竹を枯らすには
竹は常緑性の多年生植物です。毎年春になると、地下茎の節にある芽がでてきます。これがタケノコです。タケノコは数カ月で大きく成長し、立派な竹になります。また竹は地下茎の範囲が非常に広く、一部の地下茎からでもどんどん繁殖します。なかなか引っこ抜くことも物理的に困難なため、本質的な駆除には、地下茎をしっかり枯らすことが不可欠です。
竹を枯らす除草剤には2タイプあります。液体の茎葉処理剤か、顆粒タイプの粒剤とよばれる土壌処理剤を使って除草します。竹は地下茎が厄介なので、根まで枯らす除草剤を使います。
除草剤の使い方
茎葉処理剤
液体の茎葉処理剤は、通常は茎や葉に薬液をかけることで雑草を枯死させます。しかし大きくなった竹の場合は茎や葉に散布しただけでは、枯らすことはできません。薬剤を直接幹に注入して使う「竹稈注入処理」をして、根まで枯らすことができます。時期は夏から秋の生育期に行います。
- ドリルなどで、竹の節から2~3㎝下にドリル等で幹に穴をあける
- 除草剤を1で開けた穴に、スポイトで注入する
- 雨が入らないようにガムテープやコルクなどで、穴をふさぐ。
- 落葉してきたら、竹を切る。
細い竹には、秋に50倍に希釈して葉に噴霧器(散布機)などで、直接散布します。
土壌処理剤
粒剤の土壌処理剤は基本的には生長する前、生長初期に散布するのが基本ですが、生長した竹に効果がある粒剤の除草剤があります。春や秋に土にばら撒くだけで、有効成分が根から吸収され竹全体を枯死させます。
効果がでるまでには、少し時間がかかりますが放置竹林など広範囲の竹を枯らしたい場合には、粒剤がおすすめです。
おすすめの除草剤
茎葉処理剤(液体)
茎葉処理剤は、根まで枯らす効果のある「グリホサート系」の除草剤がおすすめです。グリホサート系は根が厄介なスギナやドクダミなどの雑草にも使われる除草剤で、茎や葉に薬液をかけることで根まで薬液が吸収移行して、根まで枯らすことができます。
竹に使う場合には、適用雑草に竹があること、また竹稈注入処理ができるもの選ぶのがおすすめ。
ラウンドアップマックスロード
ラウンドアップマックスロードは、グリホサート系の代表的な製品です。除草剤が売られているホームセンターならどこでも買える超メジャーな製品です。ラウンドアップマックスロードには、希釈して使うタイプと、すでに希釈されている(AL剤)がありますが、竹には原液をそのまま竹稈注入処理するので、原液タイプを選びましょう。林木や畑作物がある場所でも使えます。
サンフーロン液剤
サンフーロン液剤は、初代ラウンドアップのジェネリック製品です。ラウンドアップマックスロードより、散布後の雨に弱い部分はありますが、ジェネリック製品のため安価で購入することができます。もちろん竹稈注入処理が可能です。
ネコソギクイックプロFL
レインボー薬品のネコソギシリーズにも竹に使える除草剤があります。ネコソギクイックプロFLは、他のシリーズと違い林地、畑地、放置竹林で使えます。
成分は、グリホサートイソプロピルアミン塩で、効果は、グリホサートイソプロピルアミン塩の他の製品(ラウンドアップ など)と同様です。また、ピラフルフェンエチルも配合しているため速効性があり、雑草にすぐ効きます。
土壌処理剤(粒剤)
フレノック10粒剤
フレノック10粒剤は、もともと笹(ササ)やススキ、チガヤ用の除草剤で、竹類の登録はないのですが、秋から春に散布でき、竹にも効用があり、枯れると評判で、農家の方では愛用されている方も多い商品です。
土壌処理剤としては、有効成分に塩素酸ナトリウムを含んだ除草剤が竹類に登録がありますが、劇物指定されているため、ホームセンターなどでは取り扱いがない場合もあります。フレノック10粒剤は普通物ですので、ホームセンターやインターネットでも手軽に購入できます。
塩素酸ナトリウムを含んだ除草剤
塩素ナトリウムを含んだ除草剤には、クサトールFP粒剤、クロレートS、デゾレートAZ粒剤などがあります。タケノコの時期に散布すると効果的な除草剤です。劇物を扱っている農協などで手にいれることができます。こちらについては詳しい記事がありますので、興味のあるかたはそちらもご覧ください。
その他注意点
除草剤を使用した場合、使用した付近でのタケノコ(竹の子)の採取は、行わないようにしてください。
タケノコ畑に使える除草剤は「タケノコ」または「野菜類」に登録があるもので、その中に「竹類」に効くものはなく、ラウンドアップ などのラベルには、「処理竹から15m以内に発生したタケノコを2年間は食用にしないでください」と注意書きがされています。
家庭で食べるためでも、除草剤の成分が残っている可能性もあります。また看板などでタケノコ狩りに来た人が間違って、とらないよう注意喚起しておくことも大切です。
またホームセンターのプライベートブランド製品(PB製品)にもグリホサート系の除草剤はありますが、農薬登録されていないものは、山林などでは使えません。また竹への竹稈注入処理に適用がないので、竹にはほぼ使えないでしょう。グリホサート系の除草剤はたくさんありますが、値段だけでなく必ずラベルを見て、正しく使用しないと農薬取締法違反となりますので気をつけましょう。