観葉植物の肥料

オージープランツ 肥料の与え方の基本とおすすめ肥料

アカシア 観葉植物の肥料

ミモザやユーカリなどオーストラリア原産の植物は「オージープランツ」と呼ばれ、近年庭木としても人気の高い植物です。しかしオーストラリアと日本では土壌が異なるため、普通の植物のように肥料を与えると最悪の場合枯れてしまうこともあります。

ここではオージープランツの肥料の与え方の基本と、おすすめの肥料についてわかりやすく説明します。

オージープランツの基礎知識

オージープランツはオーストラリア原産の植物の総称で、オーストラリアンプランツとも呼ばれます。オーストラリアの面積は広く、砂漠や熱帯雨林など気候も異なりさまざまな植物がありますが、日本で人気の植物は日本の環境でも育てやすい、ミモザの愛称でも呼ばれるアカシアやコアラで有名なユーカリの他、バンクシアやグレビレアなどが人気があります。

オージープランツといっても多くの種類があるので肥料の与え方や育て方はその品種によって異なりますが、基本的にはやせた土地で育つ植物が多いので、肥料は多く必要としません。

特に「ヤマモガシ科」の植物は、根が細く細かい根がブラシ状に集まったクラスター根(プロテオイド根)を持っており、肥料分の少ない土壌から効率よく肥料(リン酸)を吸収します。そのためリン酸が多く入った肥料を使うと、肥料過多になり枯れてしまうこともあります。

オージープランツの品種と肥料の与え方

オージープランツの中でも人気の品種の特徴と肥料の与え方について説明します。

ミモザ(アカシア)

ミモザ(アカシア)の花

ミモザの愛称は、日本では黄色い房状の花を咲かせるアカシアの仲間を指して呼ばれることがあります。アカシアの仲間はマメ科の植物で、マメ科の植物は、根っこに瘤(こぶ)のようなものがあり、窒素を作り出すことができるため、普通の植物のように肥料を与えると肥料過多になりやすいため、肥料は少な目に施します。

庭植えの場合は、冬に寒肥として油粕などの有機肥料を施し追肥は不要です。鉢植えの場合も発酵油かすなどの粒状固形肥料を5号鉢で3~5個程度を置くだけでよいでしょう。開花後に、お礼肥としてリンとカリが多くはいった速効性の肥料を与えてもよいでしょう。

ユーカリ

ユーカリはフトモモ科ユーカリ属の常緑高木です。ユーカリはオージープランツの中では、肥料を好むので生育期の春から秋の生育期には緩効性の肥料を与えて育てます。冬は休眠期のため肥料は与えません。肥料は普通の観葉植物を育てる肥料が使えます。

グレビレア・バンクシア

くるんと巻いた雌しべが特徴の花を持つグレビレアや、大きなブラシのような花をつけるバンクシアも近年人気のオージープランツです。両方ともクラスター根を持つヤマモガシ科の植物なので、リン酸の肥料を控える必要があります。庭植えの場合は肥料は必要ありません。鉢植えの場合は長く栽培していると土の養分がなくなってしまうため、春と秋にリン酸の少ない肥料を少量与えましょう。

植え替え、植えつけ時にも元肥入りの培養土は使わず、肥料のはいっていない培養土を使いましょう。

オージープランツにおすすめの肥料

リンが少ない肥料についていくつか紹介します。

オージープランツの専用肥料

リンサンを少なく配合したオージープランツ専用の肥料や、グレビレアとバンクシア専用肥料もあります。専用肥料であれば、肥料成分を気にすることなく、施肥量も記載されているので誰でも簡単に使えます。

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NK化成肥料

肥料には、窒素(N)、リン酸(P)、カリ(k)の三大要素が含まれている肥料が多くありますが、リン酸がふくまれていない窒素とカリだけの肥料もあり、NK肥料と呼ばれます。野菜の追肥などにもよく使われる肥料で、リン酸が含まれていないので、オージープランツにも適した肥料です。

