難雑草の代名詞、スギナには、市販の除草剤がなかなか効かない場合あります。除草剤が思ったように効かず、枯れない場合の対応策を紹介します。
展着剤で除草剤の効果を高める
展着剤とは、界面活性剤や接着剤となるパラフィンや樹脂酸エステルを有効成分としたもので、薬剤の付着性や浸達性を高めたり、溶けにくい水和剤や乳剤などの混用性を高めて、農薬の効果のムラを減らす働きをしてくれます。
展着剤は、使う農薬に合わせて選ぶのが大切です。グリホサート系には、「サーファクタントWK、30」という除草剤に機能性展着剤(アジュバンド)などが使えます。
また展着剤ではないですが、肥料の尿素も、農薬に混ぜると農薬の効果を高めるといわれています。尿素を入れることで、除草剤に速効性が出て枯れ始めが迅速になり、また希釈濃度を薄くしてもしっかり効果が出るので、効果にムラが出にくくなります。
防草シートを敷く
スギナを繁殖させない方法として、防草シートはかなり有効です。しっかりと地上部のスギナを刈ったり、取り除いた後、その場所に防草シートを貼ることが可能であれば、非常に有効な防除になります。防草シート(除草シート)は、光をほぼ遮光することで、植物に光合成を行えないように抑制するものです。シートの上に砂利などを敷けると、シートの耐久性もアップして長く持ちます。
防草シートについては、ザバーンなど優れたシートを下記に詳しく説明していますので、是非参考にしてください。ホームセンターのガーデニング・資材コーナーに行くのもおすすめです。
葉茎処理剤は複数回散布する
スギナにグリホサート系の除草剤をまくのは、スギナが生長してきて背丈が15㎝~30㎝ほどになったころですが、すべてのスギナが同時に生長するわけではなりません。1回目の散布から10日ほどたってから、まだ緑色のスギナが残っていたらそこに再度噴霧器やジョウロを使って散布します。
ただし、除草剤の散布回数は作物や適用場所によって決められていますので、ラベルにかかれた散布回数以上は散布しないようにしてください。
生育初期に土壌処理剤で防除する
秋から冬になると、スギナの地上部は衰退し枯れたように見えますが、冬には地表面で越冬しようとするつくしが見れます。これはまだスギナが完全に枯死せずに生きて冬越しし、春を待っています。生育期にしっかり除草したつもりでも、スギナにしっかり除草剤がかからなかった、またはかかっても根まで枯らすほどの十分な薬液ではなかった場合などが原因です。
そこで生育初期に土壌処理剤を散布しましょう。スギナの防除に最適なもので、駆除した後の春先などにしっかり撒けば、スギナが新しく生えてくることを長期間防ぐことができます。しかしスギナに効果のある土壌処理剤は、ほとんどが非農耕地用の非選択性です。他の植物も生えてきませんので、散布場所には注意が必要です。