夏にそうめんや冷ややっこなどに活躍する大葉(しそ)は、水耕栽培で自宅で簡単に育てることができます。ここでは、種や挿し木から始める大葉(シソ)の水耕栽培について、ペットボトルとスポンジで育てる方法についてわかりやすく説明します。
大葉(しそ)の水耕栽培について
水耕栽培とは、土を使わず培養液(肥料分を含んだ水)で、野菜や草木を栽培する方法です。水耕栽培で育てる場合には、土から栄養をとれないため水耕栽培で使える液体肥料を使って育てる必要があります。
葉物の野菜は水耕栽培向きで、大葉やルッコラ、バジルなどは生育がおう盛で丈夫なため、初心者の方でも育てやすいハーブです。少量ずつ収穫して、いつでもフレッシュな香りを楽しめるためハーブの水耕栽培は人気があります。
大葉(しそ)の水耕栽培は、播種(タネまき)、挿し穂、苗から始められます。ホームセンターなどで販売されているポットの苗から始めるのが一番簡単です。種は、ダイソーなどの100均などでも手軽に買えるのでたくさん作りたい人には種がおすすめです。
タネまきから始める大葉(しそ)水耕栽培
種まきの時期
大葉の発芽温度は、20℃~25℃。タネまきの時期は、4月~6月が適期です。室内で発芽温度が保てるのであれば、この時期以外でも発芽させることもできます。
準備するもの
- スポンジ(キッチン用のスポンジでOK 。メラニンスポンジは不可。やわらかめがおすすめ)
- 水
- ラップもしくはティッシュペーパー
- 竹串(爪楊枝でも可)
- 500mlのペットボトル
- 水耕栽培用の肥料
- カッターもしくはハサミ
手順
- 手順1ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。キャップは、外しておきます。
- 手順2スポンジの準備
スポンジを、2㎝~3㎝程度に四角にカットし、十字に切り込みを入れます。
- 手順3種まき
飲み口を逆さにしたペットボトルに、スポンジをセットします
スポンジに水を十分含ませて、切込みに竹串などを使って、種を2~3粒差し込みます。あまり深く押し込まないようにします。
- 手順4ペットボトルにセットして発芽を待つ
切り取ったペットボトルの下部に水をいれ、手順3でスポンジをセットしたペットボトルをセットします。上からラップをして、爪楊枝で数か所穴を空けます。
直射日光のあたらない、暖かい場所で管理します。スポンジが乾かないように、水を足して発芽を待ちましょう。7日~15日程度で発芽します。
- 手順5育苗
発芽したら、すぐに明るい日の当たる窓際などへ場所へ移しましょう。根が伸びてきたら、ペットボトルの水の量を減らし、根の半分程度が水に浸るようにします。水は毎日取り換えます。
1つのスポンジから複数の芽が出て場合は、一番大きな苗を残して間引きしましょう。もったいなからといって残しておくと大きく生長しません。
- 手順6肥料を与える
ペットボトルの飲み口の部分から根がでるぐらいに成長したら、肥料を与えて育てます。濃度は、使用する肥料によって異なりますので、肥料のラベルをよく読んで適合する濃度に薄めると良いでしょう。まだ、苗が小さいときにはそのさらに半分程度の濃度で栽培すると安心です。
培養液(肥料をいれた水)は3日1度は交換しましょう。
編集さん光があたるとペットボトルには、藻が発生しやすくなります。アルミホイルやペットボトルカバーなどでカバーしましょう。根が伸びやすくなる効果もあります。
- 手順7収穫する
大葉が大きくなってきたら、2~3枚ずつ収穫しましょう。薬味などにピッタリです。
苗から始める大葉(シソ)の水耕栽培
土で育たったポットから水耕栽培を始めるのは簡単です。早く収穫したい人や水耕栽培を早く始めたい人におすすめです。
苗の植え替え時期
大葉(しそ)の苗は、園芸店やホームセンターなどで4月頃から出回ります。苗を買ったらすぐ水耕栽培が始められます。寒いと生育がよくないので5月以降に購入したほうが、栽培が簡単です。
準備するもの
- 大葉の苗
- スポンジ(なくても可)
- ペットボトル (苗の大きさに合わせたもの)
- 水耕栽培用肥料
- 水
手順
- 手順1根を洗う
ポットから苗を取り出し、土をほぐして落とします。その後、水でよく洗い流します。シャワータイプやキリなどを使って、根をほぐしながら土をよく落としましょう。
- 手順2ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を7㎝~8㎝のところでカットします。キャップは不要です。ペットボトルの下部に水をいれておきます。
- 手順3ペットボトルにセットする
切り取ったペットボトルの上部を飲み口を下にして、飲み口から根がでるように苗をセットします。
苗が大きく根が全部出ない場合は、飲み口の部分をカットして、根が傷つかないようにして下にだします。この時、苗の根元に中央に切り目を入れたスポンジを挟んで調整することができます。
