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玉ねぎ

育ててみよう!タマネギ(玉ねぎ)の基礎知識と栽培方法の基本

栽培されているタマネギ 玉ねぎ

タマネギ(玉葱、玉ねぎ)は、生では独特の香りと辛味があり、熱を加えると甘みが増す野菜です。タマネギは世界中で栽培されるとてもポピュラーな栽培作物です。品種も多く、品種によって辛味が強いものから甘みが強いもの、色味の違いなどの特徴があります。

日本でも普段から食卓に並ぶとても人気な野菜です。生食ではサラダやマリネなどによく使われます。また、独特の香りを活用して肉や魚の臭みを消したり、加熱して甘みを引き出すなど多種多様な食べ方をされます。

タマネギは、英名で「Onion」と呼ばれ、アメリカ・ヨーロッパなどでもメジャーな野菜となっています。

この記事では一般的なタマネギを対象に、基礎知識や栽培方法の基本、重要事項、注意点などについて解説します。記事が長いため、目次を見て必要な部分から読み進めてください。

タマネギの基本知識

半分にカットされたタマネギ
作物名科目原産地育てやすさ種の価格
(円/1粒)
苗の価格
(円/1苗)
収穫までの日数
(目安)
栽培できる地域作型栽培方法土壌酸度
(pH)
連作障害発芽適温(地温)生育適温日当たり光飽和点
タマネギヒガンバナ科中央アジア☆☆★★★0.2円〜2円程度10円〜20円程度植え付け後、90日〜160日前後全国
春まき栽培
秋まき栽培(普通栽培)
露地栽培
プランター・鉢植え栽培
6.0〜7.0ほとんどなし20℃前後15℃〜25℃(品種による)日なた15〜25klx

タマネギは、ヒガンバナ科ネギ属の耐寒性のある一年生もしくは二年生の植物です。原産地は中央アジアとされており、日本では明治に入り札幌にて食用としての栽培がスタートしました。タマネギの栽培は日本の気候にも適していたことから、古くから人気のある栽培作物となっています。

タマネギ栽培のポイント

  • タマネギは、耐寒性があり冷涼な気候を好みます。
  • 暑さには弱いです。高温になると休眠状態に陥ってしまいます。
  • 寒冷地では越冬が困難であるため、主に春まき栽培が行われます。
  • 温暖地、暖地では主に涼しくなり始める秋から栽培を始めます(秋まき栽培)。
  • 土質の適応性が高いため、ある程度どの圃場でも育ちますが、土壌水分が多い粘土質の土壌のほうがよく生育します。
  • 乾燥に弱いため、乾きやすくて軽い火山灰土壌での生育はあまり適しません。
  • 土壌酸度については、酸性土壌に弱い作物であるため、アルカリ性資材による矯正が必要となります。
  • 連作障害はほとんど発生しません。そのため、狭い圃場の作付けでも重宝する作物です。
  • 春のトウ立ちを抑えるためには、苗作りが大事です。大苗で越冬してしまうと、トウ立ちの可能性が高くなります。品種によっても特性が異なるため、それぞれ適した時期に播種・育苗をしましょう。
  • タマネギの玉の大きさは、日長と温度が関係しています。長日条件になり気温が上昇すると肥大します。

知っておこう!タマネギの種類

タマネギを栽培する上で、どのような種類があるのかを知っておくことは重要なことです。タマネギにも多くの種類があり、栽培の時期や貯蔵の向き不向き、色味の違いなどがあります。ここでおさらいしておきましょう。

まず、タマネギは大別すると下記2種類に分けることができます。

  1. 辛味品種(黄タマネギなど)
  2. 甘み品種(赤タマネギなど)

