メロンに肥料を与えすぎると、実がつかないことがあるため肥料の与え方はメロン栽培に重要です。ここではメロンにおすすめの肥料や肥料を与える時のポイントについて説明します。
メロン栽培 肥料の与え方のポイント
メロンに肥料を与えるポイントは、下記の4つです。
- 生育初期に肥料(チッソ)が効きすぎると、ツルボケを起こすため元肥は控えめに、追肥は着果したら1回行います。
- 実をつける作物なので、実肥と呼ばれるリン酸を多く吸収するため、元肥にリン酸肥料を多く施肥します。
- 元肥には有機肥料などの緩効性肥料を追肥には速効性の化成肥料が適しています。
- メロンは浅根性で酸素を多く必要するため、畑では有機質の堆肥や肥料を使い、通気性と水はけを良くすることが良いメロンを作るコツです。
メロン栽培におすすめの肥料
有機肥料
有機肥料(有機質肥料)とは、動植物由来(油粕や米ぬかなど植物性の有機物、鶏糞や魚粉、骨粉などの動物性の有機物)の原料を使って作られている肥料を指します。表示された成分以外にも生育に必要な成分(動植物由来のアミノ酸など)が含まれていることもあります。
メロンは元肥が多肥になると葉に栄養が行き過ぎて、よい実がつきません。有機肥料はゆっくり効果が出る緩効性肥料で、肥料やけなどのリスクも軽減します。また果実の食味が良くなったり糖度が上がるともいわれています。地植えでは元肥には有機肥料がおすすめです。
有機肥料は、鶏ふんや油かす、米ぬかなどが使えます。油かすだけではリン酸とカリ分が足りないので、リン酸は過りん酸石灰や骨粉、カリは草木灰、硫酸カリなどを併用するとよいでしょう。
有機肥料は完熟のものを使い、米ぬかなどは生のものは使わず、ぼかし肥料の原料として使うのがおすすめです。
有機配合肥料
土壌に緩効性の有機成分と、速効性のある化学肥料を組み合わせている有機配合肥料は、使いやすいため人気があります。元肥にも追肥にも使えるのもが多く、少量のものもあるのでプランター栽培などにもおすすめです。
有機100%配合肥料
有機肥料は使うのが難しそうだと感じる方には、有機物を100%使った配合肥料もおすすめです。肥料バランスがよくなるように、有機物を配合させて作っています。そのまま混ぜたものや発酵済のものなどいろいろな種類がありますが、発酵済のものであれば臭いの心配もなく、追肥にも使いやすいのでおすすめです。
野菜の肥料
有機入りの肥料は多くありますが、メロンには野菜用の肥料を使うとよいでしょう。元肥にも追肥にも使えるものが便利です。マイガーデンベジフルやハイポネックスの「今日から野菜 野菜肥料」などは、園芸店などでも手軽に買えます。
メロンの専用肥料
有機配合肥料には、メロン専用の肥料もあります。メロン栽培に作られた肥料なので、成分も気にすることなく施肥量などもわかりやすい肥料です。アミノール化学の「すいか・メロンの専用肥料」は甘みやうまみが増すアミノ酸配合、なたね油かすなどの有機を68%含んでいるサンガーデン 「スイカ・メロンの肥料」などがあります。
化成肥料
熔成リン肥料(ようりん)
メロンはリン酸(P)の要求量が多い野菜です。そのため元肥にはようりんがよく使われます。
ようりん(熔リン、熔成燐肥)は、リン酸と石灰を含むリン鉱石、珪酸(けい酸)と苦土(マグネシウム)を含む、けい酸苦土含有の鉱さいです。さらにホウ素・マンガンの入ったBMようりんがあります。
土壌改良によく使われるリン酸肥料ですが、リン酸の含有量が高いので、メロンのようなリン酸の要求量が多い作物の元肥として使用するのが適しています。ようりんに含まれるリンの成分は「く溶性リン酸」で水に溶けにくく、植物の根や微生物が分泌する根酸(有機酸)、炭酸水などによってゆっくりと溶け出して植物に吸収されます。メロンにはBMようりんがおすすめです。
