観音竹(カンノンチク)は中国原産の植物で、竹の名前がついていますがヤシの仲間です。日本では江戸時代から観賞用の植物として古くから愛されてきました。
竹のような葉がアジアン風の雰囲気をもつ観音竹(カンノンチク)ですが、肥料はいつ、どのように与えたらよいのでしょうか。ここでは観音竹(カンノンチク)の肥料の与え方の基本と、おすすめの肥料についてわかりやすく説明します。
観音竹(カンノンチク)の基礎知識
植物の栽培をするうえで、その植物の特徴を知っておくことは大切です。自生地や生育期などを知ればその植物がどのような環境で育てると枯れずに育つのかわかってきます。
観音竹(カンノンチク)は、ヤシ科の常緑低木で竹のような葉が特徴的で、園芸品種には斑入りもあります。中国原産ですが、沖縄などにも自生しています。寒さにも比較的強く、耐陰性もある丈夫で育てやすい植物です。
生育適温は20℃~25℃で、暖地では地植えも可能ですが強い光が苦手で、耐寒性もありますが霜にあたると弱るので冬は室内に取り込める、鉢植えが一般的です。よく似た種類に棕櫚竹(シュロチク)があり耐寒性が強いため、地植えでも育てることが可能です。
学名 | Rhapis excelsa |
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属名 | ヤシ科カンノンチク属 |
原産地 | 中国南部 |
樹高 | 20cm~3m |
耐寒性等 | 耐寒性 普通 耐暑性 強い |
花言葉 | 「日々の平安」「スマートな淑女」 |
観音竹(カンノンチク) 肥料のやる時期と頻度
では、観音竹(カンノンチク)にはいつ、どれくらいあげればいいのでしょうか。下記に観音竹の鉢植えの一般的な肥料をやる時期と頻度について説明します。
- 春
- 夏夏の肥料やり
6月に緩効性肥料を与えたら、真夏は生育が少し緩くなるため、緩効性肥料は与えず、薄めの液体肥料を2週間に1度与えます。
- 秋秋の肥料やり
涼しくなった9月頃に緩効性肥料を施します。株元にばら撒くか、置き肥しましょう。葉色が悪いようなら、液体肥料を水やり代わりに与えます。
- 冬冬は施肥不要
休眠期です。肥料は不要です。屋外やベランダに置いてある場合は気温が5℃を下回るようになったら、室内の日向で管理しましょう。
観音竹(カンノンチク)におすすめの肥料
元肥入り培養土
観音竹は2年~3年に1度植え替えをしましょう。植え替え時に株分けで増やすこともできます。水はけがよく、保肥性の高い土がよいでしょう。観葉植物用のの元肥入り培養土か、観音竹専用の培養土もあります。
緩効性肥料
緩効性肥料とは、ゆっくり効果のでる肥料です。観音竹には元肥にも追肥にも使えます。
ハイポネックス マグァンプK
元肥や追肥にはハイポネックスの定番肥料の粒状肥料のマグァンプKがおすすめ。「チッソ・リンサン・カリ」植物の生育に必要な三要素は勿論、マグネシウムやアンモニウムなどの二次要素・微量要素もしっかりと配合されていています。植えつけ時の元肥には大粒を、追肥には中粒がよいでしょう。
プロミック 観葉植物用
追肥には、土の上に置くだけで水やりで溶け、栄養が根に行きわたる錠剤の置き肥も便利です。プロミックの観葉植物用は、チッソ・リンサン・カリ成分が観葉植物に合うように配合されており、臭いもないので清潔に使えます。2か月ほど効果が続きます。
花ごころ グリーンそだちEX IBのチカラ
花ごころの「IBのチカラ グリーンそだちEX」は、花にも野菜にも使用できる肥料です。N-P-K=10-10-10であり、バランス良く配合されています。花ごころは、バラや花に効く肥料を中心に様々な商品を販売しています。
IBとは、イソブチルアルデヒド縮合尿素(IBDU)を配合した肥料のことで、とてもゆっくり溶け、流れ出るため植物の根に優しく、肥料成分が無駄なく吸収される特性があります。
本製品は無臭で、窒素、リン、カリウムの3つの成分をバランスよく配合した肥料です。観音竹は勿論ながら、ほとんどの植物にお使いいただけます。
液体肥料
液体肥料は、夏に肥料に水やり代わりに与えたり、葉色が薄くなってきた場合などに速効性のある肥料としておすすめです。液体肥料はハイポネックス原液やマイガーデン植物全般用などが使えます
肥料の基礎知識
そもそも肥料ってなに?
