大豆栽培では、摘心(摘芯)作業を行うことで、莢つきがよくなり多収穫が見込めます。ここでは大豆の摘芯(摘心)の方法について、タイミングや摘芯(摘心)の場所、やり方についてイラストを使ってわかりやすく説明します。
大豆の摘芯について
摘芯(てきしん)とは、茎や枝の最先端の芽を摘む作業で、ピンチとも呼ばれます。摘芯をすることでわき芽を増やしたり、生長を止めたりすることができます。
大豆栽培では、摘芯をすることで、わき芽が増え、莢の数が増えるので収穫量の増加が見込めます。また摘芯することで、草丈を抑えることもできるため倒伏を防ぐ効果もあります。
大豆の摘芯の方法
摘芯のタイミング
大豆の摘芯のタイミングは、本葉が5~6枚(5~6節)展開したころ、頂芽を摘芯します。機械で摘芯する場合は、開花するまで大豆7~11葉期が適期です。
摘芯の手順
本葉5枚残して、先端から5cmほどの部分をを摘芯します。摘芯は手でひねり取るか、ハサミでカットします。剪定ハサミでカットする場合には必ず消毒をしましょう。一番下に生えている双葉、その上の初生葉は本葉の数には数えません。(イラスト参照)
剪定ハサミを使用する場合は、病原菌の伝染には十分に注意しましょう。気になるようであれば、一回ごとに消毒(エタノールや次亜塩素酸カルシウム、第三リン酸ナトリウムなど)を使用すると良いでしょう。
薬液を入れることで自動消毒ができるハサミもあります。プロ農家はこれらを使用することも多いです。
大豆の栽培について
大豆の基礎知識
大豆は、畑の肉といわれるほどタンパク質が豊富で、そのまま食べるだけでなくしょう油や、豆腐、味噌の原料として和食には欠かせない野菜です。大豆の未熟な莢を収穫したのが枝豆で、家庭菜園でも人気があります。
大豆の栽培時期は、春から初夏に種をまいて、秋から冬に収穫します。発芽温度が28〜30℃と高めなので、気温が低いと発芽しにくいため、十分暖かくなってから種をまきましょう。適期は6月~7月です。タネまきから収穫までは約4か月ほどです。
作物名 | ダイズ |
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科目 | マメ科ダイズ属 |
原産地 | 中国 |
発芽適温(地温) | 28〜30℃ |
生育適温 | 20〜30℃ |
土壌酸度(pH) | 6.0〜6.5 |
育てやすさ | 普通 |
摘芯が遅れた場合
畑に行く暇がなくて、摘心をするタイミングが遅れてしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。大豆の摘芯は必須の作業ではありません。本葉8枚頃であれば、その時点で摘芯をしてもいいですが、花が咲いてしまっているようであれば、摘芯は不要です。そのまま育てましょう。
肥料の上げすぎに注意
大豆などのマメ類は、根粒菌と共生しているのでその働きにより窒素分をを供給されます。そのため少ない肥料でも育つことができます。通常と同様に窒素を与えると、枝葉ばかりが茂ってしまい、莢が付かない、実がつかない「つるぼけ」が発生する恐れがあります。
肥料の与えすぎには注意しましょう。肥料の与え方については詳しい記事があるのでそちらを参考にしてください