ミモザやユーカリなどオーストラリア原産の植物は「オージープランツ」と呼ばれ、近年庭木としても人気の高い植物です。ここではオージープランツに適したおすすめの肥料と品種ごとの与え方についてわかりやすく説明します。
オージープランツにおすすめの肥料
オーストラリア原産のオージープランツは、日本と土壌が異なるため一般的な観葉植物の肥料を与えると、最悪の場合かれてしまうとがあります。
オージープランツといっても多くの種類があるので肥料の与え方や育て方はその品種によって異なりますが、基本的にはやせた土地で育つ植物が多いので、肥料は多く必要としません。
特に「ヤマモガシ科」の植物は、根が細く細かい根がブラシ状に集まったクラスター根(プロテオイド根)を持っており、肥料分の少ない土壌から効率よく肥料(リン酸)を吸収します。そのためリン酸が多く入った肥料を使うと、肥料過多になり枯れてしまうこともあります。
オージープランツには、リン酸の少ない肥料がおすすめです。
ここからはリンが少ない肥料についていくつか紹介します。
オージープランツの専用肥料
リンサンを少なく配合したオージープランツ専用の肥料や、グレビレアとバンクシア専用肥料もあります。専用肥料であれば、肥料成分を気にすることなく、施肥量も記載されているので誰でも簡単に使えます。
NK化成肥料
肥料には、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(k)の三大要素が含まれている肥料が多くありますが、リン酸がふくまれていない窒素とカリだけの肥料もあり、NK肥料と呼ばれます。野菜の追肥などにもよく使われる肥料で、リン酸が含まれていないので、オージープランツにも適した肥料です。
油かす肥料
油粕(油かす)は、ナタネ(菜種)やダイズ(大豆)から油を搾る工程の残りかすを指し、それを主な原料として使用する有機(有機物)肥料を油かす肥料と呼びます。
有機肥料は、ゆっくり効果のでる緩効性肥料で、庭植えの寒肥などによくつかわれます。油粕以外にも米ぬかや鶏糞などの肥料があります。その中でも油粕は窒素分が多くリン酸やカリは少ないので、オージープランツにも使えます。発酵済でない油粕は、土中に埋めて使いましょう。また油粕の肥料の中には、リン酸を高めている肥料もあるので肥料分を確認してから購入しましょう。
オージープランツに元肥は不要
鉢植えや庭植えのどちらでも、通常の植物を育てる場合には元肥を施すのが一般的です。
しかしオージープランツは元肥は不要です。庭植えでも牛ふんなどの堆肥は使わず、肥料分の少ない腐葉土などをつかって植え付けます。鉢植えの場合は、観葉植物の培養土が便利ですが、元肥が入っていないものを選びましょう。また植え替え時には細かい根をきらないように根鉢は崩さないようにしましょう。
オージープランツの品種と肥料の与え方
オージープランツの中でも人気の品種の特徴と肥料の与え方について説明します。
ミモザ(アカシア)
ミモザの愛称は、日本では黄色い房状の花を咲かせるアカシアの仲間を指して呼ばれることがあります。アカシアの仲間はマメ科の植物で、マメ科の植物は、根っこに瘤(こぶ)のようなものがあり、窒素を作り出すことができるため、普通の植物のように肥料を与えると肥料過多になりやすいため、肥料は少な目に施します。
庭植えの場合は、冬に寒肥として油粕などの有機肥料を施し追肥は不要です。鉢植えの場合も発酵油かすなどの粒状固形肥料を5号鉢で3~5個程度を置くだけでよいでしょう。開花後に、お礼肥としてリンとカリが多くはいった速効性の肥料を与えてもよいでしょう。
ユーカリ
ユーカリはフトモモ科ユーカリ属の常緑高木です。ユーカリはオージープランツの中では、肥料を好むので生育期の春から秋の生育期には緩効性の肥料を与えて育てます。冬は休眠期のため肥料は与えません。肥料は普通の観葉植物を育てる肥料が使えます。
グレビレア・バンクシア
くるんと巻いた雌しべが特徴の花を持つグレビレアや、大きなブラシのような花をつけるバンクシアも近年人気のオージープランツです。両方ともクラスター根を持つヤマモガシ科の植物なので、リン酸の肥料を控える必要があります。庭植えの場合は肥料は必要ありません。鉢植えの場合は長く栽培していると土の養分がなくなってしまうため、春と秋にリン酸の少ない肥料を少量与えましょう。
植え替え、植えつけ時にも元肥入りの培養土は使わず、肥料のはいっていない培養土を使いましょう。
オージープランツの栽培について
オージープランツとは
オージープランツはオーストラリア原産の植物の総称で、オーストラリアンプランツとも呼ばれます。オーストラリアの面積は広く、砂漠や熱帯雨林など気候も異なりさまざまな植物がありますが、日本で人気の植物は日本の環境でも育てやすい、ミモザの愛称でも呼ばれるアカシアやコアラで有名なユーカリの他、バンクシアやグレビレアなどが人気があります。
栽培のポイント
オージープランツを育てるコツは、オーストラリアの環境に似せることが大切。オーストラリアは、雨量は日本の半分以下なので、水やりは控え乾かし気味に育てましょう。日当たりのよい風通しの良い場所を好みます。植え替えの必要のない庭植えでも育てられる品種が多いので、その土地にあった品種を選んで育てましょう。