固形肥料
元肥には有機肥料がおすすめですが、プランターなどでベランダで育てる人には臭いや虫が気になる人もいるでしょう。その場合は化成肥料を使いましょう。また実がついた後の追肥にはすぐ効く化成肥料がおすすめです。
化成肥料は、不足している栄養素を補うために行うため、土によって与える肥料は異なりますが、家庭菜園などでは、元肥にはN-P-K=8-8-8など窒素とリン酸・カリウムが同量含まれている肥料などがよいでしょう。追肥にも使えます。追肥には、NK化成肥料など窒素とカリのみを含む肥料もおすすめです。
液体肥料
肥料不足の場合やプランター栽培には追肥として液体肥料をつかってもよいでしょう。液体肥料は野菜用のものを使うとよいでしょう。住友化学園芸の「マイガーデンベジフル」やハイポネックスジャパンの「野菜の液肥」などがあります。
土壌と肥料について
おいしいメロンをつくるには、土づくりは大切です。メロンは、有機質が多く通気性がよい土が適しています。連作するとつる割れ病になりやすいので、4年~5年の輪作にしましょう。
牛ふんなどの堆肥は、植え付け1か月前までには行いましょう。土壌酸度(pH)は、6.0〜6.5です。土の酸度が高いようなら、苦土石灰で調整します。土壌酸度は、市販の土壌酸度計や土壌酸度測定液をつかって図ります。家庭菜園をする人は一つもっているとよいでしょう。
堆肥には、動物の糞をつかった牛糞、馬糞、豚糞、鶏糞、植物性のバーク堆肥、腐葉土などがあります。土壌の改良には牛糞、馬糞、パーク堆肥、腐葉土などがよいでしょう。鶏糞は肥料分が多くふくまれていますが、土壌改良効果は少ないです。鶏糞は肥料としてつかうのがおすすめです。
未発酵のものはガスなどがでて作物に影響を及ぼすことがあるので、完熟堆肥を使うのが安心です。未発酵のものをつかうときは植え付けの1か月前ほどに施しておくとよいでしょう。
メロンの肥料について気を付けること
施肥量について
メロンの施肥量は、品種や土壌によっても変わります。施肥量は目安です。それぞれの圃場に合わせて施肥を行いましょう。園芸本などに記載されているのは化成肥料を基準になっています。有機肥料などは化成肥料に比べて肥料分は少ないので、窒素を基準にして施肥量を決めるとよいでしょう。メロンは前作に残った養分を積極的に吸収してしまうので、肥沃な土地では肥料は少なめにしましょう。
追肥は、草勢いが強ければ元肥だけでも育つこともあります。肥料は、上げれば上げるだけよいというものではありません。上げすぎると肥料やけして枯れてしまうこともありますので、生育を見ながら与えましょう。
施肥量や植え付け時の元肥のやり方などはこちらで詳しく説明しています。
メロンの肥料不足の症状について
メロンは肥料過多になると、つるぼけして実がつかないといいましたが肥料不足にはどんな症状があるのでしょうか。
まずは葉色です。肥料が多いと葉色は緑色が濃くなります。反対に不足すれば葉の色が薄くなります。また肥料不足になると、子づるの先端が持ち上がらなくなります。肥料不足の症状がみられた場合は、速効性の化成肥料か液体肥料を使いましょう。
まとめ
メロンの栽培はネットメロンは温室で管理されるので温室メロンとも呼ばれ、それに対し、網目のないノーネットメロンは露地メロンと呼ばれます。ネットメロンは栽培が特に難しいので、まずはプリンスメロンやマクワウリから始めてみましょう。ネットメロンを育ててみたい人には「ころたん」がおすすめ。手のひらサイズのメロンなので、ベランダなどのプランター栽培にもむいています。
プランター栽培や、水耕栽培の育て方については詳しい記事があります
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