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商品・ブランド別の除草剤

除草剤バスタについて徹底解説!

グルシネート系除草剤バスタの写真 商品・ブランド別の除草剤

バスタ液剤 (BASFジャパン(株)) の特長

バスタ液剤は最もメジャーなグルホシネート系の除草剤(液剤)で、バイエルクロップサイエンスが開発した青緑色澄明水溶性液体です。

効果の進展はグリホサートよりも早 く、1 ~ 3日で効果が発現し、5 ~ 20日で完全な効果がでますが、吸収移行型ではないため、地下部 、つまり根までは枯死せず、雑草・草はグリホサートに比べ、再生しやすい特徴があります。

バスタは多くの作物に登録があるため、かなりの野菜、水稲、果樹で使用可能で、例えば水田の畦(畔・畦畔)やかんしょなどの畑作での作物の株間、畔間や畦道などで使用するケースが多く見られます。

このような場合、非選択性除草剤のため、農業に使用する場合は散布の際に、飛散して農作物にかからないよう注意が必要になります。本製品は、原液を希釈して薄めて、ジョウロ、ノズルや噴霧器で散布して使用します。希釈倍率は商品説明を確認するようにしてください。

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BASF 除草剤のバスタ 公式HP

類似製品として、ザクサ液剤 (明治製菓ファルマ(株))があります。

明治製菓ファルマ ザクサ 公式HP

バスタの使い方

主な使い方

バスタは、液剤の除草剤原液なので、希釈して薄めて使用します。使用薬量と希釈水量は、ラベルの裏に細かい使用薬量と希釈水量が書かれていますので、ぜひご参考にしてください。

バスタは、基本的な下草、雑草には、原液10mlに2Lの希釈水量、つまり、「200倍」の希釈率を目安にし、1Lを100㎡に散布します。

除草剤の希釈の考え方

希釈倍率500倍で30Lの希釈液を作りたいときには、60ml(g)の原液(原料)が必要ということになります。希釈計算についてはこちらの記事も参考にしてください

ただし、多年生雑草(翌年も生える雑草)に場合は、希釈率を200倍から100倍とうすめる濃度を上げた方が効果がでます。どの雑草に対して使用するかで、うすめる濃度を変えていきましょう。

また、雑草によって、早春、盛夏、晩秋の時期に散布すればいいのか、根元がいいのか葉がいいのかは変わってきます。

バスタは、雨が降っても大丈夫?

「茎葉処理剤」は、散布された薬剤に接触した部分の植物組織だけを枯らします。このため、散布後すぐに雨が降ると、雑草に付着した薬液を流すため、効果がなくなることがあります。散布後すぐに雨が降りそうな天気予報のときは、散布を避けましょう。

目安としては、「散布後、6時間過ぎた後」 であれば雨の影響を受けなくなり、効果は持続します。

また、朝露が多い、雨上がりなど、葉についた薬液がこぼれ落ちるような場合も効果が薄れることがあります。早朝や雨上がりも避けた方がいいでしょう。

バスタの成分グルホシネートとは何か? その効果は?

除草剤の成分として使われる「グルホシネート 」とは、アミノ酸系の除草剤で、植物のグルタミンの生成とアンモニアの解毒に必要な酵素であるグルタミンシンテターゼを阻害します。この結果、植物を枯らしてしまいます。

このような、植物固有のアミノ酸の生合成を阻害して、枯らしてしまうタイプの代表的な薬剤は、グルホシネートの他に、グリホサート系、スルホニルウレア系(ベンスルフロンメチル、イマゾフルフロン、ピラゾスルフロンメチルなど多数)、非選択性接触型のアミノ酸系(ビアラホスなど)があります。

グリホシネートは、イネ科、広葉の一年生雑草、多年生雑草、ササ類、雑灌木など、スギナドクダミなど頑固な雑草含め、ほぼすべての草種に有効で、枯らす効果があります。性質は速効性で効果の発現に2 ~ 5日、そして完全な効果に5日~ 20日ほどを要します。

非選択性除草剤のため、水稲が残る水田や、定植後、枯らしたくない作物が残る農地、農耕場所、菜園には向かず、農業に使用する場合は散布の際に、作物にかからないよう注意する必要があります。

グリホサートとの違い

速効性(グルホシネート)と遅行性(グリホサート)

グルホシネートとグリホサートは非選択性の除草剤(液剤)でほぼ全ての草種に有効な点は共通していますが、効果が発現する期間には差があります。

グリホサートは効果の発現に3 ~ 7日、そして完全な効果に10日~ 2カ月ほどを要しますが、グルホシネートは効果の発現に2 ~ 5日、そして完全な効果に5日~ 20日ほどで足り、グリホサートよりも速効性があります。早い効果を求める場合は、グルホシネートがより有効です。

私たちの圃場で実験してみましたが、下記のように、グルホシネートの方がより顕著に褐色化し、枯れているのがわかります。

除草剤を散布する前の状態
ラウンドアップMRとバスタを散布して10日後の写真

根まで枯れるかどうか

グリホサートの大きな特徴として、(茎葉)吸収移行型のため、葉だけでなく、接触した植物の地下茎(スギナなど)、根も含めて全体を枯らす効果があります。

これに対し、グルホシネートは速効性はあるものの、根や地下茎までは枯らし切ることはできず、また生え易いというデメリットがあります。

このため、多年生雑草など、根が地下に多い、また地下茎が発達し易い雑草が多い場所で、地下茎、根をしっかり枯らしたい場合は、グリホサート系の除草剤の方がおすすめです。

グリホサート系除草剤については、下記ページで詳しく解説していますので、ご参考ください。

グルホシネートの安全性について

地面に落下したグルホシネートは、微生物によって分解され、約半日~1日で半減するなど、グルホシネートの土壌中での分解は非常に速く、土壌、環境に優しい除草剤と言われています。

しかしながら、グルホネシートの残留物は冷凍食品に最長2年間残ることがあり、化学物質は熱湯で食品を調理しても簡単に破壊されないとの報告もなされています。(Pesticide Action Network,2008)
また、日本ではグルホシネート、グルホシネートPナトリウム塩は農薬登録されており、使用方法の規制がある中で、グリホサートの一日摂取許容量を、1mg/kg 体重/dayに対し、グルホシネートは0.0091 mg/kg 体重/day としていることから、グルホネシートのほうが人畜に対して毒性が強いと判断していると解釈できます。

また、ヨーロッパでは、除草剤としての登録が2018年に期限切れになっていることや、フランスで、2017年に食品安全、環境および労働のための国家機関によって生殖毒性化学物質(R1b)として分類されたため、現在では、グルホネシート系除草剤は市場から撤退しています。

執筆者・監修者情報
執筆者・監修者

農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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