梨にはいつ、どんな肥料を与えたらよいのでしょうか。ここでは梨栽培に必要な肥料について、肥料を与える時期に適した肥料や与え方について説明します。
梨(ナシ)栽培に適した肥料とは
梨の肥料の頻度は、「基肥(元肥)」、「追肥」、「礼肥」の年間3回施肥を行うことを基本とします。その時期にあった肥料を適切に与えることが大切です。
基肥(元肥)は休眠期に与える肥料で、1年の基礎となる肥料です。梨は地植えはもちろん、鉢植えの場合も、土壌から養分を吸収して成長します。そのため土壌環境を整えることがとても重要です。このため、元肥には土壌改良効果もあり、ゆっくり効果のでる有機肥料が適しています。
果実が大きくなる頃に与える追肥には速効性の化成肥料を、収穫後のお礼肥には緩効性肥料が適しています。
梨(なし)の肥料 時期と与え方
それでは梨の肥料はいつどのように与えればよいのでしょうか。
元肥(基肥)
1年間の生育のために必要な養分の大半を施す大切な肥料です。適期は11月~2月です。冬に行う肥料なので寒肥とも呼ばれます。この頃に有機質肥料を施すと、ゆっくりと効果がでて春の根が伸びるころに肥料効果が表れます。
基肥は、農家などでは全面施肥でも行われますが、樹木が1~2本であれば、樹幹を中心に輪を描くように深さ20cm程度の溝を掘り、肥料を与える「輪状施肥」がおすすめです。輪にするのが大変な場合には、樹冠に沿うようにいくつかの穴をあけ、肥料を与える「壺状施肥」でもよいでしょう。
掘り起こした土と、有機肥料などの緩効性肥料を混ぜて穴に埋めて施肥します。
追肥
春に施した肥料が吸収されて、肥料の成分が弱まる時期に追肥を行いましょう。果実の肥大が大きくなる頃に施します。適期は5月~6月です。
追肥には効果が早く効く化成肥料がよいでしょう。窒素、りん酸、カリウムが同等に含まれている肥料がよいでしょう。樹高の周りにばら撒いて、土と軽く混ぜておきます。
礼肥(追肥)
果実をつけて弱っている木に、収穫の後のお礼として礼肥(追肥)を施します。来年の収穫のためにも大切な肥料です。
礼肥は、基肥(元肥)と同様に、樹幹を中心に輪を描くように深さ20cm程度の溝を掘り、肥料を与える「輪状施肥」か、数か所に穴をあけて施す「壺状施肥」で行います。掘り起こした土と、有機肥料などの緩効性肥料を混ぜて穴に埋めて施肥します。
梨におすすめの肥料
元肥や礼肥には有機肥料がおすすめです。有機肥料には油かすや鶏糞、米ぬか等がありますが、鶏ふんは土壌Phが上がりすぎてしまったり、食味に影響がある恐れがあるので気をつけましょう。
油かすは、リン酸やカリ分が少ない場合があるので骨粉などと一緒に使うとよいでしょう。すでに配合されている肥料もあります。生の米ぬかは扱いがむずかしいため、ぼかし肥料などを使うとよいでしょう。
果樹専用の肥料は、有機配合肥料が多く速効性と緩効性を持ち合わせているものが多いので、おすすめです。
この他にもプランターなどでは、置くだけの錠剤肥料や、化成肥料も使えます。おすすめの肥料や商品についてはこちら詳しく説明しています。