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観葉植物の水耕栽培

テーブルヤシの水耕栽培 失敗しない始め方と育て方

テーブルヤシのハイドロカルチャー 観葉植物の水耕栽培

耐陰性もあるテーブルヤシは、室内で育てる水耕栽培(水栽培)でも育てやすい植物です。この記事では、テーブルヤシを水耕栽培で育てたい方向けに、水耕栽培の始め方や、ハイドロカルチャーへの植え替え、育て方についてわかりやすく説明します。

テーブルヤシの水耕栽培の始め方

テーブルヤシは、実生で増やすのが一般的です。単幹のチャメドレア・エレガンスは実生や取り木で増やします。チャメドレア・セフリジーなどは株立ちして子株が増えるので、株分けでも増やすことができます。エレガンスも、ポット苗などでは複数の株が植え付けられているので、水耕栽培は株分けや、ポット苗の植え替えから始めるとよいでしょう。

水耕栽培を始めるには植物の生育期がおすすめです。生育期は5月~10月頃まで、この頃に植え替えや株分けは行います。真夏は株が弱るため避けた方がよいでしょう。できれば生育初期の5月から7月頃に行うのがおすすめです。

テーブルヤシの苗から始める水耕栽培

小さなポット苗から水耕栽培を始めることもできます。エレガンスなどは複数の株が一緒に植えられていることが多いの株を分けて植えつけるとよいでしょう。土で育った根は、うまく水耕栽培に移行できない場合があるので、全部枯れてしまわないようにするため別々に植え替えするのがおすすめです。

  1. 植え替える鉢植えのテーブルヤシは、事前にしばらく水やりをせず乾いた土の状態で始めます。
  2. 鉢から苗を取り出し、土を落とします
  3. 根を水で良く洗い土を落とします。園芸用のシャワーノズルなどがあればより根元の土を落とすことができます。
  4. 日陰で半日から1日ほど根を乾かしておくと、雑菌が入りにくくなります

テーブルヤシの株分けから始める水耕栽培

セフリジーなどの株立ちするタイプは、親株の周りに子株ができて成長します。植え替え時に、株分けしてた子株から水耕栽培を始めてみましょう。

準備するもの

  • テーブルヤシの苗
  • ハサミ(ライターなどであぶって消毒しておく)
  • 園芸用シャワーノズル

株分けの手順

  1. 植え替える鉢植えのテーブルヤシは、事前にしばらく水やりをせず乾いた土の状態で始めます。
  2. 鉢からテーブルヤシを取り出し、根から土をほぐして落とします。
  3. 親株から子株をハサミで切り離します。
  4. 水栽培に使う子株は、根を水でよく洗い土を落とします。園芸用のシャワーノズルなどがあればより根元の土を落とすことができます。
  5. 傷んだ根や、長すぎる根は清潔なハサミで切ります。日陰で切った根を乾かしておくと雑菌が入りにくくなります。

テーブルヤシの水栽培の手順

準備するもの

  • 土を洗い流したテーブルヤシの苗
  • 容器(透明なガラスのほうが根の成長も見え水量も調整しやすい)
  • 根腐れ防止剤(ミリオンA・ゼオライトなど)

手順

  • 器の底に根腐れ防止剤をいれます。鉢底が隠れる程度OK
  • 苗を入れます。
  • 器に水道水を入れます。この時の水位は根が全部浸からない程度。3分の2が水に浸かっているぐらいがよいでしょう。せめて3㎝程度は空気に当ててください
  • 水替えは1週間に一度程度行います。根腐れ防止剤を使わない場合は2~3日に一度は替えます。
  • 新しい芽や根がでるまでは、明るい日陰で管理しましょう。土で育った根は、うまく水を吸い上げられないことがあります。霧吹きなどで葉水を与え、葉が乾燥しないように保ちましょう。

