庭に生い茂る雑草。雑草対策、雑草除去を徹底して、来年の夏場こそは、草刈りや草むしりから解放されたいものですよね。
既に繁茂した雑草を除草するには、自力で草むしり、草刈りをするか、除草剤で枯らすか、またこれから生えてくる雑草を防除(抑える)するには、防草シート(除草シート)、植栽シートを敷いて生えなくする方法、レンガやコンクリート、防草砂で固めてしまう方法、そして、グラウンドカバープランツを植える方法があります。また自力を諦めて業者に庭の除草と防草を頼んでしまう方法があります。ここでは、雑草対策の全てを順番に徹底解説していきます。
既に雑草が生えている場合 ①除草剤による除草
おすすめの液体除草剤(茎葉処理剤)
商品名 | ラウンドアップマックスロード | サンフーロン | ネコソギロングシャワーV8 | アースカマイラズ | カダン 除草王 ザッソージエース | タッチダウンiQ | サンダーボルト007 | グリホエース | アイリスオーヤマ 除草剤 速効除草剤 | 早く効いて根まで枯らす除草剤 | バスタ液剤 | ザクサ液剤 |
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概要 | ||||||||||||
販売元 | 日産化学(株) | 大成農材(株) | レインボー薬品(株) | アース製薬(株) | フマキラー(株) | シンジェンタジャパン(株) | 日本農薬(株) | (株)ハート | アイリスオーヤマ | トムソンコーポレーション(株) | BASFジャパン(株) | 明治製菓ファルマ(株) |
有効成分 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートカリウム塩 | グリホサートカリウム塩 | グリホサート ピラフルフェンエチル | グリホサートイソプロピルアミン塩 | グリホサートカリウム塩 + MCPA | グリホサートイソプロピルアミン塩 + MCPA | グルホシネート | グルホシネートPナトリウム塩 |
農耕地使用 | ○ | ○ | ✖️ | ✖️ | ほぼ✖️ | ○ | ○ | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ○ | ○ |
葉茎処理剤は主に液体の除草剤であり、商品によっては、原液を希釈して薄めて使用する必要があるものと、希釈せずにそのままシャワーヘッド(ジョウロヘッド)等が付属し、噴霧器などを使わずとも、すぐに使用できる液剤があります。
おすすめの粒状除草剤(土壌処理剤)
商品名 | カダン除草王 | ネコソギパワー粒剤 (ネコソギトップW) | ネコソギエースV(粒状) | クサノンEX粒剤 |
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概要 | ||||
販売元 | フマキラー(株) | レインボー薬品(株) | レインボー薬品(株) | 住友化学園芸(株) |
有効成分 | カルブチレート | アミカルバゾン ブロマシル | ヘキサジノン DBN、DCMU | ターバシル フルミオキサジン |
農耕地使用 | ✖️ | ✖️ | ✖️ | ✖️ |
使用場所別 除草剤の種類と使い方
除草剤を庭のどこで使用する予定ですか?どんな草木も徹底的に除草する場合は問題ないですが、芝生を残しつつ、それ以外の雑草を除草したい場合や花壇の宿根草、花や生垣、植木など、使いたいシチュエーションもそれぞれだと思います。
芝生に生えてくる雑草を除草剤で駆除したい場合
庭の芝生の間に生えてくる雑草。芝生があるため、草刈・草取りも大変、上手く芝生を維持して、雑草だけを退治したいものです。
そんな時にお勧めしたいのが芝専用の除草剤。選択性除草剤で、芝をキープしてそれ以外の雑草を枯らしてくれる優れものです。具体的には下記のような商品があります。
下記では、上記除草剤のそれぞれの詳細な特徴をはじめ、芝の除草に限らず、エアレーションや目土といった、芝のメンテナンス、手入れについても詳細に解説していますので、是非ご覧になってください。
下記では、除草に塩やお湯はどうなのかについて説明していますので、ご参考ください。(結論から言いますと、除草に塩は使ってはいけません)
既に雑草が生えている場合 ②除草道具による除草
鎌(カマ)に代表される草を刈る道具、また三角ホーなど、草を抜く雑草処理に便利な道具がたくさんあります。さらに草刈り機、刈払い機やアタッチメントなど電動やエンジン式の草刈り、草取りなど雑草処理を圧倒的に効率化させる除草機械もあります。除草道具で人力で除草をする場合は、下記で詳しく説明していますので、雑草処理にお役立てください。
https://www.noukaweb.com/using-herbicide/
刈り取ったり、引き抜いた後の雑草処理はどうすればいいの?
