グリーンネックレスは、伸びた茎をつかって挿し木で増やすことができ、水挿しでも発根させることが可能です。ここではグリーンネックレスの挿し木(水挿し)の方法や、水耕栽培での育て方についてわかりやすく説明します。
グリーンネックレスの水耕栽培について
水耕栽培とは、土を使わず培養液(肥料分を含んだ水)で、野菜や草木を栽培する方法です。土の変わりにハイドロボールやゼオライトなどの培土を使った栽培も水耕栽培の一種でハイドロカルチャーと呼ばれます。砂漠地帯などの乾燥した地域に自生して、水やりの手間が少なく他の観葉植物より丈夫なイメージのある多肉植物ですが、多肉植物は水耕栽培でも育てることができます。
グリーンネックレスは、増やす場合は挿し木(挿し芽)で増やすのが簡単ですが、水挿しでも行えます。水耕栽培を始めるのであれば、水挿しから始めるのがおすすめです。水挿しで発根させた後は、そのまま水耕栽培で育てるか、土に鉢上げして土耕栽培で育てることもできます。
グリーンネックレスの挿し木(水挿し)の方法
挿し木の時期
挿し木を成功させるには、時期が大切です。挿し木は植物の生育期に行います。グリーンネックレスは春秋型なので生育期は春と秋で夏は半休眠、冬は休眠するので、挿し木の適期は生育初期の3月~5月、9月~10月です。
さし木の準備
挿し木にする茎は、若くて元気の良い茎を選びましょう。長く伸びたつるを剪定した茎でもよいでしょう。
またグリーンネックレスは茎の途中から気根(きこん)とよばれる茶色い根が生えてきます。支柱として枝のような役割をしますが、水に入れるとここからも根が出て伸びます。気根が出ている茎節は元気で充実した茎でもあることから、気根がない茎より早く発根することが多いようです。
伸びたツルを10㎝~15cm程度にカットします。切り口を水につけるため、下の3cm~5cm程度の葉は取りいておきます。
準備するもの
- グリーンネックレスの挿し穂
- 透明な容器(花瓶やペットボトルなどでも可)
- 水道水
- メネデール(発根促進剤なくても可・あると発根の成功率が上がります)
発根促進剤について
グリーンネックレスは、生育期であれば水だけでも発根しますが、時間がかかるので、できれば発根促進剤を使いましょう。植物活力素 メネデールは、発根だけでなく肥料でも農薬でもないので、発根時以外の水栽培で元気がなくなったときなどにも使えます。水替えのときに発根するまで入れると効果的です。水替えの都度でなくとも、1週間に一度でも入れてあげる、また希釈率を200倍にしても効果はあります。
手順
- 容器に水(水道水)を入れます。メネデールを使う場合は100倍に希釈した水を使います。
- 準備したグリーンネックレスの挿し穂を入れます。水に浸けるのは葉の付いていない部分のみで、他の部分は垂れ下がるようにするとよいでしょう。
- 発芽するまで2~3日に1回に水は変えましょう。
- 明るい日陰で室内で管理しましょう。1か月程度で新しい根っこが生えてきます。
- 新芽がでて根が十分に発根したら、そのまま水耕栽培に移行するか、土に植え替えて育てることもできます。
グリーンネックレスの水耕栽培への植え替え
水挿しで発根した茎をつかって、水耕栽培に移行しましょう。ここでは培土を使わず水だけで育てる手順を紹介します。
準備するもの
- 水挿しで発根したグリーンネックレス
- 容器(透明なガラスのほうが根の成長も見え水量も調整しやすい)
- 根腐れ防止剤(ミリオンA・ゼオライトなど)
手順
- 器の底に根腐れ防止剤をいれます。鉢底が隠れる程度OK
- 苗を入れます。
- 器に水道水を入れます。この時の水位は根が全部浸からない程度。3分の2が水に浸かっているぐらいがよいでしょう。せめて3㎝程度は空気に当ててください。
- 水替えは1週間に一度程度行います。
グリーンネックレスの水耕栽培の育て方
グリーンネックレスの基礎情報
グリーンネックレスは、キク科のつる性の多肉植物で、和名では銀の鈴とも呼ばれます。丸い球のような葉っぱが垂れ下がる様子がかわいらしいので、ハンギングなどにして飾るのが人気です。
生育タイプは「春秋型」で、春と秋に盛んに生育するタイプです。乾燥地域が原産のため、多湿嫌いますが、根が細いため極度の乾燥も苦手です。耐寒性は比較的強いため2℃程度あれば冬越しも可能です。丈夫で育てやすい多肉植物ですが、夏の蒸れがつづくと、とろけて枯れてしまうことがあるため注意しましょう。
