イセキ(井関)グループは、日本を代表する農業機械専業メーカーです。「農家を過酷な労働から解放したい」という想いから創業され、ヰセキ式籾すり機および自動選別機を皮切りに数々の農機具を世に送り出しています。
この記事では、イセキ(井関)グループが販売する耕運機について俯瞰して紹介します。
イセキ耕運機の種類(特長・価格・使い方)
イセキ耕運機には多くの製品がありますが、「ミニ耕運機」、「耕運機」、「家庭菜園用管理機」「管理機」、「乗用管理機」の5つに分類して整理すると理解しやすいです。
ミニ耕運機
家庭菜園から中規模圃場くらいまでの使用を想定した耕運機です。ミニ耕運機については、井関農機株式会社が取り扱う製品、その子会社である株式会社ISEKIアグリが取り扱う製品の2つのパターンがあります。大まかには、井関農機は系列の販売会社を中心に、ISEKIアグリはホームセンターなどの量販店を中心にそれぞれ販売することで役割分担をしているようです。
井関農機が取り扱う製品
現行シリーズの一覧は次の通りです。マイペットはよく知られており、かつては「うねっこ マイペット63」といった人気シリーズもありました。
- マイペットKFR303
- マイペットKMR300・400・600
- マイペットKCR7シリーズ
- マイペットKCR5ちょこプチ
マイペットKFR303
ロータリー部分が前方にあるフロントロータリタイプなので、足元を心配することなく作業ができます。また、外側の爪は正転し、内側の爪は逆転する「一軸正逆転」を採用しているので、しっかり土に食い込み、ムラのない耕運が可能です。
マイペットKMR300・400・600
ロータリー部分が後方にあるリアロータリタイプなので、タイヤのけん引力を利用して、よりパワフルな耕運が可能です。KMR300、KMR400、KMR600といった型式それぞれの中に、HXやSDUHのようなタイプ区分があります。たとえばSDUHタイプには、本格畝立てができる「うねっこロータリ」が搭載されていたり、木の葉爪が採用されていたりと仕様がそれぞれ異なります。
マイペットKCR7シリーズ
マイペットKCR7シリーズには、KCR507とKCR657の2つの型式があり、それぞれにHXやSDUのようなタイプ区分があります。HXタイプでは固い畑でもしっかり耕せる「デュエットロータリ」が採用されている一方、SDUタイプでは中耕培土作業にも優れる「うねっこロータリ」が採用されているなど仕様がそれぞれ異なります。
マイペットKCR5ちょこプチ
農林水産省「農業女子プロジェクト」とのコラボで生まれた製品です。女性農業者の活躍を願ったプロジェクトとしてスタートしたものの、きめ細やかな目線が反映されたことで万人向けの使いやすい機械に仕上がっています。エンジン始動が簡単な楽リコイル、ワンタッチでエンジンが停止する安全スイッチ、トラックに積んでもしっかり縛れる固定用フックなどが標準装備されています(変速レバーの延長、泥はね防止カバーの拡張、燃料給油台の搭載などがなされているモデルもあります)。
ISEKIアグリ(旧アグリップ)が取り扱う製品
株式会社ISEKIアグリは、かつて株式会社アグリップとして知られていましたが、2013年に社名変更したことにより今に至ります。現行シリーズの一覧は次の通りです。VACシリーズは、「ホームセンター商品」と位置付けられており、規模の大きいホームセンターなどであれば実機を見られる場合もあります。
- VACシリーズ(VAC2450・VAC3600)
- VARシリーズ
- KGRシリーズ
- KGシリーズ
- IRシリーズ
VAC2450
初心者でも使いやすいコンパクトサイズのエントリー機と位置付けられています(畑の広さ目安50坪程度)。特長として、始動が簡単な4サイクルエンジンが搭載されていること、本格的なナタ爪でしっかりとした耕運ができること、移動車輪が付いていて移動が楽であること、折りたたみハンドルによって収納や運搬にも優れることなどが挙げられます。レバーを握れば作動し、放すと止まる安心簡単な使い心地です。
VAC3600
VAC2450の上位機種と位置付けられており、馬力(PS)、ウエイト(kg)、耕運幅(mm)などが向上しています(畑の広さ目安80坪程度)。
耕運機
「ミニ耕運機」と比べ、馬力(PS)やウエイト(kg)が増加していて、歩行用トラクターという呼称もしっくりきます。中規模圃場以上での使用を想定しています。現行シリーズの一覧は次の通りです。
