ルッコラやレタスなどの葉物野菜は、家にあるペットボトルをつかって簡単に育てることができます。ここでは種まき、リボベジから始めるペットボトルとスポンジをつかったルッコラの水耕栽培について、手順や育て方についてわかりやすく説明します。
ルッコラの水耕栽培のポイント
水耕栽培とは、土を使わず培養液(肥料分を含んだ水)で、野菜や草木を栽培する方法です。土の変わりにハイドロボールやゼオライトなどの培土を使った栽培も水耕栽培の一種でハイドロカルチャーと呼ばれます。水耕栽培で育てる場合には、土から栄養をとれないため水耕栽培で使える液体肥料を使って育てる必要があります。
葉物野菜は水耕栽培に向いており、リーフレタスやベビーリーフ、小松菜などの葉物野菜や、大葉、クレソン、ミント、イタリアンパセリ、バジルなどのハーブ類はすこしづつ収穫して楽しめるので、水耕栽培に向いています。収穫時期も短く、栽培が容易なルッコラも水耕栽培に向いたハーブといえます
ルッコラの水耕栽培は、播種(タネまき)から始めるのが一般的です。新鮮な種であれば発芽率もよく、種まきから収穫まで1か月ほど。間引いた苗もベビーリーフとして食することもできます。
またスーパーで売っているルッコラは根が付いているものも多いので、葉の部分を食べた後残った根を使って、水耕栽培で、再生栽培(リボベジ)をすることも可能です。
種から始めるルッコラの水耕栽培の手順
ルッコラの水耕栽培は、播種(タネまき)から始めます。家にあるペットボトルとキッチンスポンジをつかって簡単に栽培することができます。
ルッコラやレタスなどの葉物を水耕栽培で育てるには、手間なく多く収穫できるハイドロボールとスポンジで栽培するのもおすすめです。ハイドロボールをつかった栽培方法はこちらで詳しく説明しています。
種まきの時期
ルッコラの発芽温度は15℃~20℃。露地栽培であれば4月~6月の春まき、9月~10月の秋まきが種まきの時期です。
水耕栽培は室内でも育てられます。室内で育てる場合には、発芽温度が保てるのであればいつでも大丈夫です。ただし暑さに弱いので、真夏は温度があがらないように直射日光に当てずに涼しい場所で管理する必要があります。
準備するもの
- ルッコラの種
- スポンジ(キッチン用のスポンジでOK 。メラニンスポンジは不可。やわらかめがおすすめ)
- 水
- ラップもしくはティッシュペーパー
- 竹串(爪楊枝でも可)
- 500mlのペットボトル
- 水耕栽培用の肥料
- カッターもしくはハサミ
手順
- 手順1ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。キャップは、外しておきます。
- 手順2スポンジの準備
スポンジを、2㎝~3㎝程度に四角にカットし、十字に切り込みを入れます。
- 手順3種まき
飲み口を逆さにしたペットボトルに、スポンジをセットします
スポンジに水を十分含ませて、切込みに竹串などを使って、種を3~4粒差し込みます。あまり深く押し込まないようにします。
- 手順4ペットボトルにセットして発芽を待つ
切り取ったペットボトルの下部に水をいれ、手順3でスポンジをセットしたペットボトルをセットします。上からラップをして、爪楊枝で数か所穴を空けます。
直射日光のあたらない、暖かい場所で管理します。スポンジが乾かないように、水を足して発芽を待ちましょう。3日~5日程度で発芽します。
- 手順5育苗
発芽したら、日当たりの良い場所へ移しましょう。根が伸びてきたら、ペットボトルの水の量を減らし、根の半分程度が水に浸るようにします。水は毎日取り換えます。
1つのスポンジから複数の芽が出て場合は、一番大きな苗を残して間引きしましょう。もったいなからといって残しておくと大きく生長しません。
- 手順6肥料を与える
ペットボトルの飲み口の部分から根がでるぐらいに成長したら、肥料を与えて育てます。濃度は、使用する肥料によって異なりますので、肥料のラベルをよく読んで適合する濃度に薄めると良いでしょう。まだ、苗が小さいときにはそのさらに半分程度の濃度で栽培すると安心です。
培養液(肥料をいれた水)は3日1度は交換しましょう。
編集さん光があたるとペットボトルには、藻が発生しやすくなります。アルミホイルやペットボトルカバーなどでカバーしましょう。根が伸びやすくなる効果もあります。
- 手順7収穫する
種まきから30日~40日程度、草丈が15㎝ほどなったら収穫の時期です。株元から5㎝ほど残して収穫すると再生して、また収穫を楽しめます。
ルッコラの水耕栽培の育て方
ルッコラの基礎知識
ルッコラは地中海沿岸が原産のイタリア野菜。カルシウムやカロテン、ビタミンCなどが豊富で栄養が高く、花も食べることができます。ルッコラはイタリア語でイギリスやフランスではロケット、英語ではアルグラと呼ばれます。和名はキバナスズシロです。
ルッコラは、耐寒性はありますが暑さがあまり得意ではありません。露地栽培での種まきは春まきか秋まきで栽培します。生育が早いので種をまいてから1か月ほどで収穫できます。栽培は簡単で、露地栽培、プランター栽培、水耕栽培で育てることができます。
学名 | Eruca sativa |
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属名 | アブラナ科キバナスズシロ属(エルーカ属) |
原産地 | 地中海沿岸 |
発芽温度 | 15℃~20℃ |
生育適温 | 15℃~20℃ |
