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果樹類の肥料

アボカドの肥料のやり方の基本・おすすめ商品まとめ

アボカドの実が成っている様子 果樹類の肥料

アボカドへの肥料のやり方 基本的な考え方

アボカドの施肥は「春肥(花肥)」、「夏肥(実肥)」、「秋肥(お礼肥)」の年3回を基準とすると良いでしょう。

春から秋の成長期に、三要素窒素リン酸カリウム)が5-5-5など等量のものか、リン酸がやや多めの肥料施すと良いでしょう。よく開花、結実しているときは肥料を多く必要とするので、液体肥料も併用して施します。

また、幼木の際は根が浅く、ダメージを受けやすいため、施肥を控えめにします。

植え付け時には、酸度調整や土壌中の養分を蓄えるために施肥をします。

アボカドの肥料のやる時期は?

植え付け時・元肥

アボカドは、植え付け時に土作りを実施します。土作りは、物理的な土壌環境の改善のほか、肥料などによる化学的な環境の調整のためにも実施します。以下にアボカド植え付け時の土作りのポイントを記載します。

アボカドを栽培し、美味しい果実を収穫するためには本圃の土作りが重要です。アボカドは、比較的酸性の土壌を好みますを選ばない植物ですが、強い酸性土壌の場合には、石灰質肥料を散布して土壌酸度をアルカリ性側に矯正してあげます。土作りのポイントを下記にまとめます。

  • 土壌が深く、水はけ・水もちのよい土壌を好みます。重粘土の土壌や畑転換(もともと水田だった場所を畑にした)の場所では、水はけが悪い可能性が非常に高いので、畦を作るなどの排水対策が必要となります。また、有機物資材を積極的に使用し、土壌の物理性を改善してあげましょう。
  • 弱酸性(pH4.5〜5.5)の土壌を好みます。pHが高めの場合には硫黄粉末などを散布したりしますが、基本的には有機物資材(堆肥など)や固形肥料の散布で酸性側に傾くので、そこまでの対策は必要ないでしょう。逆にpHが低めの場合には、石灰質資材などを散布して矯正します。
  • 元肥は、植え付け時に施します。

4月〜5月頃に植え付けを予定している場合は、冬に土作りを済ませておきましょう。植え穴を用意して、そこに元肥を施しておきます。植え付けの間隔・植え穴については、以下の表を参考にしてください。品種や栽培方法によって、植え付けの方法も変わってくるので詳しくは種苗店などに問い合わせると教えてくれると思います。

株間植え穴の大きさ
3m〜5m80cm四方
アボカド植え付け時の株間と植え穴の大きさ

土作りの手順を簡単にまとめておきます。

  1. 植え穴を用意します(上記、表を参照)。
  2. 掘り出した土壌にバーク堆肥などをよく混ぜて埋め戻します。

元肥の施用量は、その土壌の栄養分や土壌酸度(pH)によって異なりますが、下記の表を基準にしてください。

肥料(全種類施用)施用目安量(一株当たり)
バーク堆肥20kg程度
苦土石灰5kg程度
熔リン3kg程度
アボカド植え付け時、元肥の目安

施肥のタイミング 春肥(花肥)・夏肥(実肥)・秋肥(お礼肥)

アボカド成木の施肥のタイミングは、1年で主に3回あります。

  1. 春肥(花肥):4月頃
  2. 実肥:7月頃
  3. 秋肥:10月頃

春肥(花肥)

アボカドは、春の気温の上昇とともに花芽が発芽して果房が生長します。このときに、栄養分が不足していると葉が黄色くなったりします。これは果房側に栄養分がまわり、葉や幹など樹自身の栄養が不足してくるためです。そのため、4月頃には必ず施肥をしましょう。

施す肥料は窒素、リン酸がよく含まれた化成肥料(N-P-K:10-10-10など)を選択し、5kg/10a ほど散布しましょう。

夏肥(実肥)

7月頃になると、果実の肥大期に入り、実が急に大きくなります。またそれと同時に、枝の先端から出た新梢が伸びてきます。急激に水分量と栄養分が必要な時期になるのです。

そのため、この時期は摘心作業を実施するのと同時に、液体肥料を施すことで栄養分の不足を補うことが重要です。液体肥料は、定期的に葉面散布をすることによって施すことで、生理落果を少なくすることができます。リン酸、加里(カリウム)がしっかりと含まれた液体肥料を散布しましょう。

液体肥料の選び方、散布方法については、下記の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

秋肥(お礼肥)

秋肥は、翌年の花をたくさん開花・結実させるために必要な施肥です。秋肥を施すことで、アボカドの樹に栄養を補給し、蓄積させておきます。秋肥は、10月頃に実施します。

施す肥料は窒素、リン酸がよく含まれた化成肥料(N-P-K:10-10-10など)を選択し、50kg/10a ほど散布しましょう。

成木になるまでは?