日本で栽培されるものの多くは辛味品種であり、甘み品種は「湘南レッド」などの一部の品種のみとなります。

収穫された赤タマネギ

下記に日本で栽培される主な品種と特性についてまとめましたので、参考にしてください。


項目
黄タマネギ白タマネギ赤タマネギ(紫タマネギ)葉タマネギ
特徴最もポピュラーで薄皮が赤茶色の品種郡。早どり用の極早生種と早生種、貯蔵向きの中生種、中晩生種、晩生種などがある。新玉ねぎは極早生種、早生種を使い春に収穫し、いわゆる一般的なタマネギは中生種、中晩生種、晩生種の品種を使い秋冬に収穫する。
新玉ねぎは干して乾燥させないため保存性が悪いが、一般的な黄タマネギは収穫後1ヶ月程度風干しするため保存生が良い。
辛味を抑えて品種改良した極早生種、早生種の品種群。サラダ玉ねぎやサラダオニオンと呼ばれることがある。薄皮や表層が紅紫色になる品種群。「レッドオニオン」などと呼ばれることがある。黄タマネギなどの特有の香りや辛味を抑えているのが特徴である。サラダなど生食によく使われる。ちなみに紫色の成分はアントシアニンである。葉付きの若い状態収穫されたタマネギ。特別な品種群というわけではなく、極早生種の白タマネギを土寄せして茎葉を太くしたものである。黄タマネギの間引きしたものを葉タマネギとして出荷する場合もある。葉が枯れる前の春頃に葉付きで収穫する。乾燥しやすい砂質土壌でもよく栽培される。
主な品種【極早生種・早生種】
絹てまり、ネオポロン、スーパーリニア、トップゴールド320、ソニック、ソユーズ3号、ラムダ、北早生3号、オホーツク1号、オホーツク222 など

【中生種】
O・K黄、O・P黄、O・L黄、泉州黄玉ねぎ、ラピュタ、アトン、北もみじ2000、ターボ など

【中晩生種・晩生種】
新きぬ、ケルたま、吊り玉、もみじ3号、ネオアース、パワー、スーパー北もみじ2000、七宝甘70 など

【超極早生種・極早生種】
愛知白早生、サラダオニオン(サラダたまねぎ)、真白、スーパーこがね玉葱、スーパーリニア、マッハ、スーパーアップ、ホワイトベアー、貴錦、パールオニオン、シャルム、トップゴールド320 など
【極早生種・早生種】
ロゼたま、アーリーレッド など

【中生種】
愛知赤 など

【中晩生種・晩生種】
緋蔵っ子、くれない、湘南レッド、猩々赤、さらさらレッド、スターレッド など
【超極早生種・極早生種】
愛知白早生、スーパーこがね玉葱 など白玉ねぎの極早生種・超極早生種

タマネギ栽培のスケジュール

タマネギの栽培スケジュール
発芽適温生育適温
20℃前後15〜25℃(品種による)
タマネギの発芽適温と生育適温

各地域・品種ごとに合わせて考えたタマネギの栽培スケジュールです。前提として、露地栽培の場合は、外気温が発芽適温、生育適温に近い気温になる栽培スケジュールを選択して、栽培をしてください。また、栽培期間は長いですが、プランターでの栽培も比較的容易です。

一般地・暖地の場合は、秋に播種(種まき)をする秋まき栽培がおすすめです。秋まき栽培の場合は、9月〜10月頃の涼しくなり始めたときに種まきをすると良いでしょう。

タマネギ栽培の流れ・栽培方法

栽培されているタマネギ

タマネギ栽培の流れは、下記のようになります(一般地の露地・中晩生種の秋まき栽培の目安)。下記は、播種をして収穫まで栽培する流れとなっています。先述したように、地域によって気候などが変わりますので、そのときに合った栽培スケジュールを立てて、同じような流れで栽培してください。

タマネギ栽培の流れ

タマネギ栽培 苗床の土作り・畝立て(育苗する場合)

苗畑(苗床)の土作り

苗畑(苗床)の土作りは、遅くとも植え付けの20日以上前には行いましょう。苗床の土作りについて、大事な点は以下のとおりです。

  • 種まき(播種)をする前に、あらかじめ石灰質肥料(過リン酸石灰、苦土石灰など)と化成肥料を散布して耕す。
  • 耕うんするときは、深く耕すことを心がける。

苗を定植して本格的に栽培を実施する本圃(定植畑)は、別途土作り・畝立てが必要です。

苗床の土作りには、主に下記の肥料を使用します。

  • 化成肥料
  • 過リン酸石灰
  • 堆肥

下記にそれぞれの施用目安量の例を記載しますので参考にしてください。また、散布したあとは鍬(クワ)や耕運機などで深く(15cm〜20cm程度)耕してしっかりと馴染ませましょう。

肥料(全種類施用)施用目安量(1平方メートル当たり)
化成肥料60g程度
過リン酸石灰100g程度
堆肥2.5kg程度

グラムの目安は、下記を参考にしてください。

種類大さじ1杯小さじ1杯一握り
堆肥約100g
化成肥料約15g約5g約30g
苦土石灰約20g約8g約40g
油かす約20g約8g約40g
草木灰約30g

苗畑(苗床)の畝立て

施肥と耕うんが終わったら、畝を立てます。畝立てのポイントは、以下の2つです。

  • 畝の表面が平らになるように板切れなどで丁寧にならす。
  • 水はけの悪い土壌では、畝の中央部を少し高くすることで水はけを改善する。

畝の大きさなどは下記を参考に、育てやすい形にアレンジしてください。

畝幅畝間畝高条間(列間)株間
80cm100〜120cm10〜15cm7〜8cm程度1.5cm程度(間引き後)

