人工芝を敷く場合、防草シートは必ず必要です。この記事では、長期間取り替え不要になる、人工芝や防草シートの正しい選び方やおすすめ商品を紹介します。
そもそも防草シートは必要?
人工芝を敷きたい場所の地面が、土の場合は必ず防草シートが必要です。ベランダなどのコンクリートであれば、防草シートは不要です。
防草シートは、紫外線をブロックすることで雑草の生長を止めます。人工芝もある程度紫外線をブロックすることはできますが、人工芝には、排水をよくするために排水穴という小さな穴が開いています。ここから雑草が生えてきたり、継ぎ目などから生えることもあります。人工芝の隙間から、雑草が生えると草取りは非常に手間がかかり、人工芝が傷む原因ともなります。
人工芝の下に、防草シートを敷くことで、防草効果を高め、防草シートや人工芝の耐久性をUPすることにもつながります。
人工芝の選び方
人工芝の耐用年数はホームセンターなどで買える一般的な人工芝はは5年~7年ほど。品質のよいものであれば、10年以上耐用年数があるものもありますし、安価なものだと2年ほどで交換が必要になるものもあります。
長期間取り替え不要な、人工芝の選び方について、説明していきましょう。丈夫な人工芝のポイントは素材と芝生の密度・葉の形状の3つ。選び方の基準とともに説明します。
素材
芝糸の素材
まずは、人工芝の芝生の葉の部分の素材に注目しましょう。人工芝の芝生の素材には、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレンなどが使われますが、耐用性の強い素材は、ポリエチレン、ポリプロピレンです。
ポリエチレンは、紫外線や、温度、雨風などによる劣化に強く屋外で使うのに適した素材で、野球やサッカーなどの人工芝などにも使われています。ポリプロピレンも、耐久性が高く、しかもやわらかく価格もポリエチレンより安価なので、組み合わせてつかうことでリアルな質感になります。
基布のコーティング剤
芝生を縫い付けてある裏の素材(基布)は、裏面にコーティングがされています。コーティング剤は、合成ゴム(SBR)とポリウレタン樹脂(PU)があります。ホームセンターなどで売られているものはほとんどが合成ゴム(ラテックスコーティング)です。耐候性・耐久性が高く縮みの少ないのは、ポリウレタン樹脂(ウレタンコーティング)されているもので、こちらの方がコストがかかるため高額になります。
密度・葉の形状
人工芝がすぐヘタってしまうと、見栄えが悪くなるだけでなくクッション性もなくなります。それには密度と葉の形状が影響します。
密度とは、縦1m×横1m=1㎡あたりどれだけ縫い目があるか。ホームセンターなどの人工芝で10,000~14,000/㎡程度。プロが使う人工芝では16,000~1,800/㎡程度。一針に葉が何枚挿してあるかにもよりますが、密度は大切です。ネットでもサンプルを送ってくれるところもあります。実際に見て確かめるのがよいでしょう。
葉の形状によってもクッション性はかわります。葉は平型・V型・C型が主ですが、耐久性の高いのはV型・C型です。平型はつぶれやすく復元しにくいので避けた方がよいでしょう。草丈は、家庭の庭なのでは30㎝~35㎝が一般的。長いほうがクッション性は高くなります。
形状
人工芝は、ジョイント式とロール式があります。形状により耐久性が変わることはありませんがそれぞれのメリットデメリットがあります。
ジョイント式は、狭い場所などによくつかわれ、一人で設置するのも簡単です。しかし継ぎ目が多くなるので、継ぎ目の部分が不自然に感じてしまいます。タイルやウッドデッキなど組み合わせることもできるので、ジョイント部分が合うものと組み合わせてつかうのもよいでしょう。
広い場所に設定する場合は、やはりロール式が便利です。切断もしやすいものが多いので、場所に合わせてカットしてつかうことができます。大きいロールは少し重いので、力が必要な場合もあります。
その他機能
人工芝には、このほかに必須な機能としては、水はけです。透水性をよくする透水穴(排水穴)が開いているかは、必ずチェックしましょう。
