敷くだけで雑草の生育を止める防草シートは、防草に便利なアイテムですが、法面などの斜面でも使えるのでしょうか。ここでは畦畔や法面などの斜面での防草シートの使い方や注意点の他、その他の法面の防草対策や除草の方法などを説明します。
法面で防草シートは使えるのか
法面などの斜面で、防草シートは使えるかは、どこでも使えるわけではありません。場所によって使えない場所もあります。
実は法面などの斜面で、防草シートをつかうのは危険が伴います。傾斜がきつければ設置自体も難しいだけでなく、地盤によっては、防草シートを敷くことによって土がやせて土砂崩れが発生する可能性もあるのです。
畦畔や法面などの斜面は、草などが根を張ることで地面が固くなり、斜面を支えている場合があります。防草シートを敷くことで、根が張れなくなったり弱くなったりすることの他、防草シートに覆われてしまうため、土がどのような状況になっているのかわからなくなってしまいます。
特に傾斜が40度以上の法面などは、自己判断せずに専門の業者に土壌を確認してもらい、防草シートが使える場所なのか、きっちり判断してもらう必要があります。
法面におすすめの防草シート
防草シートに適した土地であれば、防草シートはどのようなものがよいのでしょうか。法面などの傾斜地に防草シートを設置するのは、自分で行うのも大変ですし業者に頼むのもコストがかかります。防草シートは、敷いた後に砂利や人工芝などを上に敷くと紫外線による劣化を防ぐことができますが、法面などでは、むき出しで使うしかありません。できるだけ交換の手間を省くために、耐久性の高いものを選びましょう。
耐久性の高い防草シートといえばデュポンのザバーンですが、斜面に使うなら一番耐久性の強いザバーン350Gがおすすめです。耐用年数は、曝露状態でも約10〜15年以上あり、ポリプロピレン製資材なので、水の浸透率(透水性)は十分あり、遮光率99.7%、雑草の突き破りにもつよい4層構造の不織布タイプ。
法面での防草シートの施工方法
防草シートの施工方法は、法面でも基本的には同じです。足場が不安定で防草シートを広げるのも大変ですので、なるべく複数人で行いましょう。
- 除草 除草剤や草刈機で、今ある雑草を取り除きましょう。
- 整地 石や草の根や切り株などをなるべく取り除き、平坦に整えます。
- 防草シートの設置 少しずつ広げて設置します。防草シートの継ぎ目は10㎝ほど重ねて、粘着テープや接着剤をつかって隙間がないようにします。ピンを50㎝間隔で打ち込んで固定します。
その他の防草方法
広い法面などでは、この他の防草としては、モルタル吹付、コンクリート打設、平張りブロックなどがありますが、どれも大がかかりな工事となりコストもかかります。
畦畔などの法面では、センチピードグラスやクリーピングベントグラスなどのグランドカバー植物で、畦畔を被うことで、他の雑草の侵入を防ぐ効果が期待できます。
防草シート単体だけでなく、防草シートとグランドカバープランツを組み合わせ、シートで雑草を抑制し、その表面にグランドカバープランツで被覆することで、畦畔を強化し景観をよくする効果もあります。
法面の除草方法
刈払機・斜面草刈機での除草
斜面での草刈りは、刈払機で行っている方も多いですが慣れている方でも、危険と隣り合わせです。足を滑らせて刈払機と一緒に落ち、回転したままの刃に巻き込まれるという恐ろしい事故も残念ながら起きています。
長袖長ズボンはもちろんのこと、足元はしっかりスパイクの付いた靴や地下足袋などを履き、ヘルメット、ゴーグル、フェイスガード、脛あてなど安全対策はしっかり行いましょう。また複数人で行う場合には、距離をとって上下では行わないことが大切です。
できれば、斜面で使える自走式草刈機や、ラジコン草刈機、ロボット草刈機でも急斜面で使えるものがありますのでそちらの使用をおすすめします。購入だけでなくレンタルもありますので安全を考え、検討してみてください。
斜面の草刈りについては、方法や刈払機、斜面で使える草刈機、服装等についても詳しい記事がありますのでそちらも参考にしてください。
除草剤
畦畔などの法面では、畦の崩れなどの心配があるため草刈機で行っている人が多いですが、除草剤をうまく使うことで、草刈の手間を軽減することができます。しかし除草剤選びを間違えると、畦が崩れる原因ともなります。抑草剤や、根まで枯らさない除草剤をつかうとよいでしょう。
畦畔におすすめの除草剤はこちらで詳しく説明しています。