除草剤 一刀両断の特徴
成分
一刀両断はグリホサート系と呼ばれる除草剤です。有効成分は、グリホサートイソプロピルアミン塩41%。アミノ酸である“グリシン”と“リン酸”の誘導体です。植物のアミノ酸の合成を阻害することで雑草を枯らします。
除草剤は各社からこのグリホサートイソプロピルアミン塩41%の製品が多く発売されています。同じ有効成分でも、農薬登録されたものと、農薬登録されていない除草剤があります。
効果
除草剤は簡単に2パターンに分けられます。土表面に散布して雑草の発芽を抑制したり、発芽直後に枯死させる「土壌処理剤」と、すでに伸びている雑草の葉や茎に直接かけて枯らしてしまう「茎葉処理剤」です。茎葉処理剤には、薬液がかかった葉茎のみからすタイプと、葉や茎から吸収移行して根まで枯らすタイプがあります。
グリホサートを使った除草剤は「茎葉処理剤」で、薬液がかかった葉茎を枯らすことはもちろん、グリホサート成分は吸収移行して、根まで枯らす効果があります。非選択性なので薬液がかかった植物はほぼすべて枯れてしまいます。
特徴
- グリホサート系除草剤 葉や茎にかけるだけで根まで枯らすことができます
- 非選択性 薬剤がかかるとすべての植物が枯れてしまいます
- 非農耕地用 農薬登録されていない登録外除草剤。農耕地で使うと罰せられます
- 原液タイプ 雑草に合わせて、水で希釈して使います。
- 安価 原液タイプで500ml、約600円と安価です。
一刀両断の使い方・注意点
水で希釈して噴霧器やジョウロで散布します。希釈倍率は、枯らしたい雑草によってことなりますが一般的な一年生の雑草には、原液10mlに1ℓの水で希釈します(希釈倍率100倍)、ドクダミやクズなどのしつこい多年生雑草には希釈倍率50倍、スギナには25倍にして散布します。
非農耕地用とパッケージに記載があるように、畑や山林などの農耕地では使えません。家庭菜園でも畑などに使うと農薬取締法違反で罰せられますので絶対に使わないでください。
農耕地とは
まず農耕地と非農耕地がどこを指すのか。きちんと理解しておきましょう。
農耕地とは、畑、果樹園、田んぼ、畦畔、山林などで、自宅の庭でも植物を植えた庭も、農耕地扱いです。非農耕地は、駐車場や道路、鉄道や堤防などで、人が植えた植物がない場所(周りに守るべき作物がない場所)です。
農薬ではない除草剤とは
パッケージを読むと、赤字で「本剤は農薬ではありません。農作物や植木・芝・花き等の植物の栽培・管理に使用すると罰せられます」との記載があります。これはどのような意味なのでしょうか。
除草剤には、農薬に登録されている除草剤と登録されていない「登録外除草剤」があります。農耕地に散布できる除草剤は、農薬取締法に基づき国に農薬登録をされている除草剤でなければなりません。農薬として登録された除草剤のパッケージには[農林水産省登録第○○号]と表記されています。
農薬への登録は、安全を担保するため、薬効、薬害・残留性、動植物への毒性・影響を調査し、国の厳しい基準を満たす必要があります。
一方農薬に登録されていない除草剤は、同じような成分で価格が安価なため手に取る人も多いですが、農耕地では使えません。農薬登録の手続きをとっていないため、作物等の影響を調査していない可能性もあります。農薬登録には莫大なコストがかかります。そのため農薬として登録されていない除草剤が安価で販売されているのです。農薬と聞くと怖いイメージがあるかもしれませんが、農薬登録されている除草剤は、ラベルに従って使えば安全であると保障されているのです。
これらの除草剤は2019年3月に「農薬として使用できない」旨の表記が義務付けされています。一刀両断もこちらに該当します。
その他のグリホサート除草剤
ホームセンターには他にもグリホサート系除草剤は多く販売されています。
グリホサート系で一番メジャーなラウンドアップは初代のラウンドアップの成分がグリホサートイソプロピルアミン塩41%で、こちらのジェネリック製品がサンフーロンです。ラウンドアップは現在3代目でラウンドアップマックスロードで、成分がグリホサートカリウム塩48%で、朝露にも強く、雨が降っても効果が薄まる時間が短くなっているなどの違いがあります。どちらも農薬登録されている農耕地でも使える除草剤です。
ジェネリック製品とマックスロードの違いは、詳しい記事がありますので参考にしてください。