畝立てが終わったら、種をまきましょう。

播種(種まき)・苗作り

タマネギの苗作りは、基本的に土耕(育苗畑)で行います。プランター栽培では、プランターに播種をしてそのまま収穫まで栽培することが多いです。

育苗畑で種まき・育苗

種まき(播種)

育苗畑での種まきの手順は、以下のとおりです。

  1. 土作り・畝立てが終わった育苗畑に、まき溝を作ります。まき溝は、先述した条間(列間)を参考に作ってみてください。
  2. まき溝を作ったら、その溝に合わせて5mm間隔で条播き(すじまき)します。
  3. まき終わったら、種が隠れるくらいに軽く覆土しましょう。
  4. たっぷりと水やりをしましょう。
  5. 乾燥や風雨を防ぐため、ワラ(稲わらなど)や新聞紙、不織布などのべた掛け資材で畝全体を覆いましょう。
  6. 1週間程度で発芽してきます。発芽するまでは乾燥に気をつけて、必要であれば水やりをしましょう。

乾燥を防ぐため、発芽するまで稲わらや寒冷紗などで覆ってあげるのも一つの手です。発芽したら、マルチ資材を取り除いてあげます。

間引き

発芽してきたら、2回に分けて間引きを行います。草丈が基準になってきたら、指定された株間(間引き後の株間)になるように間引きましょう。

間引き実施基準間引き後の株間
1回目草丈が7cm程度になったら1cm程度
2回目草丈が10cm程度になったら1.5cm程度

育苗管理

育苗期間中に土壌があまりにも乾いて葉がぐったりしているようであれば、水やりをしてあげてください。

追肥は、定植までに1回実施します。

実施基準施用目安量(1平方メートル当たり)
草丈が10cm程度になったら
もしくは2回目の間引き後
化成肥料30g程度
編集さん
編集さん

追肥と同時に条間(列間)を手鎌などでほぐしておくと、土壌中に空気が入り発根が良くなりますよ。

育苗中は加湿に注意しましょう。水やりは基本的に必要ありませんが、土壌の乾燥が酷く葉がしおれているようであれば適宜実施してください。

編集さん
編集さん

種まき・育苗をしなくても、苗を購入することでタマネギ栽培を手軽に始めることができます。家庭菜園などで手軽に楽しみたいという方にはおすすめです。今ではネット通販でも販売されているのでとても便利です。

プランター・鉢植えで栽培する場合

プランターでの播種・発芽

タマネギは、プランター・鉢植えでも栽培することができます。プランターは深さ15cm程度のものでも問題なく栽培することができます。プランター・鉢植えに種を直まきして、そのまま栽培する場合は下記を参考に播種・育苗をしてみてください。

  1. 野菜専用の培土2:堆肥1の割合で混ぜてプランターの上部2〜3cm程度のところまで敷き詰めます。
  2. まきやすくするために、軽くまき溝を作ります。一般的なサイズ(幅30cm程度)であれば、2列くらいが望ましいです。
  3. まき溝を作ったら、その溝に合わせて5mm間隔で条播き(すじまき)します。
  4. まき終わったら、5mm程度覆土しましょう。覆土のときには、周りの土を寄せるより培養土をさらにかぶせてあげるとやりやすいです。覆土をしたら、軽く手で鎮圧してやります。その後、水やりをしましょう。不織布や新聞紙、寒冷紗などの資材でその上を覆うと乾燥しづらくなるのでおすすめです。
  5. 1週間程度で発芽してきます。発芽するまでは乾燥に気をつけて、表面が乾燥しているようであれば、水やりをしましょう。発芽してきたら、不織布などべた掛け資材を外してやります。

プランターでの間引き・育苗

発芽してきたら、間引きを行いましょう。

間引き実施基準間引き後の株間
1回目発芽したら2cm程度
2回目草丈が10cm程度になったら5cm程度

育苗期間中に土壌があまりにも乾いて葉がぐったりしているようであれば、水やりをしてあげてください。

定植畑(本圃)の準備・植え付け

苗を移植する場合や、購入した苗を使用して栽培する場合、定植畑(本圃)の準備をして苗を植え付ける必要があります(育苗畑でそのまま栽培する場合やプランター・鉢植えで栽培する場合は、移植の必要はありません)。

