ハートの形をした大きな葉と、独特の樹形が特徴で室内でも育てやすいフィカス・ウンベラータですが、肥料はいつどんな肥料を与えればよいのでしょうか。ここではフィカス・ウンベラータ栽培におすすめの肥料や与え方を中心に栽培のポイントについて説明します。
そもそもフィカス・ウンベラータに肥料は必要?
そもそもフィカス・ウンベラータに肥料は必要なのでしょうか。観葉植物や野菜や花に比べ肥料分はそれほど多く必要がありませんが、植えつけ時に肥料(元肥)がしっかり施されていればしばらくは追肥はしなくともある程度までは育つでしょう。
しかし鉢植えの場合は、土の容量が限られているので栽培しているうちに肥料分が不足することがあります。ウンベラータを大きく丈夫に育てたい、艶のある葉を育てたいのであれば、肥料は必要です。
フィカス・ウンベラータの肥料時期・与え方
肥料時期
植物は、その植物の生育期に肥料を与えることで生育を助けることができます。
フィカス・ウンベラータの生育期は春から秋。肥料時期は生育期の4月~10月までは肥料を切らさずに育てます。寒さに弱いウンベラータは冬は休眠します。休眠期に肥料を与えると、肥料を吸収することができず、最悪枯れてしまうこともあるので冬は肥料は与えてはいけません。
肥料の与え方(年間スケジュール)
- 春
新芽が出始めるなど、育成期であるこの時期は、2ヶ月に1度程度、緩効性・遅効性の固形肥料を施します。
鉢植えの場合は、土の上においてください。植え付けた後すぐで、元肥がしっかりなされている場合は、与える必要もありません。
- 夏
最もフィカス ウンベラータの生育が活発になる時期です。1〜2週に1度程度の頻度で液体肥料(液肥)を水やりの際に与えてください。
- 秋
初秋の暖かいうちは、夏と同じ頻度で追肥してください。最低気温が15°C前後まで下がってきたら(10〜11月頃)、液体肥料(液肥)をやる頻度を1ヶ月に1度程度の頻度に減らしてください。
- 冬
休眠期の冬場は肥料を与えないようにしてください。そして、できるだけ室内の中でも暖かい場所に映してください。耐寒性があるものの、日中は暖かく8°C以上を保血ち、しっかりと冬越しさせましょう。
フィカス・ウンベラータにおすすめの肥料とは
フィカス・ウンベラータには、三要素(チッソ、リン酸、カリウム)が均等に配合された肥料か、葉肥と呼ばれるチッソ分とが多く入った肥料が適しています。
粒剤や錠剤なら、ゆっくり効果の出る緩効性肥料を使いましょう。観葉植物用の肥料が便利です。液体肥料も使えますが、速効性のため水やりがわりに頻度を高く施す必要があります。
緩効性肥料を使い、生育が活発になる夏や肥料不足の時に液体肥料を併用するのがウンベラータにはおすすめです。
肥料の種類・成分・名前などの基礎知識を知りたいかたはこちらで詳しく説明しています。
フィカス・ウンベラータに使えるおすすめの緩効性肥料 3選!
プロミック 観葉植物用
プロミックは、ハイポネックスが販売する錠剤タイプの緩効性肥料です。追肥として使います。鉢の縁においておくだけで、水やりのたびに肥料分が流れ出て効果が2ヵ月続きます。プロミックにはいくつか種類がありますが、ウンベラータには観葉植物用がおすすめです。N-P-K=10-8-8とチッソ(N)が多く、化成肥料なので臭いなどの心配もありません。
マイガーデン 植物全般用
マイガーデンは、栄養分を効率よく吸収させるすぐれた腐植酸入り緩効性肥料として特許を取得しており、土の活力を高める効果もあります。元肥、追肥に使える粒剤で肥料効果が2~3か月続きます。
N-P-K=11-11-7と肥料成分が多く配合されていますが、樹脂コーディングのため、肥料が直接根に触れても肥料やけしないのが特長です。マイガーデンにはいくつか種類がありますが、ウンベラータには植物全般用がおすすめです。
花ごころ グリーンそだちEX IBのチカラ
花ごころの「IBのチカラ グリーンそだちEX」は、花にも野菜にも使用できる肥料です。N-P-K=10-10-10であり、バランス良く配合されています。花ごころは、バラや花に効く肥料を中心に様々な商品を販売しています。
IBとは、イソブチルアルデヒド縮合尿素(IBDU)を配合した肥料のことで、とてもゆっくり溶け、流れ出るため植物の根に優しく、肥料成分が無駄なく吸収される特性があります。無臭なので室内でも使え、肥料効果は1ヵ月続きます。
苗が小さいときには、根肥と呼ばれるカリも大切な成分なので、根をしっかり張らせたいときにはチッソとカリが同等に入っているこちらの肥料がおすすめ。
