みょうがは日本の気候にあっており、明るい日陰で育つので、ベランダのプランター栽培でも簡単に栽培できます。ここではみょうがの栽培をプランターで行いたい方のために、植え付けから収穫までの育て方の基本から、冬越しや株の更新までわかりやすく説明します。
みょうがのプランター栽培の手順
みょうがの根株(地下茎)を植えつける手順を説明します。根株は20cmぐらいの太く充実した種茎を選びましょう。苗からの植えつけについては、下記の育て方の苗の植えつけで説明しています。
用意するもの
- みょうがの根株(地下茎)
- 大型プランター
- 野菜用の培養土
- 鉢底石
- 肥料
手順
- 手順1プランターの準備
プランターに、底が隠れる程度に鉢底石を入れます。
その上から、野菜専用培養土をプランターの上部2〜3cm程度のところまで敷き詰めます。側面を軽くたたいて土を落ち着かせます。 - 手順2植えつけ
プランターに深さ5cmの植え溝をつくります。複数植える場合には、株間は15cmほどあけて溝をつくります。
芽を上向きにして植え溝に並べて、上から軽く土をかぶせ手で軽く押さえます。
最後に水をたっぷり与えます。 - 手順3
- 手順4収穫
茎の根元から蕾が地上に3分の2ほどでてきたら、収穫のタイミングです。つけ根をもって、ねじりとって収穫します。花が咲くとスカスカになりおいしくないので早めに収穫しましょう。
- 手順5冬越し
冬になったら地上部が枯れてくるので、地際で刈り取っておきます。
乾燥しすぎないように水やりも続けます。1週間に1度程度でよいでしょう。
みょうがのプランター栽培の育て方
みょうがの基礎知識
みょうがはショウガ科の多年草で、日本各地で古くから自生しており、日本の気候にあっているので一度植え付けすれば、あまり手間もかからず3年~4年ほど収穫できます。普段食しているのは、花雷の部分で花みょうがとも呼ばれます。
栽培は、春に地下茎を植えつけると夏から秋にかけて、地際から蕾がでてくるので花が咲く前に収穫します。手間もかからず、日陰でも育ち多湿を好むので、他の野菜では育ちにくい環境でも育つ、育てやすい野菜です。
作物名 | ミョウガ(茗荷) |
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属名 | ショウガ科ミョウガ属 |
原産地 | 東アジア |
発芽温度 | 15℃〜25℃ |
生育適温 | 20℃〜25℃ |
栽培難易度 | 簡単 |
みょうがの栽培時期
みょうがは、春に苗を植え付け夏から秋にかけて花みょうがを収穫します。関東であれば3月中旬~4月中旬ごろがが植え付けの適期です。花みょうがの収穫は品種により異なります。早生種の夏みょうがは7月~8月、晩生種の秋みょうがは、9月~10月に収穫できます。晩秋になると地上部が枯れてきますが、また翌年の春には芽を出して生育期になります。3年~4年はそのまま収穫が楽しめます。
暖地であれば9月~10月の秋にも植え付けが可能です。寒冷地や初心者の人は、春に植え付けしましょう。
苗の植えつけ
市販されている苗には、根株(地上株)の他にも、すでに葉のついたポット苗もあります。葉が生き生きとしており、太くしっかりしているものを選びましょう。
- プランターに培養土を入れます。
- ポットから苗を取り出し、軽く土を落とし、深さ5cmほどの穴を掘って、苗を植えつけます
- 2株植える場合は株間は15cm~20cmほど、新芽が向かい合うように植えつけます。
- 水を鉢底から水が出るまでたっぷり与えます。
容器・用土
プランターや鉢植えでニンニクを育てる場合は、鉢の場合は10号、プランターであれば横幅60㎝程度ののものを使いましょう。深さは25cm以上の大型のものがよいでしょう。
用土は野菜の培養土が便利。元肥入りのものは肥料が入っているため追加で与える必要はありません。複数年栽培するので、できれば堆肥などの有機物の多い土が良いので腐葉土を1割ほど培養土に混ぜるとよいでしょう。自分で配合する場合は、赤玉土6、腐葉土3、バーミキュライト1などの配合がよいでしょう。元肥には、緩効性肥料を用土に混ぜて施します。
