生姜(しょうが)は栽培期間が長いので肥料の与え方が大切です。ここでは生姜(しょうが)栽培での植え付け時の元肥や生育途中に施す追肥の与え方について、栽培別(地植え、プランター)に説明します。
生姜(しょうが)栽培の肥料の与え方のポイント
生姜は栽培期間が長いので、畑では溝施肥にして長く効果の出る緩効性肥料を元肥に使います。
追肥は3回程度、生育に合わせて化成肥料か有機配合肥料を追肥します。追肥の時に土寄せや中耕も一緒に行います。
追肥は遅ぎきにならないよう7月までに行うとよいでしょう。
生姜(しょうが)栽培 肥料時期
生姜栽培では、植えつけ時に元肥を、追肥は3回行います。
追肥のタイミングは、草丈15cmの頃、草丈30cmごろ、最後の追肥は2回目の一カ月後に施肥します。
生姜栽培 肥料の与え方
生姜(しょうが)栽培では、植えつけ時の元肥や生育途中の追肥は、どのように、どのくらいの量を与えればよいのでしょうか。育て方によって肥料の与え方は変わるため、地植え、プランター(鉢植え)別に説明します。
地植え
元肥
生姜は、栽培が長いので元肥はゆっくりと効果が表れて持続するように、溝施肥で行います。
- 栽培するスペース(畝)を決め、土壌phの調整が必要な場合は苦土石灰1㎡あたり100gまいて、深く耕しておきます。
- 1から2~3週間ほどたってから、幅60~80cm、高さ5cmほどの畝を作ります。
- 畝の中央に深さ10cmほどの植え溝をつくり、1㎡あたり堆肥1kg、油かす100g、化成肥料50gを施し、溝の深さの8割くらいまで土を戻します。
- 種生姜を並べて植え付け、地上から4〜5cmほどの厚さに覆土し、軽く鎮圧します。
土づくり
元肥は、土づくりと一緒に行いましょう。生姜栽培に適した土壌ph5.5〜6.0です。日本の土壌は雨や肥料などにより酸性に傾いていることが多いので、酸性に傾いている土壌は石灰などを使い酸度調整をする必要があります。
土の酸度が高いようなら、苦土石灰で調整します。土壌酸度は、市販の土壌酸度計や土壌酸度測定液をつかって図りましょう。家庭菜園をする人は一つもっているとよいでしょう。
堆肥には、動物の糞をつかった牛糞、馬糞、豚糞、鶏糞、植物性のバーク堆肥、腐葉土などがあります。土壌の改良には牛糞、馬糞、パーク堆肥、腐葉土などがよいでしょう。鶏糞は肥料分が多くふくまれていますが、土壌改良効果は少ないです。鶏糞は肥料としてつかうのがおすすめです。
未発酵のものはガスなどがでて作物に影響を及ぼすことがあるので、完熟堆肥を使うのが安心です。未発酵のものをつかうときは植え付けの1か月前ほどに施しておくとよいでしょう。
追肥
追肥・土寄せは、生育期間中に3回程度実施すると良いでしょう。下記を参考に追肥を施してみてください。また、生長の度合いによって追肥の回数や量を調整してください。
追肥の施し方は、畝の肩部分に肥料を散布してから、畝の周りの土と肥料を一緒に株元に土寄せします。
追肥 | 実施時期 | 施用目安量(1メートル当たり) |
---|---|---|
1回目 | 草丈が15cmくらい | 化成肥料もしくは有機配合肥料30g程度 |
2回目 | 草丈が30cmくらい | 化成肥料もしくは有機配合肥料50g程度 |
3回目 | 2回目の1ヶ月後 | 化成肥料もしくは有機配合肥料50g程度 |
土寄せをする際に、畝と畝の間を中耕するのもおすすめです。中耕すると土壌の通気性が良くなり、子の発達を促すことができます。また、除草もできるので一石二鳥です。
プランター・鉢植え
生姜のプランター栽培では、肥料は元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。
追肥は葉色をみながら、3回程度行います。1回目は草丈が15cmぐらいのころ、2回目は草丈30cmごろ、3回目は2回目の一カ月後に施肥します。速効性の化成肥料を10g程度、プランター全体にばら撒いて、土と軽く混ぜて株元に土寄せしておきます。葉生姜を収穫した後に、根生姜も収穫する場合は収穫後に追肥するとよいでしょう。
生姜に必要な肥料成分とおすすめ肥料
生姜にはどのような肥料成分がどれぐらい必要なのでしょうか。下記は栃木県のしょうがの施肥基準です。10aあたり窒素が24kg、カリウムが22kg、リン酸が25kgです。(施肥基準は県によっても異なり、土壌によっても変わるので目安としてください。)
施肥量(kg/10a) | 基肥 | 追肥1 | 追肥2 | 成分合計 |
---|---|---|---|---|
窒素(N) | 14 | 5 | 5 | 24 |
リン酸(P) | 25 | 25 | ||
カリウム(K) | 12 | 5 | 5 | 22 |
肥料は3大栄養素(窒素、リン酸、カリウム)がバランスよく含まれた肥料を使いましょう。栽培期間が長いので畑などでは有機肥料がおすすめです。おすすめ肥料の種類や製品については下記で詳しく説明しています。
防ぎたい!肥料にまつわるトラブルあれこれ
肥料の過不足
生姜栽培では、生育の初期では種生姜の養分で生長するので元肥は控えめにし、追肥で生育を調整するのがポイントです。肥料は多く与えれば大きく育つというものではありません。肥料過多になると、多茎化しやすく根に肥料が直接あたると、肥料やけを起こし最悪枯れてしまうこともあります。
しかし根が大きくなる時期に肥料がきれると、根生姜が大きくなりません。肥料は正しい時期に、適量を与えましょう。肥料のパッケージをよく読んで使い方を間違えないことも大切です。
生姜は乾燥が苦手です。生育には肥料だけでなく土を乾燥させないようにすることも大切です。追肥の後には、梅雨が明けたら敷き藁をし株元を乾燥から守り、水やりを忘れずに行いましょう。
肥料は生育に合わせて与えるのが基本です。育てている土壌によっても必要な肥料量は変わります。葉色が薄くなると肥料ぎれ、葉が茶色くなり先端が丸まってきたら肥料過多です。よく観察して、肥料を与えるようにしましょう。
肥料は絶対混ぜないで!
よくある失敗として、いろいろな肥料を混ぜて高い栄養素の肥料を作り与えようとしてしまうことが挙げられます。肥料を混ぜると化学反応を起こし、植物自体に被害が出るだけでなく、有害物質・ガスが発生したりと、大きな事故につながる危険性があります。くれぐれも、肥料同士を原液で混ぜることはしないでください。
生姜栽培について
生姜の辛み成分には、殺菌効果と消臭効果があり、体を温める効果もあります。家庭菜園で育てると葉生姜も収穫できるのでそのまま味噌をつけてたべたり甘酢づけにしたり、新生姜はジンジャエールを自家製で作ることもできます。寒さに弱いので霜の心配がない時期に植え付けし、寒さが本格的になる前に収穫しましょう。
半日陰でも育つので、普段野菜が育てられないところでも育てられますが、連作を嫌うので4~6年は休む必要があるので、プランター栽培もおすすめです。栽培期間は長めですが、あまり手間のかからない野菜ですのでぜひ栽培にチャレンジしてみてください。
肥料以外の栽培方法についてはこちらで詳しく説明しています。
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