カランコエは花を楽しむ品種の他に、月兎耳や福兎耳、子宝草などの個性的な葉や姿を楽しむ多肉植物としての品種も人気があります。ここでは葉を楽しむ多肉植物のカランコエにおすすめの肥料や与え方、育て方のポイントについて説明します。
カランコエに肥料は必要?
多肉植物のカランコエはそれほど多くの肥料は必要ありません。しかし鉢植えで育てている場合は、土の量は限られているため、次第にカランコエの成長に必要な成分が不足してしまいます。
そのため土から取れない栄養分を補うため、肥料を与える必要があります。しかし一般の植物のように肥料を与えると肥料やけを起こしやすいので、肥料を与える時期、肥料の種類に気をつけて与えすぎに注意します。
カランコエに対する肥料のやる時期と頻度
カランコエは、夏型の多肉植物で春から夏にかけて生育します。多肉植物は生育期に肥料を与えるのがポイントです。肥料は春から秋にかけて施します。しかし品種にもよりますが、湿度の高い日本の夏は苦手なので、真夏は肥料を控えて育てましょう。
カランコエ(多肉植物)の肥料の与え方
- 春
- 夏夏の肥料やり
本来夏型のカランコエは夏に一番成長しますが、多湿が苦手なカランコエには日本の夏は苦手。肥料は7月上旬ごろまで。真夏は与えず、水も乾かし気味に育てます。
- 秋秋の肥料やり
涼しくなってきた9月になったら、春と同様に追肥をいましょう。10月下旬ごろからは休眠の準備に入りますので、肥料も水もあまり与えすぎないようにします。
9月は植え替えの時期でもあるので、なるべく早めに植え替えましょう。植え替え時には元肥として緩効性肥料を施します。 - 冬冬の肥料やり
冬は肥料は不要です。なるべく暖かい場所で管理しましょう。
カランコエにおすすめの肥料・活力剤
カランコエの鉢植えには、サボテンや多肉植物の肥料や、鉢の縁におくだけの置き肥がおすすめです。また多肉植物は多肥による肥料焼けを防ぐため、肥料成分の少ない活力剤を肥料がわりに使うとよいでしょう。
サボテン・多肉植物の肥料・活力剤
多肉植物のカランコエには、各社が販売しているサボテン・多肉植物の肥料がおすすめ。多肉植物に必要な肥料成分を調整・配合されており、使用量なども書かれているので誰でも簡単に使えます。最近ではダイソーなどの100均でも見かけます。
肥料が続く期間は肥料によってことなるのでそれぞれの肥料にあった、量や頻度で与えましょう。ハイポネックス の「キュート サボテン・多肉植物用」は活力剤ですが、うすめずそのまま株元へひと押しするだけなので、元気がない時にも使えます。
錠剤肥料
錠剤肥料は、鉢の縁におくだけで水やりのたびに肥料がゆっくり流れ出るため、手も汚さず肥料を与えることができます。植物の大きさによって与える肥料の個数を変えるだけ。基本的には追肥用ですが、カランコエには、植え替えた後に、上に置いておくという使い方でも大丈夫です。
錠剤肥料は花の肥料などのリン酸(P)が多い肥料ではなく、観葉植物用などの、窒素、リン酸、カリウムがバランスよく含まれた肥料がよいでしょう。ガーデンエッセンスはハートの形がかわいらしい活力剤です。
液体肥料
液体肥料とは、液肥(えきひ)とも呼ばれ、液状になった液体の肥料のことを言います。ほとんどの製品が追肥に使われる速効性の肥料で、水やり代わりに与えて使います。ハイポネックス原液などの植物用の液肥であればどれでもかまいませんが、リン酸が多い肥料よりも、マイガーデン液体肥料などの肥料成分のバランスが取れた肥料がおすすめ。
また液体肥料ではありませんが、水に溶かして使う微粉ハイポネックスは、根を丈夫にカリウムが豊富なので、根張をよくし、植物に活力を与えます。また水耕栽培にも使えるのでハイドロカルチャーや水栽培の肥料としてもおすすめです。
カランコエの栽培のポイント
栽培環境
多肉植物は、もともと乾燥した地域に自生しているので、日当たりの良い風通しのよいところが大好きです。基本は春から秋の生育期はベランダや庭などの屋外で管理します。室内で育てる場合もなるべく窓辺など日の当たる場所で管理しましょう。日照不足になると、ひょろひょろと葉や茎が伸びる徒長をおこしやすくなります。
冬は多肉植物の中でも寒さに弱い植物なので、10℃以下になったら室内の暖かい場所で管理しましょう。
水やり
多肉植物は、生育期には、水をたっぷりジョウロで与え、休眠期には断水気味に育てるため葉水で与えます。多肉植物の水やりはメリハリが大切です。水をたっぷり与えた後は乾燥するまで与えないこと。水の与えすぎは多肉植物は根腐れの原因になるので気をつけましょう。
多肉植物のカランコエは、冬は休眠するため水やりは月に1~2度葉水を与える以外は水やりはしません。
植えつけ、植え替え
購入した鉢がビニールポットであったり、自分の好みの鉢に代えたいときには、植え替えをします。また生育に合わせて、2年~3年に一度は植え替えが必要です。
時期は、生育期初期の5月~6月。9月でも行えます。植え替えた後に生育する期間が長いと株が土に根付きやすいので失敗がすくなくなります。購入した時期が生育期以外で、植え替えを行いたい場合は、根を崩さず用土だけ追加して新しい鉢に植え替える鉢増しをしましょう。
ふやし方
多肉植物は株分け、さし芽、葉ざし、根ざし、挿し木、胴切り、種まき(実生)でふやします。カランコエは、挿し木が一般的で、子株で増やせる品種もあります。挿し木は水栽培でも行えます。
用土
市販のサボテン・多肉植物用の培養土が手軽で便利です。
多肉植物は休眠を伴うものが多く、休眠中の多肉植物は、根もほとんど給水しないので、根腐れを防ぐために鉢土を完全に乾燥させる必要があります。カランコエは乾燥した地域が原産地ですので一番重要なことは、通気性(水はけ)がよいこと、それとある程度の保水性があるものがよいでしょう。
多肉植物の用土については、詳しい記事がありますので興味のある方はお読みください。
害虫に気をつけましょう
風通しが悪いと、うどんこ病に低温時には、灰色かび病にかかりやすくなります。害虫(アブラムシ、カイガラムシ)の排せつ物につく菌によって引き起こされるすす病などにかかることもあります。予防としては、風通しの良い場所で育てる、冬はなるべく暖かい場所で管理しましょう。
カイガラムシ・ハダニ・アブラムシ・アザミウマ、ネジラミなどの害虫が発生する恐れがあります。それぞれの害虫によって対応は異なりますが、見つけたら早めに歯ブラシなどでこそげとるか、水流で取り除いてあげましょう。殺虫剤なども有効です。
多く発生している場合は、殺虫殺菌スプレーの「ベニカ」シリーズで害虫退治するのがおすすめです。(ホームセンターのガーデニング・園芸、ガーデニンググッズコーナーによく置かれています)
カランコエは、花を楽しむ品種もあります。花を咲かせるカランコエには適した肥料や適した時期が異なるので、花を楽しむ品種を育てる場合は、下記の記事を参考にしてください。