つる性の植物の中には、摘芯(摘心)をすることで、収穫量を増やせる植物も多いですが、つるなしインゲンには摘芯(摘心)や摘葉は必要なのでしょうか。ここでは、つるなしインゲンの摘芯(摘心)や必要性や、摘芯や摘葉のやり方について説明します。
つるなしインゲンに摘芯は必要か
摘芯(てきしん)とは、茎や枝の最先端の芽を摘む作業で、ピンチとも呼ばれます。摘芯をすることでわき芽を増やしたり、生長を止めたりすることができます。
そもそもつるなしインゲンには摘芯は必要なのでしょうか。答えは、基本的には必要がありません。つるなしインゲンは、元々側枝(わき芽)の発達が盛んなため、摘芯をしてわい芽を増やす必要はありません。
つるなしインゲンでも、畑が肥沃で肥料をたくさん与えた場合などには、つるが伸びることがあります。その場合には、伸びてきた蔓の先端を切り取る摘芯をすることで、つるの生長を止めることができます。
つるありインゲンは、摘芯することで草丈を押さえることができます。つるありインゲンの摘芯についてはこちらを参考にしてください。
つるなしインゲンの摘葉について
つるなしインゲンは、側枝の発達が盛んなため、開花期のころには1株の葉数がかなり多くなり葉が重なり、内部に光が届かない状況になります。
インゲンは光が不足すると、蕾が落ちて開花数が減るため収穫量が減ってしまいます。そのため摘葉をして、古い葉や混みあった葉を摘みとることることは、農家だけでなく家庭菜園でもぜひ行ってほしい作業です。
摘葉のタイミング
摘葉のタイミングは、開花の頃に1度。その後は収穫が始まるころから、収穫と同時期に行うとよいでしょう。
摘葉のやり方
開花の頃の摘葉は、混みあって株の内部に光が当たらなくなっている上位葉を選んで摘芯します。インゲンの本葉は3枚の子葉から成り立っているので、そのうちの1枚を摘みとるよいでしょう。1株あたり4~5枚が目安です。
収穫が始まってからは、黄色くなった古い葉や下葉を摘みとりましょう。病気の葉などがあればもちろんそれも摘葉します。インゲンの葉は20日頃が光合成のピークで、50日ほどたつとほとんど行われなくなるため古い葉を摘葉しても収穫に影響はありません。しかし取りすぎると株が弱くなるので注意しましょう。
インゲンの栽培について
インゲン(インゲンマメ)の栽培時期は、春に種をまいて、夏ごろに収穫します。発芽適温が23~25℃と寒さには強くないので、直まきの場合には遅霜の恐れがなくなってからタネをまきましょう。つるなし種は、つるあり種より暑さに弱く25℃以上になると花が落ちやすくなるので、夏の高温期に開花時期がかぶらないように種をまきましょう。
つるなし種は種まきから開花まで30~40日、収穫まで40~50日ほどで収穫期間は2週間程度です。つるあり種は種まきから開花が35~45日、収穫は65~70日でその後1か月程度収穫できます。
つるあり種は栽培期間が長く、つるが長く伸びるため支柱を立てる必要がありますが、つるなし種は収穫まで短く、支柱を立てる手間も不要なので栽培が簡単なため、家庭菜園でも人気があります。
マメ科のインゲンは、根に根粒菌がついて窒素を発生させるため、通常の野菜のように肥料を与えると実つきが悪くなることもあります。肥料の与え方については詳しい記事があるのでそちらも参考にしてください。