もやしは、緑豆や大豆などの豆類の野菜の芽で、スプラウトの一種。種から肥料もいらず、水栽培で簡単に育てられます。この記事では、もやしを種から育てる水栽培の方法や、失敗しない育て方についてわかりやすく説明します。
もやしの水耕栽培について
もやしの基礎知識
もやしは、マメ類の野菜の芽で、新芽(スプラウト)の部分を食します。スプラウトとは発芽してから数日たった新芽のことで、かいわれ大根や、ブロッコリースプラウト、豆苗などが有名です。他のスプラウトは、栽培の後半は日に当てて緑化させますが、もやしは種まきから収穫まで遮光して育てます。
タネまきから収穫まで1週間程度、雑菌が増えやすい真夏以外はいつでも栽培が可能です。スーパーなどでは緑豆もやし(グリーンマッペ)が一般的ですが、自分で栽培すれば市販されていないもやしも食べることができます。
野菜の種は農薬で殺菌・消毒されているものが多いので、種を購入するときは、必ずモヤシ用、スプラウト用のと書かれている種を使いましょう。
もやしの種類
種類 | 概要 | 特徴 |
---|---|---|
グリーンマッペ | 緑豆もやしとして一般的に市販されているもやし。 | |
ダイズモヤシ | 茎はシャキシャキとした食感。 大粒の豆にタンパク質が多く含まれます。 | |
ブラックマッペ | 黒豆もやし。青臭さがなく、関西地方に広がっているもやし。 広島焼お好み焼きに、よく使われます。 | |
アルファルファ | もやしより茎が細く、糸もやしとも呼ばれます。 シャキシャキとした食感で、サラダなどにも使えます。 |
もやしの水耕栽培のポイント
もやしの水耕栽培のポイントは、雑菌を繁殖させないことと、遮光です。
- 容器は消毒する(熱湯をかける、煮沸消毒、アルコール消毒など)
- 段ボールなどを被せて遮光する(過湿の効果もあり。密封はしないこと)
- 発芽、栽培温度は20℃~25℃です。冬は暖かい場所で、夏は冷房の当たらない涼しい場所で管理する
- 水がえは最低1日2回、夏場は3回~4回変える。
もやしの水耕栽培の手順
もやしの栽培は、広口のガラス瓶やグラスなどをつかったビン栽培などの他にも、タッパーなどの底に穴がない容器などを使って育てることができます。
水耕栽培の手順① ビン栽培
用意するもの
- もやしの種
- 広口の瓶(グラスなどでもOK)
- ガーゼ
- 輪ゴム
- ザル
- 段ボール箱
手順
- 手順1容器の準備
ビンは熱湯消毒するか、キッチン用の除菌プレーを内側、外側に吹き付けキッチンペーパーなどでふき取る。
- 手順2タネの準備
ザルにもやしの種を入れて、水道水でザルの中で揺らしながら洗い、水気を切っておく
- 手順3種まき
容器に種をいれる。タネ同士が重ならないように。入れすぎに注意。
タネの2倍ほどの高さまで水をいれ、一晩水に浸けておきます。
ガーゼで蓋をし、口を輪ゴムで止め、段ボール箱にいれておきます。 - 手順4育苗
一晩たったら、ガーゼをしたまま水を捨てます。
ガーゼの上から水をいれ、軽くゆすって種を洗った後、水をすべて捨てて、また段ボールで遮光しておきます。同様の水替えを1日2回行いましょう。 - 手順5殻とり
水替えのときに、タネの殻が取れて浮いてくるので取り除きます。ガーゼも水洗いして、絞って水気を切っておきましょう。
- 手順6収穫
タネまきから7日前後、茎が伸びて葉が出る前に収穫しましょう。
水耕栽培手順② タッパー
用意するもの
- もやしの種
- タッパー
- キッチンペーパー
- ザル
- 霧吹き
- 段ボール
手順
- 手順1容器の準備
タッパーは熱湯消毒するか、キッチン用の除菌プレーを内側、外側に吹き付けキッチンペーパーなどでふき取る。
- 手順2タネの準備
ザルにもやしの種を入れて、水道水でザルの中で揺らしながら洗い、一晩水に浸けておく
- 手順3種まき
キッチンペーパーを4枚重ねにして、タッパーの底に合うようにカットし、タッパーの底に引く。キッチンペーパーを指で押すと水が染み出る程度まで湿らせて、その上に種を重ならないようにまく。
- 手順4育苗
タッパーの上に、段ボールなどを被せて遮光して育てる。
水やりは、霧吹きで種に水を与え、余分な水は捨てて、また段ボールで遮光して育てます。1日2回同様の水やりをします。 - 手順5収穫
7日ほどして、茎が伸びてきたら葉が出る前に収穫します。
水耕栽培の容器について
水耕栽培に使う容器は、タッパーやイチゴなどが入っている容器やペットボトルなどを底に穴が開いていないものなどを使って育てることができます。
最近ではスプラウト専用や豆苗などの水耕栽培専用の容器などもあり、ダイソーなどの100均などでも手軽に手に入れられます。専用の容器はキッチンペーパーなどが不要だったり、水替えが簡単になる根が伸びやすいなどのメリットがあります。
今回はキッチンペーパーで育てる方法を紹介しましたが、スポンジやコットン、脱脂綿などでも代用できます。
まとめ
室内で育てられる水耕栽培は、ハーブや葉物野菜が簡単で人気があります。ガラスなどの器で育てるとおしゃれな観葉植物のようにも見えます。
水耕栽培は通常は、専用の肥料を使って栽培しますが豆苗は、水だけで育ち収穫も長く手10日間ほどですので、初めて水耕栽培に挑戦する人にもピッタリです。家にあるものですぐ始められ、虫なども発生しにくいので、まずはリボベジから始めてみませんか。
『農家web』ではこのほかにも、水菜や小松菜のリボベジや、紫蘇や、バジル、ローズマリー、イタリアンパセリ、ミントなどのキッチンハーブ。レタスやベビーリーフなどの野菜や、観葉植物などの多くの種類の水耕栽培の記事があります。