カランコエには花を楽しむ鉢花としてのカランコエと葉を楽しむ多肉植物としてのカランコエがあります。ここでは、花を楽しむカランコエの栽培に必要な肥料の時期や与え方を中心に、カランコエの育て方について説明します。
カランコエの肥料時期と与え方
肥料の時期
カランコエの生育適温は18~23℃で、春から秋にかけて生育し、冬に花を咲かせます。肥料は生育期に合わせて与えます。肥料は5月~6月と9月~10月に与えます。真夏と開花が始まったら肥料は不要です。
カランコエ(鉢花)の季節ごとの肥料の与え方
- 春
- 夏夏の肥料やり
夏には過湿になり、根腐れが起きやすいため7月~8月は肥料は与えません。
- 秋秋の肥料やり
9月~10月は、春と同様に緩効性肥料を施すか、液体肥料を2週間に1度肥料を与えます。
- 冬冬の肥料やり
開花の時期です。開花したら肥料は不要です。開花まではリンの多い液肥や活力剤を与えてもよいでしょう。
カランコエにおすすめの肥料
多肉植物のカランコエは肥料やけしやすいので、ゆっくりと効果の出る緩効性肥料がおすすめです。追肥には、速効性の液体肥料を水やりがわりにつかってもよいでしょう。
秋から開花前までに与える肥料は、リン酸(P)の多い液肥がおすすめです。
カランコエにおすすめの緩効性肥料
カランコエの植え替えや春の肥料には、緩効性肥料とよばれるゆっくり効果の出る肥料を使います。花用の肥料や多肉植物用の粒状の化成肥料がおすすめです。
元肥には、1年間効果の続くハイポネックスのマグアンプK中粒や、マイガーデン元肥用がおすすめです。多肉植物用の肥料は元肥にも追肥にも使えるものが多くあります。
液体肥料
液体肥料とは、液肥(えきひ)とも呼ばれ、液状になった液体の肥料のことを言います。カランコエの秋の追肥に向いています。冬の開花のためには、リン酸(P)の多い肥料がおすすめです。
ハイポネックス原液は肥料成分がN-P-K=6-10-5、住友化学園芸の花工場原液の肥料成分はN-P-K=8-10-5とリン酸が多い液体肥料です。ハイポネックスには殺虫剤入りの肥料もあり、アブラムシなどの対策にも効果があります。原液タイプは水に希釈して水やり代わりに与えます。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
肥料のやりすぎ
一般的には、花に家庭菜園のようなペースで肥料をやると、やりすぎになってしまい、窒素過多になるとつるぼけし、また肥料焼けを起こします。肥料やけを起こすと、植物が弱々しくなり、最悪枯れてしまいます。肥料のやり過ぎにはくれぐれも注意してください。
同じく、水をやりすぎて根が腐って草花を枯らしてしまったり、根詰まり、またカビが生えたりしてしまうことがあります。水はけが悪い用土や、水が常に鉢などの容器に満たされた状態で風通しの悪い所に放置すると起こりやすいため、下記のことを心がけて育ててください。
- 水切れして、土の表面が乾いてから水を与えるようにする
- 風通し、日当たりの良い場所に植物を置くようにする
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
その他 カランコエの栽培で気をつけたいポイント
栽培環境
多肉植物は、もともと乾燥した地域に自生しているので、日当たりの良い風通しのよいところが大好きです。基本は春から秋の生育期はベランダや庭などの屋外で管理します。室内で育てる場合もなるべく窓辺など日の当たる場所で管理しましょう。日照不足になると、ひょろひょろと葉や茎が伸びる徒長をおこしやすくなります。
冬は多肉植物の中でも寒さに弱い植物なので、10℃以下になったら室内の暖かい場所で管理しましょう。低温になると花芽がつきません。またカランコエは日が短くなると花芽をつける短日植物です。室内の蛍光灯やベランダの街頭の光が当たらないように、秋以降の夜は段ボールなどを被せておくとよいでしょう。
水やり
多肉植物は、生育期には、水をたっぷりジョウロで与え、休眠期には断水気味に育てるため葉水で与えます。多肉植物の水やりはメリハリが大切です。水をたっぷり与えた後は乾燥するまで与えないこと。水の与えすぎは多肉植物は根腐れの原因になるので気をつけましょう。
鉢花のカランコエは、夏と冬は乾かし気味に育てます。夏は水やりの時間にも注意して気温の低い朝か夕方に与えましょう。
植えつけ、植え替え
購入した鉢がビニールポットであったり、自分の好みの鉢に代えたいときには、植え替えをします。また生育に合わせて、1年~2年に一度は植え替えが必要です。
時期は、生育期初期の5月~6月。9月でも行えます。植え替えた後に生育する期間が長いと株が土に根付きやすいので失敗がすくなくなります。購入した時期が生育期以外で、植え替えを行いたい場合は、根を崩さず用土だけ追加して新しい鉢に植え替える鉢増しをしましょう。
ふやし方
カランコエは、挿し芽で増やすのが一般的です。子株で増やせる品種もあります。挿し木は水栽培でも行えます。
水栽培での増やし方は水耕栽培の記事で説明していますので、参考にしてください。
用土
市販のサボテン・多肉植物用の培養土が手軽で便利です。元肥入りであれば、肥料を施す必要もありません。
多肉植物は休眠を伴うものが多く、休眠中の多肉植物は、根もほとんど給水しないので、根腐れを防ぐために鉢土を完全に乾燥させる必要があります。カランコエは乾燥した地域が原産地ですので一番重要なことは、通気性(水はけ)がよいこと、それとある程度の保水性があるものがよいでしょう。
害虫に気をつけましょう
風通しが悪いと、うどんこ病に低温時には、灰色かび病にかかりやすくなります。害虫(アブラムシ、カイガラムシ)の排せつ物につく菌によって引き起こされるすす病などにかかることもあります。予防としては、風通しの良い場所で育てる、冬はなるべく暖かい場所で管理しましょう。
カイガラムシ・ハダニ・アブラムシ・アザミウマ、ネジラミなどの害虫が発生する恐れがあります。それぞれの害虫によって対応は異なりますが、見つけたら早めに歯ブラシなどでこそげとるか、水流で取り除いてあげましょう。殺虫剤なども有効です。
多く発生している場合は、殺虫殺菌スプレーの「ベニカ」シリーズで害虫退治するのがおすすめです。(ホームセンターのガーデニング・園芸、ガーデニンググッズコーナーによく置かれています)