肥料の定義は肥料取締法で決まっています。肥料は土壌に科学的変化をもたらし、植物が健全に育つように土地に施されるものを言います。つまり、農作物(植物)の健全な生育に欠かせない栄養を与えるものです。
農作物(植物)が育つためには窒素やリン酸、カリウムの三大要素のほか、微量要素などが必要です。大雑把にはなりますが、窒素(N)は葉肥(はごえ)、リン酸(P)は実肥(みごえ)、カリ(K)は根肥(ねごえ)と呼ばれています。肥料の箱や袋などに記載されているN-P-Kの表示はこれらを指しています。
植物は土に根を張り、それらの養分を吸い上げて成長しています。そのため、土壌中の栄養分は植物が吸い上げることにより、どんどん乏しくなっていきます。それを補うために土壌に肥料を施すことを「施肥」と言います。
肥料を与えるタイミング 元肥と追肥
用土に肥料を与えるタイミングによって、肥料の呼び名が変わります。具体的には、「元肥」と「追肥」があります。
苗を植え付け(定植する)前に予め土壌へ施しておく肥料を「元肥(もとひ・もとごえ)」と言います。元肥は、初期生育を助ける働きがあり、肥料効果が長く続く緩効性や遅効性の肥料を施すのが一般的です。
苗の植え付け後(定植後)、作物が生長していくときに、土壌の肥料切れが起こらないように追加で施す肥料を「追肥(ついひ・おいごえ)」と言います。追肥を施す時期が遅れたりすると、植物の生育期に葉の色が薄くなったり、花が小さくなったりして最悪の場合、枯れてしまいます。特に窒素、カリウムは消費されるのが早いので適切な時期に追肥が必要です。
肥料の種類
作物・植物の栽培における肥料の種類は、大きく以下のとおりに分けることができます。
肥料はその物質の有機、無機によって、「有機肥料(有機質肥料)」「化学肥料(≒無機質肥料、化成肥料は化学肥料に属します)」の2つに分けることができ、形状によって、「固形肥料」と「液体肥料(液肥)」があります。
「化学肥料」とは、化学的に合成しあるいは天然産の原料を化学的に加工して作った肥料です。「有機肥料(有機質肥料)」とは、「油粕や米ぬか、腐葉土など植物性の有機物」「鶏糞(鶏ふん)、牛糞(牛ふん)、馬糞や魚粉、骨粉などの動物性の有機物」を原料にして作られたものです。堆肥も、家畜の糞や落ち葉などの有機物を微生物によって分解・発酵したもので、有機肥料となります。有機肥料は、用土(培土)を養分を補うだけではなく、物理性の改善(ふかふかにする)にも役立ちます。
大きな植木鉢で用土を使う場合は、植え付け時や植え替え時に緩効性の化学肥料や臭いの少ない有機肥料を元肥として十分に施し、その後生育を見ながら液体もしくは固形の化成肥料を追肥として施していくと良いでしょう。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
葉が枯れるの葉は肥料不足?
観音竹は、葉がしぼんだり、傷んでしまうのは肥料が足りないのではなく、日当たりや湿度不足の可能性があります。強い光が苦手なため、室内から突然屋外の日当たりなどに移動すると、葉焼けしてしまう可能性があります。
また水やりだけでなく、湿度を好むので葉水を与えて湿度を上げてあげましょう。また根詰まりでも葉が枯れることがあります。植え替えは2~3年に1度行いましょう。
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
まとめ
観音竹(カンノンチク)は、和室にもアジアンな雰囲気で鉢を変えれば洋室にでも飾れます。大鉢にもミニ観葉植物としても楽しめるので、お気に入りの品種をみつけてぜひ育ててみてください。
農家webには、このほかにも観葉植物や花、野菜などの肥料の与え方の記事が多くあります。
検索から育てたい植物を探すこともできますよ。