この記事では、チューリップに適したおすすめ肥料を紹介するとともに、チューリップへの肥料の与え方、注意点、栽培のコツまで網羅的にわかりやすく解説します。
チューリップへの元肥・追肥に適したおすすめ固形肥料
固形肥料は、液体肥料(液肥)と比べ、緩効性・遅効性の肥料が多くなります。植え付け時、植え替え時の元肥として使用できます。また、観葉植物の生育が始まる春先から、用土の上に置けば2ヶ月以上効果が持続する追肥として使用できる肥料もあります。効果的な使い方ができるひまわりにおすすめの固形肥料をご紹介します。
花ごころ まくだけ!花と野菜の肥料
非常にメジャーな、どんな草花・野菜にも使える緩効性の肥料です。 天然腐植に吸着された肥料成分が、少しずつ溶け出すため、根を傷めません。チッソ・リンサン・カリの三大要素を均一にバランスよく配合しています。腐植が土壌の団粒化を促すので、土壌改良にも役立ちます。
ハイポネックス マグァンプK
ハイポネックスジャパンが販売する元肥用の定番の粒状肥料です。「チッソ・リンサン・カリ」植物の生育に必要な三要素は勿論、マグネシウムやアンモニウムなどの二次要素・微量要素もしっかりと配合されていて、元肥に申し分ありません。土にしっかり混ぜて、大粒で約2年、中粒で約1年、生長効果が持続します。マグァンプK 小粒は追肥に有効です。
肥料焼けも起こしにくく、元肥としてとても扱いやすい肥料です。また、春の緩効性の追肥としても土面に撒いて使用できます。観葉植物の元肥して使用する場合は、中粒がおすすめです。
また、追肥としては肥効が約2ヶ月続く、マグァンプK 小粒がおすすめです。
花ごころ グリーンそだちEX IBのチカラ
花ごころの「IBのチカラ グリーンそだちEX」は、花にも野菜にも使用できる肥料です。N-P-K=10-10-10であり、バランス良く配合されています。花ごころは、バラや花に効く肥料を中心に様々な商品を販売しています。
IBとは、イソブチルアルデヒド縮合尿素(IBDU)を配合した肥料のことで、とてもゆっくり溶け、流れ出るため植物の根に優しく、肥料成分が無駄なく吸収される特性があります。
本製品は無臭で、花付きをよくするリンサン成分など、3つの成分をバランスよく配合した肥料です。ひまわり(向日葵)は勿論ながら、ほとんどの植物にお使いいただけます。
チューリップに適したおすすめ液体肥料
液体肥料とは?
液体肥料とは、液肥(えきひ)とも呼ばれ、液状になった液体の肥料のことを言います。液体肥料は、用土に混ぜ込んで元肥として使用することはほとんどなく、追肥として使用することを主としています。液体肥料には
- そのまま希釈せずに使用するタイプ(ストレートタイプ)
- 定められた希釈率で液肥を薄めるタイプ
の2タイプがありますので、その製品の使い方をよく読みましょう。希釈した液体肥料は土壌に散布します。
また、液体肥料は速効性(効き目がすぐに出やすい)タイプのものが多いため、前述したとおり追肥としての使用がおすすめです。
液体肥料の商品は多くありますが、追肥に適している液体肥料のおすすめを紹介します。
ハイポネックス原液
液体肥料(液肥)国内トップシェアを誇るハイポネックスの定番液体肥料です。ハイポネックス原液は、「三大要素(窒素、リン酸、 カリ)」の他、マグネシウムやカルシウムなどの「二次要素(多量要素)」、さらに鉄をはじめとした「微量要素」を含む15種類の栄養素を最適のバランスで配合された液体肥料(液肥)で、水で薄めて使います。
他のハイポネックス商品もガーデニング初心者にとって扱いやすいので、興味ある方は下記も是非一読ください(アブラムシやヨトウムシなどの病害虫の予防・駆除という農薬的要素も入っている肥料や、芝生など作物に特化した肥料、希釈しないでそのままの濃度で使える肥料もあります)。
マイガーデン 液体肥料
当製品は、先ほど紹介したマイガーデン植物全般用の効果に加えて、モイスト成分と呼ばれる土の潤い・活力が増す作用があり、保水力と保肥力が高まります。このため、用土に取り入れることで肥料が効果的に染み渡るとともに、暑い夏の水管理に効果を発揮します。液体肥料(液肥)なので速効性が期待でき、追肥用としておすすめの商品です。
バイオゴールドオリジナル
こちらは有機肥料でありながら、即効性があり追肥に向いている珍しいタイプの肥料です。生育に必要な三要素(チッソ・リンサン・カリ)はもちろんカルシウム・マグネシウムをはじめ豊富な天然のミネラル類がたっぷりと、バランス良く含まれています。
有機肥料は臭いが伴うものが多いですが、こちらの商品は施肥後の臭いも気にならず、粒状ですが、ばらまいて使用する他に、水に溶かして液肥として使うこともできますし、肥料焼けも起こりにくいという利点もあります。初めて有機肥料を使用してみたいと思われる方には、試していただきたい商品です。
チューリップに使える肥料は、どんな種類があるの?