- KLC650・750
- KVR750
- ランドボーイKAシリーズ
家庭菜園用管理機
「ミニ耕運機」や「耕運機」よりも、さらに高度で多彩な管理作業を実現できます。現行シリーズの一覧は次の通りです。
- KM37・47
- パンジーmini KM17
- パンジー27 KM27
- ちょこプチKM17-W
- ちょこプチKM27-W
管理機
「ミニ耕運機」や「耕運機」よりも、さらに高度で多彩な管理作業を実現できます。「家庭菜園用管理機」と比べ、馬力(PS)やウエイト(kg)が増加しており、中規模圃場以上での使用が想定されます。現行シリーズの一覧は次の通りです。
- KK43
- KK65-3・75-3
- KK85
- KMS500・600-3 一輪・二輪、クローラ型
- パンジーSシリーズ 小型中耕専用機
- パンジーSシリーズ 一輪・二輪KMS4
- パンジーP KP10・12
乗用管理機
乗用管理機は、防除、中耕除草、追肥、収穫など様々な管理作業を行うことができる乗用トラクターの仲間です(テーラーと比べても、エンジンや機体サイズが大きいです)。農作物の栽培中に田畑に入ることが多いので、軽い機体や細いタイヤで構成されているといった特徴があります。現行シリーズの一覧は次の通りです。
- 防除専用機JK18
- 愛さいか JKA・JKBシリーズ
- JKB23(キャビン仕様)
イセキ耕運機の部品や交換修理
部品の入手や交換修理については、次の方法を参考にしてください。自力での対応が難しそうな場合は、お近くのイセキ製品取扱店に連絡してみましょう。イセキ耕運機をショッピングサイトで購入した場合、中古で購入した場合、他人から譲渡された場合のいずれであっても相談に乗ってもらえることが多いです。
部品(爪など)
よく使われる耕運爪やVベルトのような部品、培土器や畝立て器のようなアタッチメントであればショッピングサイト(Amazon、楽天、yahoo、モノタロウ等)で入手できるものがあります。気軽に確認できますので、のぞいてみるとよいでしょう。
交換修理(オイル・ギアオイル・キャブレターなど)
オイルやギアオイルは、ご自身で補給もしくは交換することができます(説明動画が公開されているほか、取扱説明書やカタログで方法を確認できます)。
キャブレターなどの交換修理もご自身で行うことができますが、こちらは慣れている人以外はお近くのイセキ製品取扱店に連絡して相談してみた方が無難かもしれません。
イセキ耕運機を中古で買いたいときは
イセキ耕運機は、その性能に比して安価を実現していますので、新品でも手の届きやすい価格になっています。しかしながら、中古でもいいからもっと安く入手したいという人もいるでしょう。その場合におすすめなのが、大手オークションサイトである「ヤフオク!」を利用する方法です。
オークションというと価格を随時確認しなくてはいけないなど煩わしいイメージがあるかもしれませんが、実は現在の「ヤフオク!」には「定額」で出品されている商品が多くあります。「定額」で出品されている商品は、オークション形式とは異なり、表示されている価格に対し購入ボタンを押すだけで即時取引完了となります。このように煩わしさもなくなっているばかりか、農機商品の取扱い数も急拡大しており、非常に使い勝手のよいサービスに進化しています。
以下にリンクを用意しましたので、ぜひ一度のぞいてみるとよいでしょう。
=>ヤフオク!で検索してみるまとめ
イセキ(井関)グループは、「農家を過酷な労働から解放したい」という創業時の想いそのままに、田植機やコンバインといった優れた農業機械を通じて、日本の営農に貢献してきました。2020年3月には、日本政策投資銀行(DBJ)による環境格付け融資を受け、格付結果として「環境への配慮に対する取り組みが特に先進的」との評価も得ています。
また近年では、海外展開も強化しています。アジア(カンボジア・ネパール・バングラデシュ)、中東(アラブ首長国連邦・オマーン・カタール・サウジアラビア・ヨルダン)、アフリカ(エジプト・タンザニア・チュニジア・南アフリカ)、中南米(エクアドル・ウルグアイ・パラグアイ・ボリビア)、オセアニア(ニューカレドニア・パプアニューギニア)の100ヶ国以上で出荷実績を積み上げて、その貢献の幅を広げています。
あなたもイセキ(井関)耕運機を手に取って、快適な農業・園芸ライフを過ごしてみませんか。