ハイビスカスは水栽培での水挿しで増やすことができます。ここでは、水挿しで増やすハイビスカスの方法や成功率を上げるポイント、鉢上げの方法など初心者の人でもわかりやすく説明します。
ハイビスカスの特徴と挿し木の時期
ハイビスカスの基礎知識
ハイビスカスは鮮やかな花色の大きな花が特徴的な熱帯植物です。ハイビスカスの園芸品種は1万種類以上もありますが、大きく3つに分けられます。
耐寒性があり、丈夫で育てやすい「オールドタイプ」、耐暑性が強く、寒さは苦手で、花が小さく垂れ下がったように咲く「コーラルタイプ」、大輪で花色が変化に富みますが栽培が難しい「ハワイアンタイプ」で、挿し木で増やせるのは「オールドタイプ」と「コーラルタイプ」です。
春から秋が生育期で、夏のイメージが強いハイビスカスですが開花期は5月~10月。熱帯の植物ですので暖かく日の当たる場所を好みます。耐寒性は弱いので基本的には鉢植えにして、冬は室内で冬越しをして育てます。
学名 | Hibiscus |
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属名 | アオイ科フヨウ属 |
原産地 | ハワイ諸島、モーリシャス島 |
樹高 | 500cm~2m |
耐寒性等 | 耐寒性 弱い 耐暑性 普通 |
花言葉 | 「新しい恋」「繊細な美しさ」「信頼」 |
水挿しの時期
植え替えや剪定、さし木などは植物の生育期に行うのが基本です。ハイビスカスの生育期は5月~9月ごろ。さし木は生育初期の方が成功率が上がるため、5月から7月が適期です。冬は剪定された親株も成長が止まるため、ダメージがおおきいので避けましょう。
ハイビスカスの挿し木の手順(水栽培)
さし木の選び方と準備
挿し木は、枝の部分を使ってさし芽にします。さし木にする枝は、古く木質化した枝は発根しにくいので日当たりの良い場所で育った枝で、元気な充実した枝を選びましょう。
枝は、節が3節~4節ほどついている状態で、10㎝程度に切り分けます。一番上部の葉を2枚だけ残し、下の葉は切り取ります。残した葉からの蒸散を防ぐため、上部の葉が大きければ、半分から3分の1残して切り取ります。花芽がついているようなら切り取りましょう。
切り口はカッターやナイフなどで、斜めにスパッと切り落とします。反対側からも切り返しておきます。
準備するもの
上記の挿し穂が準備できたら、挿し木を始めましょう。手軽に家にあるものでできます。発根促進剤は絶対必要ではないですが、あると格段に成功率があがります。
- ハイビスカスの挿し穂
- 容器(枝が倒れない高さのもの。花瓶やペットボトルなどでも可)
- 水道水
- メネデール or ミリオンA
手順
- 容器に水(水道水)を入れます。メネデールを使う場合は100倍に希釈した水を使います。ミリオンAを使う場合は、底が見えなくなるぐらい入れます。
- ハイビスカスの挿し穂を入れます。
- 発芽するまで3~4日に1回に水は変えましょう。(ミリオンAを使っている場合は、水が減ってきたら足しましょう)
- 明るい日陰で室内で管理しましょう。3週間~1か月程度で新しい根っこが生えてきます。
- 根が十分に発根したら、鉢上げして育てましょう。
発根促進剤について
生育期であれば水だけでも発根しますが、発根を早くしたり太く元気な根を促進させるために、発根促進剤も有効です。
植物活力素 メネデールは、発根だけでなく発根時以外の水栽培で元気がなくなったときなどにも使えます。液肥でも農薬でもないためいつでも使うことができます。最初の水挿しのときにメネデールをいれる。また水を交換するときには、発根まで2~3日に一度メネデールを薄めた水を使うとよいでしょう。
また水挿しのときには、ミリオンAもおすすめです。ミリオンAは、水耕栽培に根腐れ防止剤として使われますが、水挿しの時にも有効です。水や切り口が腐りにくくなるため水の交換が少なくてすみます。発根率をよくするためには実は水の交換は少ない方がよいのですが、暖かい時期は水が傷みやすいた交換が必要なので、ミリオンAをつかうことで、発根率も上げることができます。
成功のポイントまとめ
- さし木の時期は、5月~7月
- さし木にする枝は、日当たりの良い場所で育った、元気な枝を使う。
- 切り口はスパッと切って、切り口を大きくする。
- ミリオンAや発根促進剤を使う。
- 直射日光には当てない。
鉢上げ(土への植え替え)
根がしっかり伸びてきたら、鉢上げして土に植え替えましょう。根は水や栄養を取るために伸びて生長します。しかし水栽培の場合は根が水に直接ついているため水や栄養を取りやすいので、根が発達しにくくなります。冬の休眠期に入る前9月上旬までには、鉢上げをしたほうがよいでしょう。
また水で育った根は、うまく土から水を吸い上げられないことがあります。植え替えてすぐは水は切らさずに、乾燥したら葉水で水を与えましょう。
準備するもの
- 発根したハイビスカス
- ポットや鉢(4号鉢程度のもの)
- 用土(赤玉土7・腐葉土3などの配合土)
- 鉢底石
手順
- 鉢の底に鉢底石を入れ、培養土を鉢の3分の1程度入れます。
- ハイビスカスの苗をいれ、根を広げます
- 2の上から用土を入れて、最後に鉢底をトントンと打ち付けてならしましょう。
- 水を鉢底から出るまで与えます。
- 肥料は根付くまで与えません。冬に入ったら肥料は不要なので来年の春から与えましょう。
ハイビスカスの用土について
ハイビスカスは、水持ちがよく水はけのよい用土を選びます。市販の鉢植え用の観葉植物の土や、ハイビスカス用の培養土などもあります。自分で配合する場合は赤玉土小粒7・腐葉土3などの配合がよいでしょう。
まとめ
南国ムードあふれるハイビスカス、日本では育てやすいオールドタイプが一番多く出回っています。冬に剪定をした枝を使って挿し木をする人もいますが、温度管理が難しいので梅雨頃に水挿しでふやすのがおすすめです。
成功率は比較的高いハイビスカスの水挿しですが、時期や枝の選び方、置き場所などのポイントを押さえて成功率をUPさせましょう。すべての挿し木がうまくいくとは限らないため、複数挿し穂をつくってチャレンジしましょう。