作物・植物の栽培における肥料の種類は、大きく以下のとおりに分けることができます。
肥料はその物質の有機、無機によって、「有機肥料(有機質肥料)」「化学肥料(≒無機質肥料、化成肥料は化学肥料に属します)」の2つに分けることができ、形状によって、「固形肥料」と「液体肥料(液肥)」があります。
「化学肥料」とは、化学的に合成しあるいは天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。「有機肥料(有機質肥料)」とは、「油粕や米ぬか、腐葉土など植物性の有機物」「鶏糞(鶏ふん)、牛糞(牛ふん)、馬糞や魚粉、骨粉などの動物性の有機物」を原料にして作られたものです。堆肥も、家畜の糞や落ち葉などの有機物を微生物によって分解・発酵したもので、有機肥料となります。有機肥料は、用土(培土)を養分を補うだけではなく、物理性の改善(ふかふかにする)にも役立ちます。
肥料を与えるタイミング 元肥と追肥
用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。
植物の苗や苗木を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
異なる呼び方として「基肥(きひ)」「原肥(げんぴ)」などと呼ばれる場合もあります。
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。追肥を施す時期が遅れたりすると、植物の生育期に葉の色が薄くなったり、花が小さくなったりして最悪の場合、枯れてしまいます。特に窒素、カリウムは消費されるのが早いので適切な時期に追肥が必要です。
大きな植木鉢で用土を使う場合は、植え付け時や植え替え時に緩効性の化学肥料や臭いの少ない有機肥料を元肥として十分に施し、その後生育を見ながら液体もしくは固形の化成肥料を追肥として施していくと良いでしょう。
チューリップへ肥料をやる適した時期と頻度
下記にチューリップの一般的な肥料のやる時期をまとめました。チューリップ栽培のポイントは、その植物が最も生育旺盛になるころに肥料を効かせることです。
- 春
チューリップは春に開花期を迎えます。冬に緩効性肥料を追肥している場合は、開花するまで追肥は必要ないでしょう。開花したら、液体肥料を2週間に一度与えるようにしてください。
また、チューリップは乾燥を嫌います。冬と同じく、土が乾いたらしっかり水を与えるようにしてください。花が咲き終わったら、花首から摘み取ります。
- 夏
同じ株(球根)で来年も咲かせない場合は、花が枯れたら追肥する必要はありません。来年咲かせることにチャレンジする場合は、葉が黄ばみ、褐色になるまで、液肥を2週間に一度のペースで与えてあげてください。
- 秋
チューリップの球根の植えつけの適期は秋の9〜10月です。定植前に、用土に緩効性・遅効性の固形肥料を元肥としてしっかり土中に混ぜ込んでください。堆肥や油かすなどの有機肥料も有効です。
植え付け時にはたっぷりと水をやり、土が乾いたら水を与えるようにしましょう。
- 冬
12〜1月に固形、粒状の緩効性肥料を追肥として土の上においてください。
チューリップで特徴的なのは、冬でもしっかり水やりを行う必要があることです。土が乾いたら水を与えるようにしましょう。
防ぎたい!チューリップへ肥料をやるときの注意点
肥料のやりすぎ
一般的には、花に家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい、窒素過多になるとつるぼけし、また肥料焼けを起こします。肥料やけを起こすと、植物が弱々しくなり、最悪枯れてしまいます。肥料のやり過ぎにはくれぐれも注意してください。
同じく、水をやりすぎて根が腐って草花を枯らしてしまったり、根詰まり、またカビが生えたりしてしまうことがあります。水はけが悪い用土や、水が常に鉢などの容器に満たされた状態で風通しの悪い所に放置すると起こりやすいため、下記のことを心がけて育ててください。
- 水切れして、土の表面が乾いてから水を与えるようにする
- 風通し、日当たりの良い場所に植物を置くようにする
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
チューリップの栽培で気をつけたいポイント・育て方のコツ
