万年青(オモト)は日本原産の植物で日本の気候にあっているため初心者の人でも育てやすい植物ですが、肥料の与え方には注意が必要です。ここでは万年青に適した肥料の与え方を中心に、栽培のポイントについても説明します。
そもそも万年青(オモト)に肥料は必要?
肥料は植物の生育に必要な成分を補うために使われますが、植物によってその必要な肥料の成分や量は変わります。
では万年青には肥料は必要なのでしょうか。答えは多くは必要ないが、生育のために肥料は必要です。万年青は葉の変化や葉色を楽しむ観葉植物で、鉢植えで育てるのが一般的です。鉢植えの作物は、土の容量が限られているので生育するうちに、生長に必要な肥料粉が不足しがちです。
しかし、万年青は生育がゆっくりで、根が傷みやすい繊細な植物のため、肥料を一般的な植物のように与えると肥料過多になり、肥料やけを起こし最悪枯れてしまうこともあります。
万年青栽培では、ゆっくり効果のでる肥料を、少量を少しづつ与えるのがポイントです。
万年青への肥料の時期・与え方
肥料時期
万年青の肥料時期の基本は、2月、4月、9月の3回です。
春の芽生えの頃の肥料や一度に与えると肥料過多になりやすいため、2月と4月に分けて与えます。その後は肥料は与えす、涼しくなった9月に肥料を与えましょう。冬は休眠期のため肥料は不要です。
肥料の種類
万年青には、ゆっくり効果のでる緩効性肥料が適しています。万年青は昔から有機肥料で育てられてきたので、油かすを主体にした有機質の配合肥料がおすすめです。ペレット状や粒状に加工してあるので臭いが少ないもの多くあります。
万年青におすすめの肥料の種類の詳細や商品についてはこちらで詳しく解説しています。
肥料の与え方
2月と4月に分けて緩効性肥料を与えます。固形油粕肥料であれば2月に1~2粒、4月に2~3粒施します。油粕固形肥料は、上に置いておくだけでも使えますが軽く土に埋め込んでおくと、カビの防止にもつながり土壌改良効果もあります。
9月の追肥にも同様に緩効性肥料を与えましょう。固形油粕肥料なら1~2粒程度です。液体肥料を与える場合には、通常の3倍ほど薄めて使います。
万年青(オモト)栽培のポイント
万年青(オモト)の基礎知識
万年青(オモト)はキジカクシ科の多年草で、日本原産で寒冷地以外では日本に自生しており日本の環境にあった植物です。江戸時代に徳川家康が江戸城入城の時に家臣からおくられた植物として有名で、その後徳川家が栄えたことから縁起のよい植物として、引越し祝いにも人気があります。
江戸時代から庶民の間で人気に火がつき、日本で独自の品種改良がおこなわれた伝統植物で、生長とともに変化する葉の変化(葉芸)や葉色を楽しむ観葉植物として人気があります。鉢植えで育てるのが一般的ですが、寒さには比較的強く寒冷地以外では地植えも可能です。剪定などの手間もいらず、初心者の人でも育てやすい植物です。
学名 | Rohdea japonica |
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属名 | キジカクシ科オモト属 |
原産地 | 日本、中国 |
樹高 | ~50cm |
耐寒性等 | 耐寒性 強い 耐暑性 普通 |
花言葉 | 「長寿」「長命」「永遠の繁栄」「母性の愛」 |
ムラサキオモトは、名前にオモトが入っていますが万年青の品種ではないので栽培方法が異なるので注意しましょう。
栽培環境
万年青は、日光は好みますが強い光が苦手。風通しのよい明るい日陰で管理しましょう。夏に直射日光に当てると葉焼けを起こすので、注意が必要です。
暑さ寒さにも比較的強いですが、寒冷地などでは凍らないように防寒して冬越しをしましょう。最近の日本の夏は万年青にも暑すぎるので、外で管理する場合は、コンクリートなどに直接置かず風通しの良い軒下などで管理しましょう。
水やり
水やりは、春と秋はよく水を吸収します。土の表面が乾いたら鉢底から水がでるまでたっぷり与えます。夏と冬は生育が弱まるため控えめにします。土の表面が乾いてから2~3日たってから与えましょう。
植え替え
植え替えは1年~2年に1度行います。適期は3月~4月、10月~11月です。
古い根を整理してから、1周り大きな鉢に新しい土で植え替えましょう。鉢を大きくしたくない場合は、根を切り詰めるか株分けをして植えつけます。
増やし方
万年青は株分けで増やすことができます。適期は3月~4月、10月~11月です。
子株から根が出ていることが確認できたら、同時に切り分けて新しい土に植え替えます。植え替えと同時に行うとよいでしょう。