定植畑の準備

育苗が進み、定植(植え付け)の時期が近づいてきたら定植畑の準備を始めましょう。定植の一週間前くらいから作業ができれば良いでしょう。定植畑の準備は、下記の3つの作業が必要です。

  1. 定植畑となる場所に苦土石灰を散布して耕す(定植20日以上前)
  2. 定植畑となる場所に過リン酸石灰、化成肥料、堆肥を散布して耕す(定植1週間以上前)
  3. 畝立てをする(定植前)

苦土石灰の散布(定植20日以上前)

定植の20日前ころになったら、定植する予定の場所に苦土石灰を散布します。土壌酸度(pH)を確認しながらの作業が望ましいですが、そこまでは難しいという方は下記の目安で散布してください。散布したら、軽く耕します。

肥料(全種類施用)施用目安量(1平方メートル当たり)
苦土石灰100g程度

元肥の散布(定植1週間以上前)

定植の1週間ころになったら、定植する予定の場所に過リン酸石灰と化成肥料、堆肥を散布します。散布したら、軽く耕します。

肥料(全種類施用)施用目安量(1平方メートル当たり)
過リン酸石灰50g程度
化成肥料80g程度
堆肥2kg程度

玉ねぎの肥料については、化成肥料の他にも有機肥料や一発肥料、玉ねぎ専用の肥料などがあります。肥料については、下記に詳しく説明していますのでこちらも参考にしてください。

畝立て(定植前)

タマネギを植え付けるための畝を立てます。畝の大きさ、形状は下記を参考にしてください。

畝幅畝間畝高条間(列間)株間
80cm100〜120cm10〜15cm15cm程度15cm程度

また、畝立てが終わったら、黒色のポリフィルム(黒マルチ)でマルチ張り(マルチング)をしましょう。マルチ張りをすると、地温・土壌水分が保ちやすくなります。また、雑草の防止、病害虫の防除にも効果的です。タマネギの場合は条間・株間の間隔が狭く、同じ畝に多くの苗を植え付ける必要があることから、初めから一定間隔で穴が空いている「穴開きの黒色ポリフィルム(黒マルチ)」がおすすめです。

マルチ張り(マルチング)

植え付け

定植畑の準備ができたら、苗を植え付けましょう。定植適期(植え付けに適している)苗の目安は、下記のとおりです。苗が育ってきたら、下記のポイントを確認して定植するか判断してください。

タマネギの定植適期の目安
  • 草丈が20〜25cm程度
  • 直径が4〜5mm程度(鉛筆より少し細い程度)

苗を植え付ける間隔は下記を参考にしてください。

畝幅畝間畝高条間(列間)株間
80cm100〜120cm10〜15cm15cm程度15cm程度

植え付け方はとても簡単です。手順は以下のとおりです。

  1. 植え付けする場所に、苗を置いていきます。
  2. 苗を持ち、指先で土壌に差し込んで浅く植え付けます。
  3. 苗の根本を安定させるために、株の周りの土を手で押さえます。このとき、苗の根と土壌がしっかりと密着するようにしてあげることが重要です。
編集さん
編集さん

植え付けるときに大事なことは「植え付けの深さ」です。植え付けの深さは、茎の白い部分が地上に出るようにしましょう。深植えをしてしまうと、その後の生長が悪くなり伸びてきません。

プランター・鉢植えの場合は?

鉢植え・プランターの場合は、元肥入りの野菜専用の培土を利用すると良いでしょう。下記の手順を参考に植え付けをしてみてください。

  1. 野菜専用の培土2:堆肥1の割合で混ぜてプランターの上部2〜3cm程度のところまで敷き詰めます。
  2. 地植えと同じように定植していきます。プランターの場合は、2列で株間15cm程度空けると良いでしょう。

タマネギ栽培の管理作業(手入れ作業)

タマネギ栽培の管理作業(手入れ作業)には、主に2つの作業があります。水やりは、露地の場合は基本的に不要です。

  1. 追肥(施肥)
  2. 除草・病害虫管理

追肥(施肥)

追肥は、栽培期間中に2回程度実施すると良いでしょう。但し、マルチングをしている場合は、雨による肥料の流亡も少ないため、タマネギの葉色を見て、回数や量を減らすのも良いでしょう。

マルチなしの場合

追肥実施時期施用目安量(1平方メートル当たり)
1回目定植後25日ころ(12月中下旬)化成肥料50g程度
2回目3月上旬ころ化成肥料50g程度

マルチングをしている場合

追肥実施時期施用目安量(1穴当たり)
1回目定植後25日ころ(12月中下旬)化成肥料1〜3g程度(ひとつまみ)
2回目3月上旬ころ化成肥料1〜3g程度(ひとつまみ)
春まきの場合は?