雑草処理の適切な手順は以下になります。しっかり除草、防草するために参考にしてみてください。
- 刈り取った、引き抜いた雑草をしっかり日干しし、乾燥させます。(ブルーシートやアスファルト、道路脇に置くと効果的です) 乾燥させないまま土中に入れると、復活する雑草がいるためです。
- 乾燥した雑草を、土に穴を掘り土中に埋めるか、またはゴミ袋に入れて燃やすゴミとして処分します。土に埋めた場合、土に還り堆肥になります。
除草後の防草 ①防草シート(除草シート)の敷設
雑草や草を生えないようにするため、土面に設置する防草シート。繁茂した雑草をシートで覆って押さえ、太陽光の熱で枯らしてしまう除草シート、マルチングシートもありますが、一般的には、雑草を抑え、マルチングするシートを、防草シートや除草シートと呼んでいます。防草シートは除草に大変役立つツールです。
防草シートの種類と機能
防草シート(除草シート)は、日光を遮る(遮光)ことで、植物に光合成を行えないように抑制します。この結果、植物は炭水化物を生成できなくなり、生長しなくなります。しかし、防草シートの種類によって遮光率や耐用年数、水はけ、透水性(雨水で水たまりが出来やすいかどうか)も違ってきますし、使い方によって経年劣化の速度も変化します。
下記では、防草シートの機能やおすすめの防草シートをはじめとして、防草シートを敷き詰めて隙間をゼロにし効果を最大にする養生テープ、ピンなどの資材もご紹介しています。是非ご一読ください。
商品名 | ||||
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1㎡(平方メートル) 当たり単価 | 約400円 | 約600円 | 約200円弱 | 約330円 |
遮光率 | 99.7% | 99.7% | 96.7% | 99.9% |
不織布かどうか | 不織布 | 不織布 | 不織布 | 不織布 |
透水性 | ○ | ○ | ○ | ○ |
性質 | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン | ポリプロピレン |
耐久性 | ◎ | ○ | ○ | ○ |
防草シート砂利、バークチップ、ウッド チップ、人工芝と組み合わせてパワーアップ!
市販されている防草シートは、最大手のプランテックス(旧名称 ザバーン)はじめ、全ての防草シートは、むき出しで使用していると、日光の紫外線で徐々に劣化していきます。またむき出しのままだと、見た目も殺風景です。
劣化を防ぎ耐久性を高めるために、防草シートを下地にして、玉砂利や砕石、石、バークチップ・ウッドチップや人工芝を敷いて紫外線をカットする方法があります。またシートの目隠しにもなり、景観、色合いも綺麗になります。高機能な防草シートだと、この方法で格段に耐久性が高まり、半永久的に雑草の繁茂を防ぐことができます。
除草後の防草 ②レンガ、タイル、コンクリート、防草砂
また、防草砂という、雑草が地面から生えてくるのを防ぐために作られた砂もあります。砂にセメントを混ぜて、固まることで物理的に下から雑草を生えてこないようにする「固まる防草砂」というものが主流です。またそれに似ているもので、コンクリートで舗装して雑草を生えなくしてしまう方法、またレンガを敷き詰めてしまう方法も同じです。
固まる防草砂の施工は混ぜ方などで硬度が変わったり、スコップなどで平らに整地するには難しく、溝の設置も難しく、結果、庭の排水性を損ねてしまって蚊、虫が大量発生するリスクもあります。慣れていないとDIYで行うのは難しいかもしれません。コンクリート、レンガ、タイルについても同様です。施工経験がない方はエクステリア外構業者に頼むことをおすすめします。
除草後の防草 ③芝生などのグランドカバープランツ
除草後、防草シートを張って、人工の芝を敷くことの他に、芝生やヒメイワダレソウ、クラビアを植えたりするなど、自生するグランドカバープランツ(地面、地表を覆うために植栽する植物)、低木、植木を植え付け覆うことで緑化し、景観を美しく保つ方法があります。この場合は、植栽シートをうまく活用したり、グランドカバーの手入れが必要になってきます。植栽シートと芝、ヒメイワダレソウなどのカバープランツの組み合わせは非常に色合いも美しいので、チャレンジする価値があります。どんなグランドカバープランツがいいかは、植え付ける場所が日陰なのか、日当たりがいいのかなどで異なってきますので、場所に応じて選んでください。
業者に頼んで除草、防草、庭づくりしてもらう
除草剤を撒いたり、雑草処理、落ち葉処理、また防草シート、敷石を設置することは時間と労力がかかる重労働です。自力で除草できる範囲や、雑草の状態であれば大丈夫ですが、広範囲で既に雑草が繁茂している状態かつ、至急除草したい場合などは、思い切って業者に頼んだ方がいいでしょう。
また庭木の剪定や芝生の刈り込み、フェンス、塀、デッキの設置、外壁のメンテナンス、庭づくりなども造園、エクステリア外構業者に依頼することもできます。コストは面積に応じるパターンが多いです。
下記では簡単に草刈り業者の見積もりが取れますので、業者に頼む場合はご活用ください。
まとめ
庭の雑草を除草、防除し、DIY、リフォームのための選択肢を確認し、理想とする庭作りの一助になれば幸いです。
また斜面、傾斜地の場合の雑草対策の記事もありますので、必要のある方はご参考ください。
除草剤についての補足
除草剤とは?