害虫、病気に気をつけましょう
チューリップに限ったことではないですが、植物はハダニやアブラムシ幼虫が発生して寄生しやすいです。野外であればある程、発生し易いといえます。これらの虫が発生した時は、粘着テープで除去する、また殺虫剤などの薬剤で駆除、防虫する方法があります。どちらにせよ、早く対応するに越したことはないので、発見した時はすぐに駆除するようにしましょう。
多く発生している場合は、殺虫殺菌スプレーの「ベニカ」シリーズで害虫退治するのがおすすめです。(ホームセンターのガーデニング・園芸、ガーデニンググッズコーナーによく置かれています)
また、チューリップの特徴として、モザイク病(ウィルス病)、またかいよう病、褐色斑点病にかかりやすいです。モザイク病は、葉に濃淡のあるモザイク状のまだら模様が現れるのが特徴です。モザイク病っぽい現象が見られたら、伝染を防ぐため、すぐにその株を除去してください。
チューリップはこのような特徴があるため、基本的には、球根を翌年も使用することは、かなりの上級者でない限り、お勧めできません。翌年も使用することにチャレンジする場合は、花がら摘み(花弁が散る少し前に、花首のところで切り取ること)をして、球根の負担をできるだけ減らしてください。
その後乾燥させるのですが、乾燥させて再利用するのには、関東以西の暖地では相当に困難なので、その地域では花が終わったら球根を掘り上げて処分し、毎年新しい球根を購入することをおすすめします。
寒さに当てることで花がきれいに咲きます
チューリップは寒さに当てないと花芽が形成されず、花がきれいに咲きません。冬の間は屋外にしっかり置いて寒さに当ててください。この時注意するのは、水が切れないことです。土が乾いたら水を与えるようにしましょう。
球根を植えるときは、深さ10cmを目安に
球根を植えるときは、用土の表面から10cmほど(球根3球分)深くの穴を掘り、球根のとんがった頭が上になるように入れて、土を被せてください。頭から花茎が出てきます。間隔は、2~3球分にするのが一般的ですが、間隔を詰めて密植気味に植えた方が開花時に豪華に見えます。
用土は、市販の草花用培養土をベースに、腐葉土や牛ふん堆肥を混ぜると良いでしょう。また、花壇に植え付けるときは、日陰ではなく日当たりが良くて風通しのよい場所に植え付け光合成を促進させましょう。
チューリップの種類
早生種
3月下旬から4月にかけて開花する早咲きの種。草丈が低く、花壇、鉢植え向き。一重のほか、八重もある。グレイギー系、大きなカップの形をしたフォステリアナ系が有名。
中生種
4月上旬から中旬にかけて開花。花壇向きのメンデル系、花色が豊富で高性のトライアンフ系、巨大な輪のダーウィンハイブリッド系やヒラヒラとした花びらが特徴のパーロット系などが有名。
晩生種
4月下旬以降に開花する遅咲きの種。大輪で花形が端正なダーウィン系、花弁に絞りや縞の入るレンブラント系、花弁の先端が尖るユリ咲き系などが有名。
晩生八重咲き
草丈が高く、ボタンのような花形。
まとめ
チューリップはヒヤシンス、ムスカリ、スイセンと同じく球根の代表的な花で、赤色や紫、黄色、白、ピンク、オレンジ、といった様々な色、そして八重咲きのものなど種類も多く、花壇やプランターで鮮やかな花を咲かすことができたります。切り花も楽しめ、耐寒性に優れ、春先に美しく咲くことも魅力ですね。
また、パンジーなどと寄せ植えができる点も魅力的。さらにヒヤシンスと同様、水栽培にもチャレンジすることもできます。
花言葉は「愛」にちなんだものが多いチューリップ。しっかりと元肥ができて水を切らさなければ、芽を出し、つぼみになり、綺麗な花を咲かせます。是非、うまく育ててみてください。
植物別のおすすめ肥料
農家webには、植物別におすすめの肥料をまとめている記事がたくさんあります。ぜひ参考にしてみてください。
- アジサイ
- アンスリウム
- ガジュマル
- サンスベリア
- サボテン
- シマトネリコ
- シャコバサボテン
- シンビジウム
- バラ
- パキラ
- ビカクシダ
- プルメリア
- フィカス・ウンベラータ
- ペチュニア
- ポトス
- ポインセチア
- モンステラ
- 洋ラン
- 胡蝶蘭
- 睡蓮
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