庭植えや鉢植えで育てることができる南天(ナンテン)ですが、肥料はいつ、どのように与えたらよいのでしょうか。ここでは南天(ナンテン)に適した肥料の与え方を中心に栽培のポイントについても説明します。
南天(ナンテン)に肥料を与える時期とやり方
それでは南天(ナンテン)の肥料の与え方について、地植えと鉢植えの基本的なやり方について説明します。南天はあまり肥料がなくとも育つので肥料過多にならないように気をつけましょう。
肥料を与える時期
庭植え(地植え)の肥料を与える時期は、12月~2月頃と9月で、鉢植えでは2~3月と9月が基本です。
肥料の与え方(地植え)
寒肥(元肥)
寒肥とは、冬の休眠期の庭木や果樹に与える肥料で、12月下旬~2月頃に行います。元肥(もとひ・もとごえ)ともいわれることもあります。樹木が目を覚ます前に寒肥を与えることにより、元気な新芽がでてきます。
1年のうちで最も大切な肥料で、寒肥がしっかり施肥できれば追肥が不要なこともあります。またこの時期に有機肥料を施すと、有機質の肥料は冬の間に分解され、春の芽吹きのころにゆっくりと効果を発揮します。肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施し、春先の成長に備えて、土に栄養分を与えるとともに、土壌改良の効果も期待できます。
有機肥料を根元から少し離したところに置き、軽く土をかぶせるとよいでしょう。量は各製品のラベルに準拠しますが、おおむね一掴み程度が目安です。
追肥
株が生育する9月にも追肥を行いましょう。ゆっくりと効果がつづく緩効性肥料を、株の周りにまいて土と軽く混ぜておきます。実付きをよくするためリン酸とカリが多い肥料を与えるとよいでしょう。
肥料の与え方(鉢植え)
鉢植えの場合は、実が終わった後の2月~3月と株が充実する9月に与えます。
鉢植えの場合には、臭いが気になる人は化成肥料か、臭いが少ない有機入りの化成肥料がおすすめです。ゆっくり効果のでる緩効性肥料を使いましょう。株元にばらまくか、プランター用の置き肥も便利です。
葉色が薄くなったり葉が大きくならない場合は肥料不足の可能性があるので、その場合は速効性の液体肥料を与えて様子をみてみましょう。
南天(ナンテン)におすすめの肥料
地植えでは、有機肥料がおすすめです。有機質肥料はゆっくりと効果がでて、土壌改良効果があるため、排出性・保水性・通気性のよい土壌を作ることができます。肥料の三要素(チッソ、リン、カリウム)以外にも生育に必要な成分(動物由来のアミノ酸など)が含まれていることもあります。
鉢植えでは、有機肥料は動植物性由来の原料を使用しているので、臭いがきになるものもあります。鉢植えなどには、臭いを軽減処理された庭木や花木の肥料などの有機配合肥料もおすすめです。
肥料の種類や特徴、おすすめの製品については下記の記事で詳しく説明しています。
実つきが悪いのは肥料のせい?
実つきが悪いのは、窒素分が多くなり葉や茎が大きくなりすぎて起こることもありますが、肥料のせいだけとは限りません。
南天(ナンテン)は、梅雨時期に花が咲きます。花が雨にあたり花が落ちたり、受粉がうまくいかないこともあるため、梅雨時期は鉢植えなどは雨のあたらない場所で管理しましょう。また日照不足や根詰まり、剪定時期を間違えると実つきが悪くなることもあります。株の様子をみて判断しましょう。
南天(ナンテン)栽培のポイント
南天(ナンテン)の基礎知識
学名 | Nandina domestica |
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属名 | メギ科ナンテン属 |
原産地 | 日本、中国、東南アジア |
樹高・草丈 | 1.5~3m |
耐寒性等 | 耐寒性:やや強い 耐暑性:普通 |
花言葉 | 「福をなす」「良い家庭」「不運を払う」 |
南天(ナンテン)は常緑広葉低木で、秋から冬に球状の赤い果実をつけます。晩春から初夏に白い花を咲かせますが、秋からの紅葉と冬の赤い実が観賞として人気です。日本では縁起木として、庭木や鉢植え、盆栽として古くから人気があります。
耐寒性も強いほうなので、関東地方以西のであれば地植えも可能です。西日の当たらない半日陰を好みます。鉢植えであれば明るい場所で管理すれば、室内でも育てられ丈夫で育てやすい植物です。
栽培環境
日当たりが良い場所を好みますが、強い光は苦手なので西日の当たらない日なたから半日陰で管理しましょう。真夏の光や西日が当たる場所に地植えする場合は、よしずや寒冷紗などで調整しましょう。
耐寒性も耐暑性もある程度あるので、北海道以外では地植えも可能です。
水やり
地植えは基本的に不要です。鉢植えの場合は、用土の表面が乾いたら、鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。
南天は乾燥に弱いので、特に夏は水切れに注意します。水切れをおこすとカイガラムシなどの害虫が発生しやすくなるため、夏には朝晩の葉水も有効です。
植え替え
鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐため2年~3年に1度植え替えが必要です。適期は3月~4月、一回り大きな鉢に植え替えます。
用土は特に選びませんが、元肥入りの果樹や花木の培養土が便利です。自分で配合する場合は、赤玉土小粒7:腐葉土3の割合で混ぜた土に緩効性肥料を入れて使いましょう。
剪定
剪定の適期は3~4月です。ほとんど必要ありませんが、枯れた枝や混みあった枝を間引きするように剪定すると、新梢が伸びてきます。背丈が高くなりすぎた場合は、高くなった幹を剪定して整理しましょう。
病害虫
夏に乾燥すると、夏から秋にかけてカイガラムシが発生しやすくなります。カイガラムシはすす病を発生させることもあるため、見つけたら歯ブラシなどで、早めに取り除いておきましょう。