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油かす肥料

油粕肥料(油かす肥料)は、ナタネ(菜種)やダイズ(大豆)から油を搾る工程の残りかすを原料として使用する、植物に由来する有機(有機物)肥料です。

有機肥料は、ゆっくり効果のでる緩効性肥料で、庭植えの寒肥などによくつかわれます。油粕以外にも米ぬか鶏糞などの肥料があります。その中でも油粕は窒素分が多くリン酸やカリは少ないので、オージープランツにも使えます。発酵済でない油粕は、土中に埋めて使いましょう。また油粕の肥料の中には、リン酸を高めている肥料もあるので肥料分を確認してから購入しましょう。

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肥料の基礎知識

そもそも肥料ってなに?

肥料の定義は肥料取締法で決まっています。肥料は土壌に科学的変化をもたらし、植物が健全に育つように土地に施されるものを言います。つまり、農作物(植物)の健全な生育に欠かせない栄養を与えるものです。

農作物(植物)が育つためには窒素リン酸カリウム三大要素のほか、微量要素などが必要です。大雑把にはなりますが、窒素(N)は葉肥(はごえ)、リン酸(P)は実肥(みごえ)、カリ(K)は根肥(ねごえ)と呼ばれています。肥料の箱や袋などに記載されているN-P-Kの表示はこれらを指しています。

植物は土に根を張り、それらの養分を吸い上げて成長しています。そのため、土壌中の栄養分は植物が吸い上げることにより、どんどん乏しくなっていきます。それを補うために土壌に肥料を施すことを「施肥」と言います。

肥料を与えるタイミング 元肥と追肥

用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。

苗を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。

苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。追肥を施す時期が遅れたりすると、植物の生育期に葉の色が薄くなったり、花が小さくなったりして最悪の場合、枯れてしまいます。特に窒素、カリウムは消費されるのが早いので適切な時期に追肥が必要です。

肥料の種類

作物・植物の栽培における肥料の種類は、大きく以下のとおりに分けることができます。

肥料はその物質の有機、無機によって、「有機肥料(有機質肥料)」「化学肥料(≒無機質肥料、化成肥料は化学肥料に属します)」の2つに分けることができ、形状によって、「固形肥料」と「液体肥料(液肥)」があります。

「化学肥料」とは、化学的に合成しあるいは天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。「有機肥料(有機質肥料)」とは、「油粕や米ぬか、腐葉土など植物性の有機物」「鶏糞(鶏ふん)、牛糞(牛ふん)、馬糞魚粉、骨粉などの動物性の有機物」を原料にして作られたものです。堆肥も、家畜の糞や落ち葉などの有機物を微生物によって分解・発酵したもので、有機肥料となります。有機肥料は、用土(培土)を養分を補うだけではなく、物理性の改善(ふかふかにする)にも役立ちます。

大きな植木鉢で用土を使う場合は、植え付け時や植え替え時に緩効性の化学肥料や臭いの少ない有機肥料を元肥として十分に施し、その後生育を見ながら液体もしくは固形の化成肥料を追肥として施していくと良いでしょう。

防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ

オージープランツに元肥は不要

鉢植えや庭植えのどちらでも、通常の植物を育てる場合には元肥を施すのが一般的です。しかしオージープランツは元肥は不要です。庭植えでも牛ふんなどの堆肥は使わず、肥料分の少ない腐葉土などをつかって植え付けます。鉢植えの場合は、観葉植物の培養土が便利ですが、元肥が入っていないものを選びましょう。また植え替え時には細かい根をきらないように根鉢は崩さないようにしましょう。

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肥料は絶対混ぜないで!

よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。

まとめ

オージープランツを育てるコツは、オーストラリアの環境に似せることが大切。オーストラリアは、雨量は日本の半分以下なので、水やりは控え乾かし気味に育てましょう。日当たりのよい風通しの良い場所を好みます。植え替えの必要のない庭植えでも育てられる品種が多いので、その土地にあった品種を選んで育てましょう。

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