フィカス・ウンベラータにおすすめの液体肥料(液肥)3選
液体肥料とは液肥(えきひ)とも呼ばれ、液状になった肥料で、原液を水で希釈して使うタイプとそのまま使用するストレートタイプがあります。
液体肥料はほとんどが速効性の肥料のため、長く効果が続かないため、単体で使う場合は、1週間~10日ごとに水やり代わりに肥料を与えます。緩効性肥料と併用することもあります。
ハイポネックス専用液肥 観葉植物
ハイポネックスの液肥といえば、ハイポネックス原液が有名ですが、観葉植物用の専用肥料もあります。観葉植物用は、肥料成分がN-P-K=7-4-4でチッソ(N)が多く配合されています。
夏に緩効性肥料と併用する場合には、葉面散布も有効ですが、こちらの製品は葉面散布可能で、葉面からも吸収されやすい即効性のあるチッソを配合されています。
そのまま使える花工場 観葉植物用
そのまま使える花工場は、水で希釈する必要のないストレートタイプ。コストパフォーマンスがいいのは原液タイプですが、希釈の手間が必要ないのでキャップを空けて、そのまま与えるだけなので手軽で簡単です。N-P-K=0.2-0.1-0.2とチッソとカリが多く含まれているので、植え替え後などの株を強くしたいときにもおすすめです。
微粉ハイポネックス
微粉ハイポネックスは、水に溶かして液肥として使う粉状肥料です。肥料成分はN-P-K=6.5-6-19植物の株を丈夫にするカリ成分を多く含みます。植物に活力を与えて、強健な植物の生育に効果的です。カリは耐寒性を高める効果もあるため、秋の追肥にもおすすめです。水耕栽培にも使える肥料として有名です。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
肥料、水のやりすぎ
フィカス・ウンベラータは、野菜などとは異なり冬には肥料は必要なかったりと、比較的植物の中でも肥料を必要としません。このため、家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい肥料焼けを起こします。肥料やけを起こすと、植物が弱々しくなり、最悪枯れてしまいます。肥料過多には注意してください。
水が常に容器や底に満たされた状態、また水はけの悪い状態で、風通しの悪い所に放置すると起こりやすいため、下記のことを心がけて育ててください。
- 水分が切れて乾燥してからジョウロなどで水を与えるようにする
- 風通しの良い場所に植物を置くようにして用土が乾くようにする
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
フィカス・ウンベラータの栽培のポイント
フィカス・ウンベラータは日光が大好きです!
フィカスはもともと、熱帯アフリカで生育している、直射日光が大好きな樹です。日陰ではなく、出来るだけ陽が当たる日当たりの良い窓辺などを置き場にすることをおすすめします。(いきなり外に出して直射日光に突然当てると葉焼けする危険性があるので、まずは明るい窓辺においてください。)
しっかり剪定しましょう
フィカスは放っておくと、どんどん枝を伸ばして広がり、樹高も高くなってきます。特に肥料が多いと枝葉が伸びて、樹形がどんどん変わってしまいます。このため、しっかりと剪定(枝を切断すること)、手入れすることが大事です。剪定することで、幹が太くなり、より丈夫に育ちます。(フィカス ウンベラータはゴムノキの仲間なので切り口から白い樹液が出ます。)
剪定するときのポイントは、思っている以上にバッサリと切ることです。フィカスの生長力は高いので、切りすぎるくらいがちょうどいいでしょう。
挿し木でふやせます
フィカス ウンベラータは、挿し木や取り木で増やすことができます。時期は真夏を避けた4月~9月。生命力の強いウンベラータは、剪定した枝を使って、水挿しでも簡単に増やすことができます。
害虫に気をつけましょう
ウンベラータに限ったことではないですが、樹はカイガラムシやハダニ、幼虫が発生して寄生しやすいです。これらの虫が発生した時は、目視で確認できます。カイガラムシが付いた場合は、初期ならば水を強く吹きかける、それで洗い流すのが厳しいくらい多く発生している場合は、殺虫剤などの薬剤を使うか、思い切ってその部分を剪定しましょう。
ハダニやカイガラムシは水が苦手です。このため、霧吹きで葉っぱを乾燥させないのも効果的な予防です。特に冬場は室内が乾燥するので、生育の面でも霧吹きで水をかけてあげましょう。また葉っぱが白い粉がかかったようになるうどんこ病がみられる場合は、その葉っぱを取り除くようにしましょう。