農家にとって農産物の栽培方法を記録する農業日誌は、農産物の安全性を証明するためにJAや直売所に提出する以外にも、農業の経営改善に役立つツールです。ここでは農業日誌の効果的な書き方や使い方についてわかりやすく説明します。
農業日誌とは
農業日誌とは、農作業に関わる作業や肥料や農薬量などを記録するもので、栽培日誌、栽培記録などとも呼ばれます。
農業日誌は目的によって、記帳する項目は異なりますが、農作物を農協や直売所などに出荷する場合には、作物ごとに肥料・農薬の使用内容を正確に記録して提出する必要があります。また栽培から収穫までの記録や農薬・肥料の使用量などを蓄積、可視化することで、今後の栽培やノウハウなどに役立てることもできます。
農業日誌の書き方
農業日誌には、土づくりから播種、定植、肥料、農薬散布の日付などの他、施肥量、農薬散布量などを記載するのが基本です。来年の栽培に役立つようにするためには、自分が見返したときに何が重要か考えて記録することが大切です。
例えば発芽が難しい作物であれば、温度や水やりの量、天候などを細かく記載し、うまく発芽できたのはどのような状況だったのかわかれば、来年の栽培に役立ちます。
また農薬はローテーション散布も重要ですので、同じ農薬や同じ作用を持っている農薬は害虫が抵抗性をもつため、何をどれぐらい使ったか、どんな作用をもっている農薬なのか(RACコード)などを確認しておくとよいでしょう。
農業日誌は、ノートなどの紙やエクセルなどの他にも、最近ではスマホのアプリやPCソフトなどもあります。
かんたん栽培記録で農業日誌をはじめましょう
「かんたん栽培記録」はスマホやパソコンでクラウド上で簡単に無料で農業日誌が付けられます。エクセルはパソコンがないと使えませんが、かんたん栽培記録はスマートフォンで、タップしていくだけで農作物ごとに記録が付けられます。
しかもアプリではないので、ダウンロードも不要。メールアドレスとパスワードを設定するだけです。栽培記録を登録するアプリはたくさんありますが、自分の地域の予察情報が見れるのはこのソフトだけ。栽培する作物を登録する際に、「栽培地域」「栽培作物」を登録しておくと、その作物の地域の予察情報がマイページでいつでもみれます、またLINEで受け取ることもできるので、必要な防除対策を準備することができます。
この他にも防除暦がみれたり、農薬を選ぶと自動に希釈や散布量がわかる、害虫に対するおすすめの農薬、農薬の詳細やRACコードなどもわかるので、農家に役立つ機能がすべて無料で使えます。

農業日誌で経営改善するには
品質の向上や、生産性を上げる、効率的に多くの農作物をつくる、病害虫の被害を少なくするには、知識や経験、情報をうまく利用することが大切です。そのためにも農業日誌をつけて、分析することが経営改善につながります。
またどんな作物にどれだけのコストや作業がかかっているか見える化することで、利益率のよい作物を選んで作る指針となることもあります。