ニンニクは、家庭菜園でも人気の野菜です。栽培期間は長いですが、病害虫にも強く育てやすい野菜です。畑だけでなくプランターでも栽培が可能です。
ここではニンニクの栽培をプランターで行いたい方のために、植え付けから収穫までの育て方の基本から、水やりや肥料など失敗しない栽培のポイントをわかりやすく説明します。
ニンニクのプランター栽培のポイント
ニンニクは種球(しきゅう)と呼ばれる球根を、秋に植え付けします。植え付けが遅れると春になって球根が大きくならないので、適期に植え付けすることが大切です。一般地・暖地では10月〜11月ころ、寒冷地であれば少し早めの9月〜10月ころに植え付けをすると良いでしょう。
品種は、寒冷地・冷涼地では「福地ホワイト六片」「ニューホワイト六片」などの寒地系品種、暖地では「平戸ニンニク」「上海早生」「沖縄早生」「遠州極早生」「紫ニンニク」などの暖地系品種を選択してください。品種によっては、弱暖地でも栽培ができる寒地系品種などもあります。
種球は、ウイルス病にかかっていない健全なものを選びましょう。
ニンニクのプランター栽培の手順
用意するもの
- ニンニクの種球
- 標準プランター
- 野菜用の培養土
- 鉢底石
- 肥料
手順
- 手順1種球の準備
種球は表皮を剥がして、丁寧に1片ずつバラしていきます。薄皮はそのままでOKです。バラしながら傷んでいるものは取り除いておきます。
- 手順2プランターの準備
プランターの底に鉢底石をいれ、野菜用の培養土を8分目まで入れます。
- 手順3植え付け
りん片を、2列で株間を15㎝ほどあけて頭部を上にして植えつけます。
一番上の頭部の芽の部分が3㎝ぐらい土に入るまで押しこんで、土を被せます。
最後に水をたっぷりと与えます - 手順4芽かき
1カ所から2芽以上でたら、根元を押さえて引き抜いて1本立ちにします。生育(勢い)が一番良い芽を残して、芽かきをします。
- 手順5
- 手順6花芽摘み
春になってとう立ちして花芽が伸びてきたら、根を太らせるため花芽とその下の茎を摘み取ります。切り取った花芽は、ニンニクの芽として食べることができます。
- 手順7収穫
葉茎が3分の2ほど枯れてきたら、収穫のタイミングです。球根を傷つけないように茎の地際をもって引き抜きます。日陰で半日ほど乾燥させて、ネットにいれて風通しの良い場所に干しておきましょう。
ニンニクのプランター栽培の育て方
ニンニクの基礎知識
ニンニクは、秋に植え付けをして、越冬して4月~7月に収穫します。栽培期間は植え付けから8~9か月ほど栽培期間は長いですが、植えつけた後は追肥を与えるぐらいなので、手間のかからない野菜です。
冷涼な気候を好みますが、暑さ寒さはそれほど強くありません。品種は寒地系と暖地系の品種がありそれによりかなり性質がかわるので、その土地にあった品種を選んで育てることが大切です。
作物名 | ニンニク |
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属名 | ヒガンバナ科ネギ属 |
原産地 | 中央アジア |
発芽温度 | 22℃〜25℃前後 |
生育適温 | 15℃〜20℃(品種による) |
栽培難易度 | 普通 |
容器・用土
プランターや鉢植えでニンニクを育てる場合は、鉢の場合は8号~9号、プランターであれば横幅60㎝以上のものを使いましょう。深さは15cm以上あれば大丈夫です。鉢なら株間10㎝ほど、標準プランター(幅65×奥行22×高さ18cm程度)なら2条まきで株間15cmほどに植え付けします。
用土は野菜の培養土が便利。元肥入りのものは肥料が入っているため追加で与える必要はありません。自分で配合する場合は、赤玉土7、腐葉土3などの配合がよいでしょう。元肥には、緩効性肥料を用土に混ぜて施します。
置き場所・水やり
植え付け後は、寒冷紗を被せたり、ワラを敷いてマルチングをしてその上から水やりをします。その後は半日陰で管理しましょう。1〜2週間程度、遅くとも1ヶ月程度で萌芽してきます。萌芽するまでは、追加の水やりは必要ありません。萌芽したら日当たりの良い場所にプランターを移動させましょう。
水やりは、土の表面が乾いたらたっぷり与えます。冬は水やりの回数を減らし、乾かし気味に育てます。暖地であれば特段冬越しの準備はいりませんが、北風が当たらない場所で管理し、霜が降りる場所には寒冷紗などで、防寒対策をしましょう。
収穫前の5月、肥大時期については土壌水分の管理が大切になってきます。しっかりと土壌水分を維持できるように水やりをすることが大切です。
肥料
ニンニクのプランター栽培では、肥料は元肥と追肥を行います。元肥とは植え付け時に施す肥料で、プランターなどでは、元肥入りの野菜の培養土などが便利です。肥料がはいっていない土や、自分で配合した場合は、緩効性肥料を土に混ぜて使います。
生育期間が長いニンニクは、追肥は2回ほど行います。追肥は、種をまいて1か月ほどしたら、1回目の追肥を行います。2回目は、3月~4月に茎が伸びてきたら追肥します。粒状の化成肥料をばらまくか、固形肥料を置き肥します。液体肥料を水やり代わりにあたえてもよいでしょう。
肥料は、有機肥料や化成肥料が使えますが、プランター栽培ではベランダなどで育てるため、有機肥料は臭いや虫が気になるという方は、化成肥料がおすすめです。元肥としても追肥としても使えるのは、ハイポネックスの「今日から野菜 野菜の肥料」や住友園芸の「マイガーデンベジフル」が、ホームセンタ―などでも手軽に買えます。また、ニンニク用の専門肥料もおすすめです。
おすすめの肥料については、詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください。
病害虫
にんにくは、比較的病害虫の被害が少ない野菜です。しかし高温や多湿の時期になると、ネギアザミウマ、ネギコガなどの害虫が発生しやすいです。また病害は、べと病、さび病、葉枯病が発生しやすいので、風通しの良い場所で育てましょう。また症状などと照らし合わせながら、薬剤散布など適切な対処を行いましょう。害虫には、防虫ネットなども有効です。
また生育中のトラブルとして葉が黄色くなることがあります。葉が黄色くなる要因としては肥料不足や、病気や環境によっておこることがあります。葉が黄色くなったら、肥料を与える前に下記の記事を確認してから、原因を探ってみましょう
まとめ
ニンニクは、ニンニク特有の化合物アリシンだけではなく、糖質やビタミンB1なども豊富で、古くから香辛料や滋養強壮としてもよく使われてきました。世界のニンニク生産量の8割は、中国で栽培されており、日本では国産が8割程度を占めており青森のにんにくが有名です。
最近では、新芽のあるニンニクスプラウトなども臭いが少なく、栄養価の高いスーパーフード度して人気があります。ニンニクスプラウトや芽にんにくなどは、土をつかわない水耕栽培でも育てることができます。畑やベランダ、水耕栽培などで育てれることができるニンニク。ぜひ一度育ててみてください。
この他にも、農家webにはプランター栽培の記事がたくさんあります。
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