ベビーリーフは、幼葉(新葉)だけを、摘みとって食べるサラダ野菜。栄養価も高く、いろいろな形や味・香りを楽しむことができ、手軽なことからスーパーなどでも広く販売されています。
幼葉を摘みとるベビーリーフは収穫の日数も短く、水耕栽培に向いています。この記事では、ベビーリーフの種まきから始める水耕栽培の始め方や育て方について、わかりやすく説明します。
ベビーリーフについて
ベビーリーフという種類の野菜があるわけではありません。ベビーリーフは葉野菜の幼葉の総称です。市販のベビーリーフには、ロメインレタスや、エンダイブなどのリーフレタスや、ルッコラなどのハーブ類、水菜などの菜っ葉や、スピナッチなどのほうれん草や、ケール、セルリーなどの野菜を時期や味のバランスを考慮されて、ミックスされて販売されています。
ベビーリーフとして売られている種も、種苗会社によって入っている品種はさまざま。単一種の種もありますし、ミックスされているもの販売されています。自分で栽培するのであれば、自分のオリジナルのベビーリーフを作ることができます。
ベビーリーフの種まきから30日程度と早く収穫できます。品種を選べば通年栽培も可能なので、水耕栽培に向いています。
ベビーリーフの水耕栽培の手順
ベビーリーフの水耕栽培は、は種(タネまき)から始めます。自分が育てたい種類のベビーリーフの種を選びましょう。
種まきの時期
ベビーリーフの発芽温度は20℃~25℃前後のものがほとんどです。露地栽培では春まきもしくは秋まきが主流です。
水耕栽培は室内でも育てられます。室内で育てる場合には、発芽温度が保てるのであればいつでも大丈夫です。春から夏の暖かい時期は生育が早いので、発芽も収穫も早くできます。冬場は発芽まで時間がかかるため収穫は種まきから1か月以上かかることもあります。
またレタスの生育温度は15℃~20℃程度と冷涼な気候を好みます。リーフレタスなどを育てる場合は、真夏の高温時は種まき・栽培とも避けた方がよいでしょう。
準備するもの
手順
- 手順1スポンジの準備
キッチン用のスポンジを、そのまま使います。カッターで、スポンジに深さ2㎝ほどの切込みを2列入れます。2層式の場合は、硬い方が上です。
タッパーに水をいれ、スポンジに水を吸収させます。
- 手順2種まき
切り込みを入れたスポンジに、竹串などをつかって5㎜間隔でタネをいれていきます。
- 手順3発芽を待つ
タッパーの蓋を、閉めずに、軽く斜めにおいて乾燥を防ぎます。蓋がない場合には、ラップを軽くかぶせ、竹串などで穴をあけておきます。明るい日陰で管理しましょう。スポンジが乾かないように適度に水を足します。
発芽したら、日の当たる場所に移動して育てましょう。
- 手順4水耕栽培に移行
本葉が複数になり、スポンジの下から、根がでてくるぐらいになったら水耕栽培移行する時期です。大きく育っていない芽があれば、切り取って、間引きしておきましょう。
タッパーのままでも育てることができます。水を肥料を入れた水(培養液)に変えて育てます。水位はスポンジの半分以下、3分の1ぐらいが目安です。
- 手順5収穫
種まきから30日~45日程度で収穫の時期です。外側の葉から収穫しましょう。10㎝ほどに育ったら収穫します。根元から1㎝~2㎝程度のところで刈り取ると、また新たな葉が生えてきます。
容器について
水耕栽培の容器は、専用の容器などは苗を発芽させるスポンジの下に空間があるようにつくらています。これは、根が空気に触れることにより根腐れを防ぎ、根の成長を促進させる効果もあります。
根が大きく育つものは、根元が水につからないよう2㎝~3㎝ほど空けて育てるとよいでしょう。ペットボトルを使った容器などが使われます。ベビーリーフは根がそれほど伸びる前に収穫するため、タッパーなどの容器に、水を入れすぎなければ育てることができます。
100均一などでは、豆苗用の水耕栽培用の容器やザルとセットになった容器も、水耕栽培に向いており、水替えに便利です。なども販売されています。ハイドロボールなどをスポンジの下に敷くことで、空気を含ませることもでき、水やりも簡単で、野菜を固定する役割もあります。
ハイドロボールを使った栽培方法については、リーフレタスの水耕栽培の記事に記載しています。興味のある方はそちらも参考にしてください
ベビーリーフの水耕栽培の育て方
置き場所・環境・水やり
ベビーリーフは、日の当たらない場所で育てると、ひょろひょろと細い茎が伸びてしまう徒長が起きてしまいます。芽がでたらすぐに、日の当たる場所で育てましょう。
室内で育てる場合も、日当たりの良い窓辺で育てましょう。ただし真夏などは温度が上がりすぎてしまうこともあるので、直射日光を避けるなどの対策が必要です。
水やりは1週間に1度程度交換します。水が濁っていたり不足しているようなら、交換や追加をしましょう。土での栽培と異なり、栄養は肥料でしかとれません。必ず水耕栽培用の肥料を一緒にいれて水やりをしましょう。
肥料
水耕栽培でベビーリーフを育てる場合には、水だけでは育ちません。肥料が必要です。水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。
水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。
家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。苗が小さいころは、パッケージの濃度より薄めて使います。
下記のページに水耕栽培用の肥料についてまとめておりますので、参考にしてください。
まとめ
ベビーリーフは、土で育てる(土耕栽培)でもプランターなどでも手軽に栽培が可能です。またパーライトやハイドロボールなどで育てるハイドロカルチャーでも栽培することができます。
スポンジだけで育てられるベビーリーフは、栄養価も高く手軽で簡単な水耕栽培です。初心者の方でも簡単にチャレンジすることができます。自分で作った野菜を摘んで食べる喜びをぜひ味わってください。
農家webでは、このほかにもレタス、ルッコラ、大葉、イタリアンパセリ、水菜などの野菜やハーブ、多肉植物や観葉植物、球根などの水耕栽培の記事もあります。