植え付け後3年〜4年目など、まだ幼木のときはどのように肥料をやるとよいのでしょうか?

幼木のときには、肥料は控えめにします。アボカドの根は浅く、塩害に弱いため、一度に化成肥料を施すとダメージを受けてしまいます。4月、7月、10月など複数回に分けて、少量の固形化成肥料を施していきましょう。アボカドの必要窒素量の目安は、以下のとおりです。

ステージ必要窒素量(10a当たり)
1年生1kg程度
6年生20kg程度

アボカドにおすすめの肥料

ハイポネックス 錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用

ハイポネックスジャパンが製造販売する「錠剤肥料シリーズ かんきつ・果樹用」という肥料もあります。追肥に利用する錠剤タイプで、置くだけでOKという簡便な肥料です。窒素:リン酸:カリ=8:10:9で配合されているほか、マグネシウム、マンガン、ホウ素、カルシウムも加えられています。

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また、ハイポネックスには「ハイポネックス原液」などの液体肥料シリーズもあり、樹勢が弱っているときに与えると良いでしょう。さらにハイポネックスにはマグァンプなど固形肥料のシリーズも販売されています。適している肥料を選択して、使ってみましょう。

開花時など、樹に負担がかかる時期は「ハイポネックス原液」や「微粉ハイポネックス」を1週間〜2週間に1回程度与えると樹勢が維持できます。

また、ハイポネックスの肥料シリーズの中で、上記の他にもおすすめの商品があります。

ハイポネックス 「Plantia」花と野菜と果実の肥料

「Plantia」花と野菜と果実の肥料は、草花・野菜・果実など、いろいろな植物に使用できる肥料です。植物の生育に必要な成分をバランス良く配合した有機入り緩効性肥料のため、長期的な使用に向いています。

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マイガーデンベジフル

マイガーデンは、住友化学園芸の登録商標で、粒状の様々な草花・庭木・果樹の元肥や追肥に使うことができる肥料です。栄養分を効率よく吸収させるすぐれた腐植酸入り緩効性肥料として特許を取得していることや、土に活力を与える作用がある腐植酸をブレンドしていることや、肥料成分は樹脂コーディングされていて、土壌の温度変化や植物の生育にあわせて溶出する量が調節され、効き目が持続するのが本製品の特長です(リリースコントロールテクノロジー)。

追肥として、「マイガーデンベジフル」が有効です。また、「マイガーデン液体肥料」や「花工場原液」、「ベジフル液肥」は速効性の液体肥料なので、樹勢が弱り始めたときに薄めの濃度で与えてあげると良いでしょう。使用方法は各商品のラベルの指示に従ってください。

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アボカドの肥料 購入場所

アボカドの肥料は、ホームセンター、100均、インターネットなどで購入可能です。肥料を購入できる主な場所・方法は以下のとおりです。

肥料を購入できる場所
  • JAなどの農業資材店
  • 100均、100円ショップ
    • ダイソー(DAISO)
    • キャンドゥ(CanDo)
    • セリア(Seria)
    • etc
  • ホームセンター
    • コメリ
    • カインズ
    • コーナン
    • etc
  • インターネット
    • Amazon
    • 楽天市場
    • ヤフーショッピング
    • etc

アボカドの栽培方法 地植え・ベランダ栽培・水栽培

アボカドは、基本的には地植え栽培がおすすめです。しかし、比較的栽培しやすいため、大きめの鉢植えやプランターなど家庭菜園として育てることもできます。但し、果実をつけるほど大きな成木にしたい場合には、地植えしなければ難しいでしょう。

また、アボカドは水耕栽培で育てることもできます。しかし現実的に、果実を収穫するまで樹形を大きくすることは不可能なため、ある程度の大きさになったところで土に植え替えることが必要となります。

品種によって、受精適期が異なるのもアボカドの特徴です。大きく2つのタイプに分けることができ、「Aタイプ」「Bタイプ」と分類します。Aタイプ、Bタイプを混合して圃場に植えることで着果率が上がると言われています。

編集さん
編集さん

アボカドは家庭菜園、プロ農家の栽培としても注目の作物です。輸入物が大半を占めるため、国内産の完熟果実は付加価値があります。樹に付けたまま熟すものと、収穫したあとに追熟するものでは、味や栄養価が全く異なります。家庭菜園では露地栽培(庭やベランダを含む)や水耕栽培(水栽培)、プロ農家では露地栽培やハウス栽培が可能です。

執筆者・監修者情報
執筆者・監修者

農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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