その他に防カビ機能、防菌機能、防炎機能、防臭機能、UVカット加工などがついたものもあります。UVカット機能は、芝の色落ちを防ぐので耐用性が高くなります。また葉の種類は1種類だと見た目が、あまり良くないので複数の葉があること、ツヤ消しなどもリアルに見える機能です。
おすすめの耐久性の高い人工芝
メモリーターフ
メモリーターフは、国内初の形状記憶のリアル人工芝です。
芝糸は、4色で形状はV型、素材はポリエチレンとポリプロレンを使っています。高密度でつや消し加工もされているので自然な色合いです。裏面はウレタンコーティングがされており耐久性の高い、高品質の人工芝です。
芝丈は、25mm、28mm、50mmの3種類があり、防菌、防カビ、防炎、遮熱などの機能がついたものもあります。プロの方もよく使う耐久性・見た目ともに優れた人工芝です。
リアリーターフ
リアリーターフもプロの方に人気のリアル人工芝です。
芝糸は、4色で形状はC型、素材はポリエチレンとポリプロレンを使っています。高密度でつや消し加工もされているので自然な色合いです。裏面はウレタンコーティングがされており耐久性の高い、高品質の人工芝です。
リアリーターフは、高機能でUV加工、抗菌、抗カビ、消臭、静電気抑制、遮熱などの機能が全部ついています。芝丈は、R6スタンダードクラスでは16mm、25mm、40mmの3種類あります。用途に特化したプレミアムクラスもあります。
防草シートの選び方
人工芝を耐用年数の長いものを選んでも、防草シートを選び間違えると人工芝に影響してしまいます。しかし、ホームセンターなどに行くと、防草シートは種類も多く、価格にも差があります。
防草シートの選ぶ基準は、主に4つ。
- 遮光率
- 透水性
- 不織布or織布
- 耐用年数
防草シートは日光を遮断することで、雑草の生長をとめるため遮光率の高さは重要です。また透水性とは、防草シートが水を通す素材のであるかです。素材はポリプロピレンがおすすめ。水を通さない防草シートでは、水はけが悪くなり水たまりなどができてしまいます。
またシートは消耗品です。生地が丈夫な不織布であり、耐用年数の長いものを選びましょう。織布は物理的に弱く、草が防草シートを突き破ってでてきてしまいます。また耐用年数の短い安価なものは、年月が経つと劣化し、効能が落ちてきます。人工芝を上に敷けば、耐久性の高いものであれば半永久的につかうことができるので、人工芝を交換しても下の防草シートは交換不要なこともあります。
おすすめの防草シート
おすすめの防草シートを3つ紹介します。防草シートで特に有名なのはデュポン社のザバーンです。ザバーンには多くの種類がありますが、スギナ・チガヤ・アシなどの先のとがった強雑草が生えている場所では、砂利下専用の136・125は厚みが0.4㎜と薄く遮光率も低い(85.3%)のでできれば、240Gがおすすめです。
アストロは、遮光率が低めですが人工芝の下であればそれほど問題ありません。なんといっても価格は魅力的です。
商品名 | ザバーン 防草シート240G | アストロ 防草シート | キンボシ 超強力防草シート |
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概要 | |||
1㎡当たり単価 | 約400円 | 約200円弱 | 約330円 |
遮光率 | 99.7% | 96.7% | 99.9% |
不織布or織布 | 不織布 | 不織布 | 不織布 |
透水性 | ○ | ○ | ○ |
性質 | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン |
耐久性 | ◎ | ○ | ○ |
防草付き人工芝について
防草シート一体型の人工芝もありますが、防草効果はやはり別々で敷いた場合に比べ劣ります。排水の穴や継ぎ目から雑草が生えたり、人工芝の隙間の土が入り込み雑草が発芽した場合、人工芝を突き抜けて土に根がはってしまうこともあります。
しかし数年で交換してもよい、防草効果はそれほど期待しないのであれば一体型は、便利です。デメリットを理解したうえで使うとよいでしょう。