選択制除草剤とは
除草剤は接触した全ての植物を枯らす「非選択性除草剤」か、対象とする植物種を枯らす「選択性除草剤」かに分けられます。選択制除草剤は、栽培している作物や芝生を枯らすことなく、特定の植物だけを枯らすことができるので、全面散布が可能な便利な除草剤です。
その作用は、それぞれの植物種の特有の代謝・生長システムの違いを利用したものや、水稲の除草剤のように、種の小さな雑草は土壌の浅い場所から発芽する物理的差異を利用するものもあります。
選択制除草剤の種類
選択性除草剤は、植物の種類によって効果がわかれています。具体的にはイネ科雑草、広葉雑草だけを枯らすものや、イネ科には効果がなくノビエだけからすものなどもあります。また芝生の除草剤は、種類が豊富で芝生を枯らさずに、さまざまなタイプの雑草を枯らす除草剤があります。
畑に使える選択制除草剤
ナブ乳剤
有効成分 セトキシジム
ナブ乳剤は、スズメノカタビラを除く一年生イネ科雑草、多年生イネ科雑草に対して高い効果を発揮する茎葉処理剤です。50種類以上の作物に登録があるので、幅広い作物で使用が可能です。吸収移行性を持ち、根まで枯らすことができます。グリホサートに抵抗性のある雑草(オオシバやネズミムギ)などに効果のある除草剤としても使うことができます。
トレファノサイド乳剤
有効成分 トリフルラリン 44.50%
トレファノサイド乳剤は、さまざまな野菜に使える畑作用の土壌処理剤です。一年生畑作雑草(ツユクサ科、カヤツリグサ科、キク科、アブラナ科を除く)、特にイネ科雑草に効果が期待できます。粒剤もあります。
芝生に使える選択制除草剤
2,4-D「石原」アミン塩(24d)
有効成分 2,4PAジメチルアミン塩49.5%
2,4-D「石原」アミン塩(24d)は吸収移行性を持つ液体の茎葉処理剤です。広葉雑草に効果が高く、イネ科雑草にはイネ科雑草には効果が弱いので、芝生の除草剤としても使われます。
シバキープⅢ粒剤
成分 メコプロップPカリウム塩、DBN(ニトリル系)
シバキープⅢは、レインボー薬品が販売するパラパラまくだけで日本芝(コウライシバ)の中に生えた雑草に効く顆粒の除草剤です。芝生は枯らさず、生えてくる雑草をしっかり抑えることができます。効果も約4ヶ月も持続します。
このほか芝生の除草剤は、芝生の種類によっても使える除草剤が異なります。芝生の除草剤については他にも詳しい記事が多くありますので、そちらも参考にしてください。
非選択性除草剤について
芝生や水稲などでは、個別に除草剤を散布するのは、大変なので選択制除草剤が便利です。しかし、畑の株間の除草や、庭などでは非選択性の除草剤を使った除草もできます。
非選択性の中でも、ラウンドアップなどのグリホサート系除草剤や、ザクサ、バスタなどの接触型の除草剤は茎葉処理剤は、薬剤がかかった雑草のみ枯らします。作物や有用植物に薬液がかからなければ、雑草のみ枯らすこともできます。土壌処理剤は土に残って根から吸収されるものもあるので、薬害がでてしまうので使用しないようにしましょう。