除草剤を買おうと思ってホームセンターの除草剤コーナーに行っても、液剤、粒剤など種類がありすぎて、また除草剤は使い方を間違えると危険な感じもして、どう使えばいいのか、途方に暮れたりしませんか?
除草剤とは、植物を枯らす効果を持つ薬剤の総称です。その種類は、液体だったり、固形の細粒、粒状だったり、またどんな効果で植物を枯らすのか、効きめの持続力もまちまちです。ここではまず、除草剤の種類と特性に合わせた効果的な使い方、そして具体的に販売されている除草剤がどれに該当するのか、徹底解説します。
発芽抑制する「土壌処理剤」か、茎葉処理する「茎葉処理剤」か
「土壌処理剤」と「茎葉処理剤」 特徴と見分け方
まず、除草剤の大きなタイプ分けとして、土表面に散布して雑草の発芽を抑制したり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らしてしまう「茎葉処理剤」の2パターンがあります。また、この両方の効果を持つタイプもあって、「茎葉兼土壌処理剤」と呼ばれるものもあります。
「土壌処理剤」は、土壌に成分が残り、雑草の発芽成長を妨げる発芽抑制効果があるなど、茎葉処理のものより多くの植物を除去することができます。しかしながら、草丈20〜30cm以上草が生長、生育している場合は、効き目が弱く、効果を出すためには、草をある程度刈る必要があり、その後での散布が必要になってきます。
「茎葉処理剤」は、散布された薬剤に接触した部分の植物組織だけを枯らします。このタイプの薬剤は種類を限定して効果を発揮することができる選択的除草剤が多くあります。実際に除草剤を手にとっても、明確に「土壌処理剤」なのか「茎葉処理剤」なのかわからないケースがありますが、そんな時は、「土壌散布」と書かれているものは、「土壌処理剤」、「茎葉散布」と書かれているものは「茎葉処理剤」と判定してもらって間違いありません。
「土壌処理剤」と「茎葉処理剤」 使う時期は違うの?
「土壌処理剤」を使用する時期は、雑草が発生する前や、まだ生え揃っていない耕耘後、または播種(定植)前後になります。既に大きくなってしまった雑草や、塊根、塊茎から出ている雑草を枯らすことは期待できません。
対して、「茎葉処理剤」は、雑草が発生して育っている時期に使用します。
葉や茎にしっかりかかると効果が出るため、あまりにも雑草が繁茂していると、全てにしっかり除草剤がかからず、残ってしまうこともあります。このため、どちらしても、雑草が茂る前に対策することが重要です。それぞれ使用する時期が異なるので、上手く使い分けることが重要です。
対雑草別 除草剤の種類と使い方
特に困っている雑草はありませんか?
雑草と一言で言っても、メヒシバ、オヒシバ、スズメノカタビラ、ブタクサ、ツユクサ、ハコベなど一年生雑草といわれる一般的な雑草、下草から、セイタカアワダチソウ、ヨモギ、スギナ、カタバミといった多年生広葉雑草、ススキ、チガヤといった多年生イネ科雑草、ヤブガラシのような多年生つる植物、ササ類など、様々な雑草が存在します。ここでは、地下茎、根を地中に張り巡らす、特にしつこい厄介な難防除雑草の個別攻略法を記載しました。
スギナに困っている方
スギナは多年草の中でも、非常に広く深く地下茎を張り、一部の地下茎からでもどんどん生長する高い繁殖力、また草刈りなどで衝撃を与えると、辺り一面に胞子、種子を撒き散らして繁殖を促すという面でも、最も厄介な雑草と言えるかもしれません。その地下茎の張り巡らし方を指して「地獄草」とも呼ばれるほど、退治しにくい、しつこい難防除雑草の代表格としての側面も持っています。下記では、最も厄介な雑草スギナを、どうやって駆除し、防除していくのか、おすすめの除草剤を中心に説明していきます。
ドクダミに困っている方
ドクダミは多年草で、ちぎれた、一部の地下茎からでも繁殖するため、ほかの雑草が生えなくなるくらい高い繁殖力を持っています。放置しておくと一面ドクダミだらけになるほどです。また強い臭気があることと、地下茎を伸ばして地中に根びこってしまうため、退治しにくい、しつこい難防除雑草の代表格としての側面も持っています。下記では、難防除雑草ドクダミを、どうやって駆除し、防除していくのか、おすすめの除草剤を中心に説明していきます。
竹(タケ)や笹(ササ)に困っている方
竹や笹はその強い成長力から、農耕地等、望まれない場所で生長すると、非常に厄介な雑草となります。その成長力から周りの樹木の光合成を阻害したり、マルチを敷いても簡単に突き破り、恐ろしい速度で地下茎を伸ばし広げていきます。下記では、竹や笹を、どうやって駆除し、防除していくのか、様々なシチュエーション(農耕地、山林、庭や空き地)を考慮しながら、説明してきます。
苔(コケ、ゼニゴケ)に困っている方
苔は地面に張り付いて生えるため、手で草取りしたり、撤去するのは大変困難です。下記では、苔の除草の仕方を詳しく説明しています。