置き場所・水やり
みょうがは、高温、乾燥、強光を嫌います。植え付け後は、敷きワラをして用土がかわかないように育てます。直射日光のあたらない半日陰(明るい日陰)で、室外機などの風が当たらない場所で管理します。
水やりは、生育期は、土の表面が乾いたら鉢底から水がでるまで、たっぷり与えます。基本的に毎日水やりはします。冬になって地上部が枯れた後は、乾燥しすぎないように週1度ほど定期的に水やりをしましょう。
肥料
みょうがのプランター栽培では、肥料は元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。
みょうがは生育中は肥料を切らさず育てます。追肥は、根茎、苗を植えつけてから1か月ほどしたら、1回目の追肥を行います。粒状の化成肥料をばらまくか、固形肥料を置き肥します。化成肥料であれば10g程度を月に1回、液体肥料を水やり代わりに与える場合は2週間に1度施肥します。
肥料は、油かすなどの有機肥料がおすすめですが、プランター栽培ではベランダなどで育てるため、有機肥料は臭いや虫が気になるという方は、化成肥料がおすすめです。
元肥としても追肥としても使えるのは、ハイポネックスの「花と野菜と果実の肥料」や住友園芸の「マイガーデンベジフル」が、ホームセンタ―などでも手軽に買えます。効果が2~3か月ほど続くのでパッケージをよく読んで肥料や施肥量を調整してください。
追肥には化成肥料8-8-8や、有機入りの「野菜の液肥」や「ベジフル液肥」などがおすすめです。
収穫
夏みょうがであれば7月〜8月頃、秋みょうがであれば8月〜9月頃に収穫することが可能です。
みょうがは、株元付近を注意深く探して、適期を逃さずに収穫することが重要です。花蕾(ミョウガ)が地上部に出てきて十分肥大し、花穂が開き始める直前が収穫適期です。花が咲くと実がスカスカになりおいしくなくなるので、早めに収穫しましょう。収穫するときは、花蕾の根本を掴み、ねじりながら引っ張ります。
ミョウガタケを収穫したい場合には、2年目以降に芽がでる前(3月頃)に、段ボールなどで遮光して育てると、色白でやわらかいミョウガの茎が収穫できます。新芽を食するので株が弱るため3年に1度ぐらいしか収穫できません。
間引き・株の更新
ミョウガは3~4年ほどたつと、プランター内で地下茎が混みあって新しく茎が伸びないため、茎がほそくなり花みょうがの収穫量も減ってきます。
6月上旬ごろに、株間が15cm程度になるように茎を引き抜いて間引くと根が張る場所を確保できます。もしくは、休眠期に株をすべて掘り起こし、古い根や株を整理して新しい用土に植え替えします。
病害虫
みょうがは病害虫の被害はあまり多くありませんが、害虫ではハダニ、ヨトウムシ、アザウマ、サツマイモネコブセンチュウなどがつくことがあります。特にハスモンヨトウが葉を食害するので、みつけたらすぐに捕殺しましょう。
病気は、葉枯病や根茎腐敗病などが発生しやすくなります。高温多湿な状況で発生しやすいため、梅雨時期などは、雨のあたらない軒下などで管理しましょう。また株が混みあわないように、株間をあけて風通しを良くすることも効果があります。発生したらすぐに株ごと引き抜いて処分しましょう。
まとめ
みょうがは、普段野菜の栽培に向かない場所で栽培が可能で、1度植えつければ何年も収穫できるコスパのよい野菜です。ミョウガを食べすぎるともの忘れすやすくなるという話が昔からありますが、作り話で、そのような成分はないので心配はいりません。
夏の間の薬味として、甘酢づけも人気があります。初心者の人でも簡単に栽培できるので、ぜひプランターでみょうかの栽培にチャレンジしてみてください。畑などの地植えの栽培方法の記事もあります。地植えしたいかたはこちらも参考にしてください。
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