学名 | Senecio rowleyanus |
属名 | キク科セネシオ(セネキオ)属 |
原産地 | 南アフリカ、ナミビア南部 |
草丈・樹高 | 30㎝~100㎝ |
耐寒性等 | 耐寒性 やや強い 耐暑性 普通 |
花言葉 | 「健やかな成長」 |
種類
グリーンネックレスには多くの品種があります。人気の品種をいくつか紹介します。
品種名 | グリーンネックレス | 斑入りグリーンネックレス | エンジェルティアーズ | 三日月ネックレス | ピーチネックレス |
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概要 | |||||
特徴 | 丸い葉が連なる姿が人気 丈夫で育てやすい | 葉に白い斑が入るグリーンネックレス。蒸れに弱い。 | しずく型の葉に、マーブル模様の斑が入る。斑入りは蒸れに弱いが、この品種は丈夫で育てやすい | 緑の葉は細長く、三日月のような形。葉先が上に向く。 | グリーンネックレスより尖った葉がピーチの形のよう。 過湿に弱い |
置き場所、日当たり
グリーンネックレスは日当たりがよく風通しの良い場所を好みます。生育期は日当たりの良い場所で管理しましょう。屋外で管理する場合は長雨には注意が必要です。室内ではLEDライトをつかって補うことができます。
夏は半休眠期です。直射日光に当てると葉焼けや株が弱ります。涼しい半日陰の場所で管理しましょう。梅雨から夏にかけては風通しの悪い場所では、蒸れて葉がとけてしまうことがあります。空気が循環しない場所ではサーキュレターなども使うとよいでしょう。
多肉植物の中では、寒さに強く2℃ぐらいまでは耐えることができます。暖地であれば屋外でも冬越しは可能です。室内で育てている場合は問題ありませんが、暖房のあたらない、日の当たる窓辺などで管理しましょう。冬などは窓際に置いておくと、夜に急激に温度が下がることもあるので注意しましょう。
水の量と交換時期
植物は葉や茎そして根からも酸素を吸収しています。水栽培で育てている場合は土やハイドロカルチャーに比べて、酸素が吸収しにくくなります。水の温度が上がると酸素の溶け込む量がすくなくなるため、特に夏場は注意が必要です。
理想的な水栽培の水位は、根の半分から3分の2が浸かる程度。少なくとも根元3㎝は空気に触れるようにします。水の交換は週に1回程度、ただし気温が高くなると水が濁るので濁ったら水を交換します。容器に苔がつくことがあります。水替えの時に容器も洗ってあげましょう。
生育期には水を多く吸収します。水切れには注意しましょう。多肉植物の中には冬は断水させるものがありますが、グリーンネックレスは水を好むため、断水せず、夏や冬は乾かし気味に育てます。根が空気に触れる時間を少し増やします。水位が下がったら水やりをするとよいでしょう。
肥料
グリーンネックレスの水栽培は、肥料がなくても育ちます。生育期に肥料を与えると、生育が良くなります。水栽培の肥料は、液体肥料(液肥)を薄めて使います。春の3月~6月、秋の9月~10月の生育期に与えましょう。水の交換のときに、規定量より薄めて使います。肥料を使うと藻が発生しやすいので、水草用の肥料もおすすめです。
水耕栽培に使える肥料は、野菜などの栽培などにも使える、ハイポネックス微粉やハイポニカ液体肥料などがあります。肥料ではないですが活力剤の水草用メネデールなどをつかってもよいでしょう。
まとめ
グリーンネックレスは、丈夫で育てやすい植物ですが、夏の高温多湿が苦手です。溶けてなくなってしまったというトラブルは、梅雨の長雨にあたったり、夏の蒸れが原因のことが多いので風通しの良い場所で管理しましょう。また急に日の当たる場所に出したりすると、1日で葉焼けして枯れてしまうことがあるので環境の変化にも注意してください。
多肉植物の他にも、観葉植物や花を楽しむ球根、育てて収穫できる野菜やハーブも水耕栽培で育てることができます。100均などで購入した苗やタネを使って、簡単に育てることができます。興味のある方は下記の記事も参考にしてください。育てたい品種や野菜・ハーブ名から育て方がわかります。