スイカは育てていると、わき芽がどんどん伸びてきます。これらをすべて伸ばすと果実に栄養が回らなくなるため、摘芯(摘心)や整枝をする必要があります。ここでは、小玉スイカをプランターで栽培するときの摘芯(摘心)の方法についてわかりやすく説明します。
小玉スイカの摘芯について
摘芯(てきしん)とは、茎や枝の最先端の芽を摘む作業で、ピンチとも呼ばれます。摘芯をすることでわき芽を増やしたり、生長を止めたりすることができます。
小玉スイカ栽培では、摘芯をせず放置しておくとスイカの着果数は増えますが、それぞれの果実に栄養が行き渡らず、おいしい果実を収穫することができなくなります。スイカ栽培では摘芯や摘果をして果実の数を制限して育てることが、おいしい果実を収穫するポイントです。
仕立て方はいろいろありますが、ここでは親づるを摘芯して元気な子づるを2~3本残す方法で説明します。(この他にも親づると子づるの2本仕立てにする方法などもあります)
小玉スイカの摘芯の方法
摘芯のタイミング
摘芯の最初のタイミングは、本葉が7枚ぐらい出たころに、親づるを本葉5枚ほど残して摘芯します。その後子づるが伸びて3~4本でてきたら、下から5節~6節までの元気のよい子づるを2~3本残して、わき芽はすべて切り取ります。
摘芯の方法
摘芯は手でひねり取るか、ハサミでカットします。剪定ハサミでカットする場合には必ず消毒をしましょう。親づるを摘芯する場合は、一番下に生えている双葉は本葉の数には数えません。
剪定ハサミなを使用する場合は、病原菌の伝染には十分に注意しましょう。気になるようであれば、一回ごとに消毒(エタノールや次亜塩素酸カルシウム、第三リン酸ナトリウムなど)を使用すると良いでしょう。
薬液を入れることで自動消毒ができるハサミもあります。プロ農家はこれらを使用することも多いです。
その他摘芯について気を付けること
摘芯が遅れた場合
畑に行く暇がなくて、摘芯が遅れてしまった場合はどうしたらよいのでしょうか。親蔓が生長しすぎてしまったら、親蔓は摘芯せず、5節までにでた子蔓のうち元気のよい1本を残して親蔓1本と子蔓1本の2本仕立てにして育てましょう。他の子蔓やわき芽などはカットします。
摘芯と整枝
摘芯した後は、プランターに立てた支柱に誘引しましょう。誘引はマメに行い、なるべく葉が重ならないようにして育てます。小玉は1本のつるに1果、1株に2果までが収穫の目安です。元気のよいつるを3本残した場合は、受粉がすんだら、2本にするとよいでしょう。摘果も忘れずに行いましょう。
小玉スイカのプランター栽培について
スイカはウリ科のつる性の一年草で、原産地は南アフリカの砂漠地方ですが、日本でも古くから栽培されている夏の風物詩。大玉品種や小玉品種があり、果肉が赤や黄色、外皮の縦縞のもようもさまざまで、模様のない品種もあります。
小玉スイカは、直径が平均20cm、重さは1.5~2kgの文字通り小玉のスイカで、大玉品種より皮が薄いので小さくても可食部は多くあります。大型種より早生種(種まきから収穫までが短い)が多いので、栽培も栽培も大型種に比べ簡単です。
熱帯アフリカの砂漠が原産なので、暑さに強く寒さには弱いので、遅霜の心配がなくなってから植えつけましょう。タネからも育てることはできますが、育苗には40日~45日程度かかり、保温も必要ですので、栽培の難易度が上がります。植えつけ時期には、ホームセンターなどで、市販の苗が多く販売されているのでそこから始めるとよいでしょう。
スイカは、地面につるを這わせる「地這い栽培」が一般的ですが、プランター栽培では、支柱を立てて、立体栽培で育てると小スペースで栽培が可能です。果実が空中に浮いているように見えることから空中栽培とも呼ばれます。
作物名 | スイカ |
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科目 | ウリ科スイカ属 |
原産地 | 南アフリカ中央部カハリ砂漠 |
発芽適温(地温) | 25~30℃ |
生育適温 | 25~30℃ |
土壌酸度(pH) | 5.5~6.5 |
育てやすさ | 少し難しい |
プランターでの育て方については、こちらで詳しく説明していますので、支柱立てや肥料、摘果などの方法については、こちらも参考にしてください。