水耕栽培とは、土を使わず培養液(肥料分を含んだ水)で、野菜や草木を栽培方法で、再生栽培(リボベジ)などでも人気の栽培方法です。
ダイソーなどの100均には、水耕栽培キットや、水耕栽培に利用できるものが多くあります。この記事では、100均の水耕栽培用のキットの使い方や栽培方法のポイントなどを、わかりやすく説明します。
水耕栽培に必要なもの
水耕栽培で野菜やハーブなどを育てる場合に必要なものは、基本はこの5つ。
- 水(水道水)
- 容器
- 育てたい植物の種
- スポンジ
- 水耕栽培用肥料
容器は、特別なものを使う必要はなくペットボトルなどでも代用可能ですが、100均の水耕栽培用の容器を使えば、初心者の人でも失敗のリスクを減らせます。種やスポンジは100均でも買えますが、肥料は販売されていないので別で買う必要があります。
100均の水耕栽培キット
それでは、100均でみかける水耕栽培キットについて説明していきましょう。容器や、観葉植物とセットになっているものがあります。
豆苗プランター
ダイソーなどで見かける豆苗プランターは、豆苗のリボベジ(再生栽培)用の栽培キット。ザルと一体になった容器です。
豆苗はリボベジの代表格で、根の部分を2㎝~3㎝ほど残して、容器にいれて水を入れて使うだけ。毎日水を換える必要があるので、ザルを持ち上げて水替えができるので便利です。
豆苗のリボベジ以外でも、ザルと一体型になっているものは水耕栽培にむいています。背の高いものはむずかしいですが、スプラウトやサニーレタスやベビーリーフなども栽培できます。
ザルの部分に、スポンジやキッチンペーパーなどを敷き、直接種をまいて育てることもできます。根の部分がザルの下の部分に伸びて生長するので、苗を動かすことなく水を換えることができます。
豆苗は肥料がなくても育ちます。豆苗の水栽培の始め方や育て方についてはこちらも参考にしてください。
スプラウトを育てる容器
スプラウトを育てる専用の容器も100均で販売されています。目の細かいザルと、透明なプラスチック容器と一体になっている容器です。スプラウトとは発芽してから数日たった新芽のことで、カイワレ大根や、ブロッコリースプラウトなどが有名です。種をまいてすぐ収穫できるので、スプラウトは初心者の人でもすぐに収穫が楽しめます。
豆苗プランターと違うのは、ザルの目が細かいので、そのままスプラウトの種をまくことができます。また重ねて使うプラスチック容器が透明なので、根の生育が外からわかる他、ザルの間の隙間が大きいので、根元に空気を入れて育てられるので根腐れしにくくなります。
ホームセンターなどでも、同様の製品は見かけますが、400円ほどするので100円で買えるのはうれしいですね。
バルブベース
ダイソーのバルブベースは球根の水耕栽培にぴったりの製品です。300円の商品です。小学生の頃、ヒヤシンスなどの球根を水耕栽培で育てた経験がある人もいるのではないでしょうか。
球根の水栽培は、球根から根を張らせて球根内の栄養分を使用し、地上部を大きく生長させて花を咲かせます。球根は水に浸かりすぎるとすぐにカビが生えたり、腐ったりしてしまいます。「球根が適度に水につかる」ことが重要なのです。
そのためには、球根を支えることができて、根っこの部分だけが水に浸かる器を選びます。このバブルベースは、首の部分がくびれており球根を上に置いて、使うことができます。
この製品以外にも、球根の水栽培には100均の花瓶などでも代用することができます。
水耕観葉アソート
ダイソーやキャンドゥなどでは、観葉植物も多く販売されています。サボテンや多肉植物、パキラ、サンスベリアなどの人気の観葉植物は、水耕栽培に植え替えて育てることもできます。
最近ではダイソーで、水耕栽培の容器にセットされた観葉植物も販売されています。それが水耕観葉アソートです。上部のスポンジの部分に苗がセットされており、底から伸びたヒモが下の部分に入れた水を吸収させています。土で育てた苗を植え替える手間がなくて、水耕栽培で観葉植物を育てたい人にはぴったりです。
100均グッツを使った水耕栽培
この他、専用の水耕栽培キットでなくとも100均には、水耕栽培に使える容器や、スポンジなどが多くあります。サボテンとバジル栽培記事もありますので参考にしてください。
水耕栽培の栽培方法のポイント
水耕栽培の栽培のポイントは、日照と水です。植物の種類により差はありますが、植物は日光がなければ光合成ができず、大きく育てることはできません。最低3時間は日当たりの良い場所で育てることができれば、育てることはできます。
ただし、水耕栽培は直射日光に当てると、水温が上がりすぎたりする危険もあります。真夏などは窓際のカーテン越しの光などで育てましょう。また透明な容器は、藻が生えてしまうことがあるのでアルミホイルなどで遮光するとよいでしょう。
もう一つは水。植物は根から水や、必要な養分を吸い上げますが、同時に酸素を取り込んで成長します。土で育てる土壌栽培では、土の中に酸素が多く含まれています。しかし水にも酸素は含まれていますが、少ないため根の先端を水につけて、根元の部分は空気に触れさせておくことが重要です。
そのため、市販の水耕栽培キットは根が水に全部浸かりすぎないように、工夫されています。
水耕栽培の肥料
水耕栽培で野菜などを育てる場合には、水だけでは育ちません。肥料が必要です。水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。
水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。
家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。苗が小さいころは、パッケージの濃度より薄めて使います。
下記のページに水耕栽培用の肥料についてまとめておりますので、参考にしてください。
まとめ
水耕栽培は、畑や大きな庭がなくても室内やベランダで、家庭菜園を楽しむことができます。まずは、ペットボトルやスポンジ、タッパーなど手軽に買えるものを使って、水耕栽培を始めてみましょう。
ハーブなどは、使いたいときに少しだけ収穫できるので、おすすめです。また野菜嫌いのお子様も、とれたての野菜は味もおいしいですし、育てた過程をみていると食べてくれるという話もよく聞きます。虫が苦手な人も、室内で育てられる水耕栽培は、虫がつきにくいのでおすすめです。
「農家web」には水耕栽培で育てられる、野菜やハーブ、観葉植物の記事が
たくさんあるので、そちらも参考にしてください