春まき栽培の場合は、元肥のみを基本とすることが多いです。もし追肥が必要であれば、以下の目安で追肥をしてみてください。

追肥実施時期施用目安量(1平方メートル当たり
1回目草丈20cm程度化成肥料50g程度
2回目1回目の20日後化成肥料50g程度

プランター・鉢植えの場合は?

プランターの場合も、畑と同じタイミングで化成肥料や油かすなどを軽く散布してあげます。また、液体肥料も有効ですが、固形の化成肥料などに比べて流亡もしやすいため肥効が長続きしませんのでご注意ください。

除草・病害虫管理

地植えの場合、放っておくと畝の周りに雑草が生い茂ってきます。雑草は、害虫生息の温床にもなるので、こまめに抜き取ることをおすすめします。ある程度面積がある場合は、中耕(畝間、列間を軽く耕す)しつつ雑草も除去してしまいましょう。また、畝の通路に防草シートを敷くことや農耕地用除草剤を使用することも有効です。

病害虫と聞くと少し怖いですよね。しかし、病害虫に対して適切に処理することでまん延を防ぐこともできます。「タマネギ栽培の生理障害・病害虫管理」に生理障害、病害虫の対処方法をまとめました。

害虫は、乾燥が続くとアザミウマネギアザミウマ、スリップス)やタネバエ、ネギコガが発生しやすくなります。また病害は、べと病、さび病が多く発生しやすいので、症状などと照らし合わせながら、薬剤散布など適切な対処を行いましょう。

編集さん
編集さん

葉面は、ろう物質に覆われていて薬剤がつきにくいので必ず展着剤を加えてから散布しましょう。私はどの作物でも、薬剤をまくときには基本的に展着剤を加えてから散布します。ただし、適用作物や適用農薬が限られているものもありますので、使用にあたってはラベルなどをよく読みましょう。

タマネギの収穫

収穫されたタマネギ

タマネギは、植え付け後、約160日程度で収穫することができます。収穫適期の目安は、全体の約8割くらいが倒伏した頃です。

収穫は、4〜5日程度晴れそうなときに行いましょう。根本から引き抜いて、葉付きのまま3日程度、畑に置いて乾燥させます。茎葉がある程度乾いたら、貯蔵に移ります。

雨が降ってしまいそうなときや降ってしまったときは、畑から引き上げて雨の当たらない場所で乾燥させましょう。

収穫・乾燥させたタマネギは、貯蔵します。貯蔵の方法は主に2つあります。スペースの都合などを考えて、ご自身に合わせた方法を選んでください。

  1. つるし貯蔵
  2. 網カゴなどを使った貯蔵

つるし貯蔵

葉付きのまま、数玉を束ねて風通しの良いところに干します。

編集さん
編集さん

私は、洗濯物の干しざおなどに吊るしたりしました。

網カゴなどを使った貯蔵

茎葉の部分をハサミなどで切除して、網カゴや収穫カゴに入れて保管します。風通しの良い、日陰に置いて貯蔵しておきます。

腐ったものも一緒に貯蔵すると、他のタマネギにも腐敗が伝染してしまいます。貯蔵するときは、定期的に底のタマネギまで見て、腐敗しているものがあったらすぐに取り除きましょう。

タマネギ栽培の生理障害・病害虫管理

タマネギを栽培していると、いろいろなトラブルが発生します。しかし、適切な対処方法を知っていれば慌てる必要はありません。代表的な生理障害と病害虫への対処方法を説明していますので、参考にしてください(準備中)。

主な害虫

主な病気

  • 萎縮病
  • 萎黄病
  • 軟腐病
  • 腐敗病
  • べと病
  • さび病
  • 小菌核病
  • 黒斑病
  • ボトリチス葉枯症
  • 白色疫病
  • 乾腐病
  • 灰色腐敗病
  • 黒腐菌核病
  • 炭疽病
  • 黒穂病
  • 立枯病
  • 紅色根腐病

主な生理障害

  • 皮むけ(光合成不足、収穫遅れ、長雨など)

執筆者・監修者情報
執筆者・監修者

農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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