- 手順4肥料を与えて育てる
水耕栽培用の肥料を水にいれて、育てます。明るい窓辺などでに日当てて育てます。日光に当たると藻が発生するのでアルミホイルなどで、ペットボトルをカバーするよよいでしょう。
培養液(肥料を入れた水)は、3日に1度は替えましょう。この時、ペットボトルが汚れていたら洗い流します。
- 手順5収穫
大きくなったら、2~3枚ずつ収穫して楽しみましょう。
挿し木から育てる大葉(シソ)水耕栽培
挿し木の準備
大葉(しそ)は、挿し穂(挿木)からも増やすことができます。スーパーなどで売られている茎が少ししかないシソの葉は使えません。成長点がないので、それ以上大きくはなりませんので大葉を育てている知り合いから譲っていただくか、自分で育てた大葉を使って挿し木を準備しましょう
大葉の先端から10㎝から15㎝の部分をカットします。一番上の葉だけ残して、あとはカットします。上の葉が大きいときは、蒸発を防ぐため、半分にカットします。一番下の切り口は斜めにスパッとかっとします。断面を広げることで、水を吸い上げやすくします。
準備するもの
- 大葉の挿し木(挿し穂)
- スポンジ
- ペットボトル500ml
- メネデール(発根促進剤なくても可)
- 水耕栽培用肥料
- 水
発芽促進剤のメネデールは、あると発芽の確立がUPします。小さなものがホームセンターでも売られています。活力剤ですので、植物が弱った時にも使えます。
手順
- 手順1ペットボトルの準備
ペットボトルの上部を飲み口から7センチ程度のところをカッターやハサミなどで切り取ります。
上部を逆さにして下部にセットして使います。
- 手順2スポンジに枝をセットする
スポンジを3㎝角に切り、中央に十字の切り目をカッターでいれ、水を吸わせます。十字に切ったスポンジの間に大葉の茎を入れます。
- 手順3ペットボトルに設置
ペットボトルの下の部分に水をいれ、手順2で作った苗とスポンジを上部にセットします。口の部分から水を吸い込みます。
- 手順4水の交換
明るい日陰に置いて、2~3日に1度水を換えましょう。スポンジが乾かないようにします。水替えはメネデール100倍液を使います。ペットボトルの下の部分が汚れていたら、洗って清潔にしておきます。
- 手順5発根後
発根には、2週間から1か月ほどかかります。根がスポンジの下からでてきたら水の量を変えます。根の半分が根につかるぐらいにして根の上部は空気が当たるようにして育てましょう。
ここからは水耕栽培用の肥料を与えて育てます。培養液(肥料を入れた水)は3日に1度は替えましょう。
水耕栽培の肥料について
水耕栽培で大葉(しそ)を育てる場合には、水だけでは育ちません。肥料が必要です。水耕栽培用の肥料を使って育てましょう。
水耕栽培用の肥料は普通の肥料とは異なり、カリ成分が高めに設定されていたり、二次要素(多量要素)や微量要素も含まれているなど、普通の肥料とは組成が異なります。水耕栽培は根が直接栄養素を吸い上げる形になりますので、培養液の組成や状態がとても重要となります。必ず水耕栽培用の肥料を使用しましょう。
家庭で使える水耕栽培用の肥料として有名なものは「ハイポニックス微粉」や「ハイポニカ液体肥料」です。
下記のページに水耕栽培用の肥料についてまとめておりますので、参考にしてください。
摘芯と収穫について
大葉(しそ)は、収穫時に大きくなった根元の葉から収穫する方法もありますが、収穫時に摘芯をすることで、わき芽を増やして、収穫を増やすことができ、草丈を抑えることもできます。
草丈が30cmほどになったら、葉の収穫をかねて摘芯をおこないましょう。主茎の先端を摘みとると、わき芽がでて側枝になり、枝葉が増えて収穫量が増えます。
シソは花が咲くと葉が固くなります。葉の収穫が目的であれば、こまめに花芽を摘み取りましょう。
まとめ
大葉は、紫蘇(しそ)とも呼ばれ日本で古くから栽培されてきました。水栽培も簡単に行えるので、筆者も毎年水栽培で育てています。そうめんに入れたり、冷ややっこに乗せたりと手軽に使えてとても便利です。容器はペットボトルなども手軽で便利ですし、100均のザルや、プラスチップコップなどを使って栽培することも可能です。
大葉以外の野菜も、ハーブやレタスなども室内で水耕栽培で育てることができます。ぜひ一度挑戦してみてください。
その他の水耕栽培のコンテンツ
ハーブの水耕栽培は大葉の他に、アロマティカス、イタリアンパセリ、大葉(しそ)、クレソン、ディル、パクチー、バジル、三つ葉、ミント、ラベンダー、ルッコラ、ローズマリーの育て方の記事があります。下記の記事から、それぞれのコンテンツにアクセスすることができます。
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