耐寒性等 | 耐寒性 強い 耐暑性 やや弱い |
置き場所・環境・水やり
ルッコラは日の当たる風通しの良い場所を好みます。日の当たらない場所で育てると、ひょろひょろと細い茎が伸びてしまう徒長が起きてしまいます。芽がでたらすぐに、日の当たる場所で育てましょう。
室内で育てる場合も、日当たりの良い窓辺で育てましょう。ただし暑さには弱いので、夏は半日陰で育てます。また収穫近くになってから、半日陰にして育てると、やわらかく辛味の少ないルッコラになります。好みにより置き場所を調整しましょう。
水は3日に一度、最低でも1週間に1度はすべて交換しましょう。苗が大きくなると水を吸収するので水切れには注意が必要です。
肥料
水耕栽培でルッコラを育てる場合には、水だけでは育ちません。肥料が必要です。水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。
水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。
家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。苗が小さいころは、パッケージの濃度より薄めて使います。
下記のページに水耕栽培用の肥料についてまとめておりますので、参考にしてください。
ルッコラの水栽培 リボベジ(再生栽培)
リボベジはリボーンベジタブルの略で、野菜の再生栽培です。ルッコラはリボベジしやすい野菜で、根元を水に浸けて、毎日水替えをするだけで肥料がなくとも収穫できてしまいます。
しかし水位を間違えると、根元が腐って再生できないこともあります。ここでは、ペットボトルをつかったルッコラの水栽培について手順を説明します。
ルッコラの選び方と準備
選び方
ルッコラをスーパーで買う時には根元をチェックしてみてください。一番簡単なのは、水耕栽培で育ったルッコラです。根元にスポンジがついているものであればそのまま育てることができます。
スポンジがない場合には、できるだけ根がついているものがあればそちらを選びましょう。しかし大抵は根は切られていますが、少し根元が残っています。その状態でも、リボベジは可能です。根元の部分が白くきれいなものを選びましょう。
ルッコラの準備
ルッコラは、根元から3㎝ほど残してカットします。そのとき株の間に新芽がでていたら、そこはカットしないでそのまま成長させます。ルッコラはカットした茎からは新芽は生えません。茎と茎の間から新芽がでてきて成長します。せっかく育っている小さな新芽は傷んでいないようならそのまま成長させましょう。
準備するもの
- 根元からカットしたルッコラ
- ペットボトル(350mlか500ml)
- スポンジ(必要があれば)
- 水耕栽培の肥料(なくても可)
- カッター、ハサミなど
リボベジの水栽培の手順
- 手順1ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。さらに上部の口の部分をカットします。
- 手順2ルッコラをペットボトルにセット
ペットボトルの下に水と水耕栽培用の肥料をいれます。(リボベジの場合は肥料はなくても育ちますが、入れると成長が促進され、数回収穫が可能になります)
ペットボトルの上部を逆さにし、口の部分から、根元の部分がでるようにして、ペットボトルの下の部分にセットします。水位は根元が水に浸かる程度です。
ペットボトルから落ちてしまう、もしくは苗が大きい場合は口の部分を大きく切り取り、苗の根元に中央に切り目を入れたスポンジを挟んで調整することができます。
- 手順3栽培&収穫
水は3日に1度は替えましょう。半日陰でも育ちますが、できれば窓際の明るい場所で管理すると元気に育ちます。
気温が高いと水が濁りやすくなります。水が濁ったら交換します。日に当てると藻が発生しやすいので、ペットボトルの下の部分をアルミホイル等でカバーをすると、藻が生えにくくなります。
まとめ
ルッコラは、日光に当てて大きく育てると緑色が濃く、味も濃くなります。サラダなどに使う場合は、ベビーリーフとして半日陰で育てた柔らかい葉を使うのもよいでしょう。また新芽を食べるルッコラスプラウトも栄養価が高くおすすめです。
水耕栽培は、土も使わないのでベランダや窓際で、部屋を汚すことなくハーブや野菜、観葉植物などを育てることができます。室内であれば、気温調整も簡単で害虫などが付きにくいなどのメリットもあります。
容器もタッパーやペットボトルや、牛乳パック、豆腐パックなど家にあるものも使えますし、ハイドロボールや種、スポンジなども100均でそろうので手軽に始めやすいのも魅力です。
家庭菜園などの畑や、プランターでルッコラを育てたい場合には、土耕栽培の記事もあります。
その他の水耕栽培のコンテンツ
ハーブの水耕栽培はルッコラの他に、アロマティカス、イタリアンパセリ、大葉(しそ)、クレソン、ディル、パクチー、バジル、三つ葉、ミント、ラベンダー、ローズマリーの育て方の記事があります。下記の記事から、それぞれのコンテンツにアクセスすることができます。
ハーブの他にも、収穫して楽しめるレタスやニンニクなどの野菜の他に、ポトスやパキラなどの観葉植物、サボテンやエケベリア、ハオルチアなどの多肉植物、ヒヤシンスやチューリップなどの球根の水耕栽培の記事もあります。
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