テーブルヤシのハイドロカルチャーへの植え替え

土を使わないで植物を育てる栽培方法を水耕栽培と言いますが、水耕栽培の中でも土の代わりに用土(培土)として、ハイドロコーン、ハイドロボールという丸い発泡煉石を使用したり、ゼオライトを使用して栽培する方法をハイドロカルチャーと呼びます。水だけの栽培とは異なり、植物を固定することもでき、根域の水分量の維持をすることもでき、またインテリアとしてもハイドロカルチャーでの栽培は人気があります。

ある程度の大きさになったらハイドロカルチャーでの植え付けして栽培するのもおすすめです。

準備するもの

  • 土を洗い流したテーブルヤシの苗
  • ハイドロボールなどの人工石
  • ミリオンA・ゼオライトなどの根腐れ防止剤
  • 底に穴がない鉢(透明な容器であれば水位がわかりやすくなります)
  • 土入れ(小さな容器に植え付けるときはスプーンなどで代用可)
  • ハサミ
  • 割り箸等の棒状のもの
  • この他、水やりをするじょうろや、ピンセットなどがあると便利です。水やりの失敗が少ない水位計もおすすめ

手順

  1. 底穴のない鉢に、根腐れ防止剤としてゼオライトを底が見えなくなる程度入れる
  2. ハイドロボールをゼオライトの上にいれます。
  3. テーブルヤシの苗をハイドロボールの上に置き、根を広げます。
  4. 割り箸などを使って、根と容器の間にハイドロボールを入れて固定します。
  5. 最後にじょうろで水やりを。水の量は容器の5分の1程度与えます。水位計を使っている場合は、最適水位(OPT)まで入れましょう。
  6. 新しい芽や根がでるまでは、明るい日陰で管理しましょう。土で育った根は、うまく水を吸い上げられないことがあります。霧吹きなどで葉水を与え、葉が乾燥しないように保ちましょう。

ハイドロカルチャーに使う器は、穴があいていないものでしたらどんなものでも使えますが、大きすぎると水の管理が難しくなります。生長に合わせて植え替えるとよいでしょう。

テーブルヤシの水耕栽培での育て方

テーブルヤシ

テーブルヤシの特徴 

植物の栽培をするうえで、その植物の特徴を知っておくことは大切です。自生地や生育期などを知ればその植物がどのような環境で育てると枯れずに育つのかわかってきます。

テーブルヤシ属には100種類以上があるといわれていますが、最も流通しているのはチャメドレア・エレガンス(Chamaedorea elegans)という品種で、一般的にテーブルヤシといえばエレガンスを指します。

熱帯のジャングルに自生するテーブルヤシは暑さには比較的強いですが、寒さはそれほど強くはありません。耐陰性があり、日陰でも育ちますが暗い場所で育てると株が弱ります。風通しの良い室内の明るい場所で育てるとよいでしょう。

冬は、5℃以下にならない場所で管理し、肥料や水やりを控えて育てれば冬越しが可能です。手間のかからず丈夫な植物ですので、初心者の人にもおすすめの観葉植物です。

学名 Chamaedoreo
属名 ヤシ科テーブルヤシ属
原産地中南米(メキシコ~グアテマラ)
樹高30㎝~3m
耐寒性等耐寒性 弱い 耐暑性 強い
花言葉「あなたを見守る」

置き場所、日当たり

テーブルヤシは、半日陰を好みます。直射日光に当てると葉焼けを起こすので気をつけましょう。耐陰性もありますが、あまり暗いところで育てると花がつかない、またはヒョロヒョロと徒長してしまうこともあります。

春から秋の生育期は、風通しのよい明るい日陰。室内であればレースカーテン越しのやわらかな光が当たる場所がよいでしょう。冬は室内で5℃以下にならない窓際などで管理します。秋からすこしづつ日向に慣らすと葉焼けをせずに管理できます。夜は窓際は温度が急激に下がるので注意しましょう。

