㎝~12㎝に切り分けます。一番上部の葉を2枚だけ残し、下の葉は切り取ります。上の葉が大きい場合は半分程度に切ります。下の茎はカッターやナイフなどで、斜めにスパッと切り落とします。反対側からも切り戻し、切り口を広くします。切ったらすぐに水揚げするので先に水を用意しておきましょう。
休眠挿し
挿し穂にする枝は、前年の充実した発芽前の枝を使います。古い枝は挿し木の成功率が下がるので避けます。できれば発芽しやすい5~6㎜の枝を選びましょう。剪定した枝から良いものを選ぶのがよいでしょう。
枝を10㎝~12cm程度に切りそろえ、下の枝はカッターやナイフなどで、斜めにスパッと切り落とします。反対側からも切り戻しておきましょう。切ったらすぐに水揚げするので先に水を用意しておきましょう。
ブルーベリーの挿し木の手順
上記の挿し穂が準備できたら、挿し木を始めましょう。発根促進剤は絶対必要ではないですが、あると格段に成功率があがります。
準備するもの
- ブルーベリーの挿し穂
- 花瓶やコップ(ペットボトルを切ったものなどでも可能)
- ポリポット(10.5cm以上)・育苗箱やプランターなど
- 鹿沼土小粒・ピートモス1:1の割合で混ぜた土
- ルートン(発芽促進剤)
- 割り箸
手順
- コップやガラスの器に、水を入れます
- 10cm~12㎝ほどに切りそろえた、挿し穂を入れ1時間ほど水を吸わせます。
- 容器に8分目ほどの土をいれ、平らにならした後、水を上げて用土を湿らせておきます。複数ある場合は5cmほど間を開けます。
- 割り箸であらかじめ挿し穂を指す位置に、穴を空けて置きます。
- 水から挿し穂を取り出し、切り口にルートンをつけてから用土に挿します。(休眠挿しは1/2・緑枝挿しは2/3ほど挿し込む)
- 置き場所は、明るい日陰において乾かさないように管理します。(休眠挿しは暖かい場所で)
- 新梢が固くなるまでは、水切れには十分注意しましょう。
- 新芽が伸びてきたら、薄い液体肥料を与えて徐々に日当たりにならしていきましょう。
- 肥料を与えながら育て、翌年の3月に鉢上げします。
発根促進剤について
生育期であれば水だけでも発根しますが、発根を早くしたり太く元気な根を促進させるために、発根促進剤も有効です。
土や土の代わりの培土を使う場合にはルートンがよく使われます。ルートンは、さし木、さし苗の発根を促進させる植物成長調整剤です。粉末状ですので枝の切り口3㎝ぐらいを水に浸して、粉末をまぶして使います。まぶしすぎないように気をつけましょう。
また、水揚げのときにメネデールを入れたり、水やりのときには発根まで2~3日に一度メネデールを薄めた水で水やりをするのも効果的です。
鉢上げ(植え替え)
鉢上げのタイミング
育苗箱やプランターで挿し木をした場合は、翌年の3月に鉢上げします。ポリポットに直接挿し木をした場合は、そのまま育て、植え付けの時期(12月~3月)に鉢植えや地植えします。
プランターへの植え付け方法は、プランター栽培の記事に詳しく記載してあります。
準備するもの
- 発根したブルーベリーの苗
- ポリポット(12cm以上のもの)か鉢(4号鉢程度)
- ブルーベリーの用土
- 鉢底石
手順
- 鉢の底に鉢底石を入れ、培養土をポリポットの3分の1程度入れます。
- ブルーベリーの苗をいれ、根を広げます
- 3の上から用土を入れて、最後に鉢底をトントンと打ち付けてならしましょう。
- 水を鉢底から出るまで与えます。
ブルーベリーの用土について
ブルーベリーは、土壌ph4.3~5.3の強酸性の土を好む植物です。土壌が酸性でないと健全に育ちません。ブルーベリー用の培養土を使って育てましょう。自分で配合する場合は、酸度未調整のピートモス7・鹿沼土3で配合して、水を含ませてよく混ぜてから使いましょう。肥料が含まれていない場合は、緩効性肥料を混ぜて使いましょう。
ブルーベリーの肥料について
さし木で増やすことができたら、肥料を与えて育てましょう。ブルーベリーは鉢植えや地植えでは肥料の与え方がかわります。肥料の与え方やおすすめの肥料については、詳しい記事があるのでこちらも参考にしてください。
まとめ
ブルーベリーの挿し木から育てると実をつけるまでには時間がかかりますが、休眠挿しであれば初心者の人でも成功させやすいので、ぜひ剪定した枝を使ってチャレンジしてみてください。
それぞれの環境によっても、発根や育て方は変わるもです。失敗して枯れてしまうこともあるかもしれませんが、試行錯誤するのも植物を育てる楽しみの一つです。ぜひこの記事を参考にして、ブルーベリーを増やしてみてください。
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