園芸用/生産者用の化成肥料のパッケージを見てみると「8-8-8」のように、数字が大きく記載されている場合があります。この記事では、化成肥料「8-8-8」の数字の意味や実際に含まれる各要素の含有量、使用方法などについて詳しく解説します。
「8-8-8」の数字の意味
化成肥料のパッケージなどに記載されている「8-8-8」の数字は、それぞれ窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の含有保証成分の割合(保証成分量)を示しています。
「8-8-8」の場合は、その肥料の正味重量に対して、窒素(N)が8%、リン酸(P)が8%、カリウム(K)が8%、それぞれ含まれているということになります。ここで一点注意が必要な点として、「kg(キログラム)」ではなく、「%(パーセント)」で表記されるということを覚えておきましょう。
実際の窒素、リン酸、カリウムの含有重量を知りたい場合にはどのように計算すればよいでしょうか?
例えば、「N-P-K:8-8-8」の肥料10kgを畑に散布するとします。その場合、以下の計算式で各要素の含有量を計算できます。
よって、「N-P-K:8-8-8」の肥料10kgを畑に散布すると、窒素・リン酸・カリウムそれぞれを0.8kgずつ補給したことになります。
「8-8-8」の化成肥料の簡単な使い方
「8-8-8」の化成肥料は、最も一般的な化成肥料と言っても過言ではありません。窒素、リン酸、カリウムがバランス良く含まれているため、適用できる作物の範囲を広いです。また、成分量が少ないため、安心して使用することができます。
例えば、こちらの化成肥料の場合は、下記の栽培方法に対して、施肥がしやすいそうです。元肥、追肥どちらもで使用することができます。
- 菜園
- 花壇
- コンテナ
- プランター、鉢
元肥、追肥時の施用量など詳しい使い方は、各肥料のパッケージやパンフレット記載の方法に従うと良いでしょう
8-8-8化成肥料の代表的な商品一覧
サンガーデン 化成肥料 8-8-8
サンアンドホープ 化成肥料 8-8-8
コーナン オリジナル 化成肥料 8-8-8
国産 三菱 普通化成肥料 8-8-8
なぜ「8-8-8」の配合なのか
それではなぜ、「8-8-8」という配合の化成肥料があるのでしょうか?主に、以下の特徴から、「8-8-8」の肥料が使われています。
- 窒素、リン酸、カリウムをバランス良く配合しているため、野菜や花など幅広い種類の作物に施用しやすいです。
- 各要素の含有量が少ないため、濃度障害なども起きにくく、初心者でも扱いやすいです。
- 「14-14-14」などの高度化成肥料と比較した場合、各要素の含有量が少ないため、手で撒いたりしたときの多少の斑などは気にしなくても問題にならない。
生産するためのコストや作業時間を削減し、効率化したいと考える農家にとっては、「14-14-14」のような高度化成肥料は必要不可欠です。
「8-8-8」の化成肥料のデメリット
但し、「8-8-8」のような普通化成肥料を使う場合には、以下のようなデメリットも必要です。
- 「14-14-14」などの高度化成肥料と比較して、コストが高くなります。例えば、畑に窒素、リン酸、カリウムをそれぞれ1.4kg補給したい場合、「14-14-14」の肥料の場合は10kgで済みますが、「7-7-7」の肥料の場合は20kg必要となります。
初心者の方は、「7-7-7」や「8-8-8」などの普通化成肥料を使いましょう。
「8-8-8」と「14-14-14」の違い
よく見かける成分量として、「14-14-14」の化成肥料もあるのではないでしょうか?
「8-8-8」と「14-14-14」の化成肥料の違いは、単純に窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)の保証成分量の違いです。「8-8-8」は、「14-14-14」の約半分程度の含有量ということが言えます。
要素 (肥料正味量10kg) | 「8−8−8」 の化成肥料 | 「14−14−14」 の化成肥料 |
---|---|---|
窒素(N) | 0.8kg | 1.4kg |
リン酸(P) | 0.8kg | 1.4kg |
カリウム(K) | 0.8kg | 1.4kg |
「8-8-8」の肥料を使うか、「14-14-14」の肥料と使うかは、散布する範囲(面積)や育てる作物、熟練度などによって、異なります。また、形状や材質によっても、肥料と使い分けたほうが良いです。
家庭菜園など初心者は「8-8-8」を使うほうが無難でしょう。各肥料メーカーは、野菜や花など幅広く施用できる肥料として「8-8-8」の化成肥料を多く販売しています。