水の量と交換時期

植物は葉や茎そして根からも酸素を吸収しています。水栽培で育てている場合は土やハイドロカルチャーに比べて、酸素が吸収しにくくなります。水の温度が上がると酸素の溶け込む量がすくなくなるため、弱って枯れてしまう可能性もあります。特に夏場は注意が必要です。

理想的な水栽培の水位は、根の半分から3分の2が浸かる程度。少なくとも根元3㎝は空気に触れるようにします。水は週に1回程度、ただし気温が高くなると水が濁るので濁ったら水を交換します。容器にがつくことがあります。水替えの時に容器も洗ってあげましょう。

スパティフィルムは多湿を好みます。乾燥が続く時には夕方に霧吹きなどで、葉水を与えてあげましょう。

ハイドロカルチャーの水やり

ハイドロカルチャーは、水を鉢の中に溜めて育てるます。ハイドロボールなどは外から乾いているようでも鉢の中側は湿っていることも多いです。生育期である春から夏は、鉢の中が乾いてから2日~3日ほど待ってから与えましょう。

水は鉢の5分の1まで、容器にもよりますが鉢底1cm程度で大丈夫です。水位計を使っている場合も同様に、水位計の針がmin(水切れ)まで下がってから2~3日ほど待ってから水をopt(適正水位)まで入れます。秋から水やりの回数を減らし、休眠期の冬は、月に1~2回、霧吹きで水を上げる葉水で行います。

テーブルヤシは多湿を好みます。年間を通して、葉が乾燥しないように霧吹きなどで、葉水を与えてあげましょう。

もし水を入れすぎてしまったら、鉢の上からタオルなどで押さえて、鉢を傾けて水を出しましょう。水耕栽培は新鮮な水を与えることが大切です。水をいれすぎると、根腐れのほかにも、水が腐る可能性もあります。

編集さん
編集さん

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肥料

テーブルヤシは土で栽培するときには、それほど肥料を必要としません。しかし水耕栽培は土から栄養が取れないため、水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。水耕栽培の肥料は、液体肥料(液肥)を薄めたり、粉末状のものを水に溶かして使います。春から秋までは月に1度ほど肥料を与えます。水の交換のときか、ハイドロカルチャーの場合は水やりのときに水代わりに規定量に薄めて使います。肥料を使うと藻が発生しやすいので、水草用の肥料もおすすめです。

水栽培やハイドロカルチャーに使える液肥は、ハイポネックスハイポニカ液体肥料や水草用メネデールなどがあります。活力剤は、元気がない時などにも使えます。

肥料の与えすぎると肥料やけを起こして枯れることもあります。休眠期の冬には与えないこと。また肥料は絶対にまぜてはいけません。

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まとめ

テーブルヤシは、小さな苗なら100均などでも見かけます。丈夫で育てやすく水耕栽培では、あまり大きく育たないため、室内に置ける小さな観葉植物としてピッタリです。器や、土に代わる培土を工夫するだけで、部屋をおしゃれにすることもできますし、虫などの心配も少ないのでおすすめです。

水耕栽培では、ハイドロカルチャーだけでなくテラニウムなども人気があります。また最近ではインターネットなどでも水耕栽培用の栽培セットなども売られています。水位計や専用のポットは栽培をより簡単にしてくれます。最近はダイソーなどで水耕栽培用にセットされた苗も見かけます。ぜひお気に入りの観葉植物を水耕栽培で育ててみてください。

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執筆者・監修者情報
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農家web編集部のメンバーが「農業者による農業者のための情報サイト」をコンセプトに、農業に関するあらゆる情報を丁寧にまとめてお届けしていきます。
編集部のメンバーは皆、実際に農業に携わりながら情報をまとめています。農学を極め樹木医の資格を持つ者、法人の経営・財務管理に長けている者、大規模農場の営農経験者などバラエティに富んだメンバーで構成されています。他にも農機具やスマート農業機器、ITなどのスキルも兼ね備えています。

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